第508回(2019年5月14日実施)
1.開催年月日
2019年5月14日(火)
2.開催場所
中京テレビ本社 役員会議室
3.委員の出欠
委員総数:10名 出席委員数:8名
【出席委員の氏名】
佐合 広利 委員長
川合 伸子 副委員長
江崎 貴久 委員
竹中 千里 委員
谷 誠 委員
郡 健二郎 委員
加藤 亮太郎 委員
越川 健一郎 委員
【欠席委員の氏名】
岩渕 貴美子 委員(書面参加)
佐藤 久美 委員(書面参加)
4.議題
- 社側報告
- 番組種別放送時間の報告
- 視聴者センター、BPO報告
- 合評番組
土バラ 真夜中のドキュメンタリー
「ママががんになった~子どもに伝えるとき~」
<2019年3月9日(土)24:55~25:23頃放送>
5.議事の概要
- 2018年度下期の番組種別放送時間の報告を行った。
- 2019年4月の視聴者センター報告、BPO案件の近況報告を行った。
- 土バラ 真夜中のドキュメンタリー「ママががんになった~子どもに伝えるとき~」<2019年3月9日(土)24:55~25:23頃放送>について合評した。委員からあらまし次のような意見や要望が出された。
- 交通事故や災害は、別れをする間もなく突然家族を失うが、がんは突然訪れる死ではなくて、ある意味家族で向き合うことができる。娘の(小学生の)さやかさんががんは死ではないということを伝えたかったという自由研究が紹介されていたが、がんとの向き合い方というのはひとつの答えがあるわけではなく、それを考えるきっかけを作ってくれた番組だった。
- 私は医療に携わっているので、この類の話というのは毎日のように聞くが、見ている人がどんな気持ちになるのかなと思った。出演した二人のような明るい患者を僕はあまり見たことがない。少なくとも私たちの診察室では、出た瞬間、家に帰ったとき、多分悩み苦しんでいる。その辺をもっと突っ込まないと、がんの人が見たら、こんなはずじゃないと思うのではないか。
- ナレーションの方の声のトーンだとか、2人のがん患者がすごく明るく対応されているのでちょっとびっくりした。また、だからこそ冷静に見ることができた。もしパパががん患者だったら、あるいは母でも、息子にならどう伝えるかとか、いろんな視点があると思うので、ぜひ続編を期待したい。
- がんになったお母さんと子供に絞った関係の中で、がんとどう向き合うのか初めて考える機会となった視聴者の方は多いと思う。「家族だから一番に教えてほしい」とか、「家族で向き合うがん」とか「せっかく近くで見られる尊い命」など、端的でシンプルだが、心に刺さる言葉がすごく多かった。
- ほぼ同年齢の子を持つ親として、非常にシンパシーを感じ、本当に我が身を振り返って見るような形になった。あえてシリアスな場面が入らないという構成だったのがいいか悪いかということはあるが、全体的に前向きな番組として捉えられるような印象を受けた。親と子の思い合いというところが非常に感動した。
- がん告知はしたものの、子供さんも含めて受け入れをして、家族みんなでがんと向き合って生活しているというがん闘病家族のサクセスストーリーという感じで受けとめた。ただ、小学生ぐらいの子供から見れば、死というのは身近ではなく、その分だけ冷静にというよりも、逆に言うと無知で、反応もなく頭の中だけで受け入れてしまっているのかもしれない、そういう疑問を少し思った。
- 由紀さんが、子育て中でがんを患っていためぐみさんからもアドバイスをもらったり、また、病院でもカウンセラーからいろいろ聞いたりして、一人娘のさやかちゃんに事実を伝えるに至る経過が丁寧に描かれていて、同じ立場で悩む人たちには大変参考になったのではないかと思う。
- SNSで自分の闘病記というものをどんどんアップしている人たちもいるけれども、日常の中でそのテーマを伝えていくのは、丁寧な取材に基づいたテレビ番組ならではだと思った。また、テレビ取材を通して、登場した人たちが自分たちを客観的に見つめることができることにつながったのではないかとも思う。
- 2年間ずっと二家族を取材してきただけあって、とても素敵な番組になっていたが、30分程の番組の中に二家族をまとめてほしくなかった。せっかく700日余りかけて取材をしたならば、もっと伝えたいことがたくさんあったと思う。
- 子育て世代のがん患者が、子育てをしながらがんであることを子供に伝えるべきかどうか、どのように伝えるかといったがんの告知という視点と、もう一つは、親子でがんに対してどう向き合うのか、親にとって、子供にとって何が大切なのかという、家族なり子供の、がん患者に限らないそういう共通する根源的な問いかけをしている番組だった。