中京テレビNEWS中京テレビNEWS

投稿BOX
投稿BOX

繰り返された“ながらスマホ”死亡事故 2遺族が手記で明かした「憤り」 愛知・岐阜

報道局
愛知岐阜特集 2018/5/1 13:00

 交通事故死者数が15年連続で全国ワーストとなっている愛知県で先月、スマートフォンアプリ「ポケモンGO」が関連するとみられる死亡事故が起きました。

 4月14日。愛知県西尾市で、道路を横断していた永田よしさん(85)が、乗用車にはねられ死亡する事故が起きました。その後の警察の調べで、過失運転致傷の疑いで現行犯逮捕(釈放され現在は在宅捜査)された乗用車を運転していた女(43)が、スマートフォンアプリ「ポケモンGO」を起動しながら運転していたことが、携帯電話の記録などから判明しました。

 繰り返された、「ながらスマホ」による死亡事故。

 この事故を受け、同じ「ながらスマホ」によって愛する家族を奪われた2人の遺族が、中京テレビに手記を寄せました。

 当時9歳、兄の目の前で起きた悲劇

 2016年10月。愛知・一宮市で、集団下校中だった則竹敬太くん(当時小学4年)が、「運転中は常にポケモンGOを起動させていた」と供述した男が運転するトラックにはねられ死亡しました。はねられ、トラックの下敷きになり引きずられた敬太くんは、一度、立ち上がったといいます。

 2歳年上の兄の目の前で起きた悲劇。敬太くんをはねた男は、過失運転致死の罪で起訴され、禁固3年の実刑判決を言い渡されました。裁判官は判決のなかで「被告人の過失の態様は非常に悪質といえる」と強く非難しました。

■故 則竹敬太くんの父・崇智さんの手記
「もうこれ以上被害者も加害者も出したくありません」

 あれから1年6か月が経ちました。今もあの日(2016年10月26日)のことを忘れることができません。「なぜ敬太は死ななければならなかったのか?」“子供”の敬太がルールを守り横断歩道を渡っていたのに、ルールを無視した“大人”がスマホゲームをしながら運転し事故を起こす。こんなことが許されて良いわけがない。そんな思いで今までさまざまな場所で訴えてきました。

 一宮市長、愛知県知事にも面会しました。国家公安委員長にも「ながらスマホ」による事故の厳罰化に向けて要望も出しました。そして去年5月からは地元の高校を中心に交通事故の悲惨さや、ながらスマホの危険性を伝え続けてきました。じわりじわりと手応えを感じています。

 しかし、行き交う車に目をやると平然と「ながらスマホ運転」をしている車を見かけます。長男はその様子を目にすると「だめだよ」とほほをふくらませて怒りをあらわにしています。子供の手本となるはずの大人がどうしてこんなにも危険だと言われ続けている「ながらスマホ運転」をしてしまうのでしょうか。依存性…。それとも少しなら大丈夫という過信…。

 モラルとマナーに訴えるだけで守られないのであれば、ルールを厳しくすることも必要ではないでしょうか?もうこれ以上被害者も加害者も出したくありません。

 交通事故は誰も幸せにしない。一昨年、携帯電話の操作が原因とされる事故の死者が27人いらっしゃいました。一人一人が運転中は使わない。手の届かない場所に置く、安全な場所に停車させてスマホ等を確認操作する。そんな当たり前のことをすれば悲劇は生まれないのに…。なぜ伝わらないのでしょうか。
 
 先月の事故の件を知り、もう誰もこのような被害者を生まない(加害者にもならない)ために訴え続けているのにと悲しい気持ちになりました。

 しかし、私にできることは伝え続けること、訴え続けることが私にできることやらなければならないこと。できる範囲で頑張る、それが、敬太への供養だと信じています。これが使命だと思っています。

 天国で敬太が見ていてくれると思うと私は頑張れます。絶対に「ながらスマホ」はいけません!!

則竹崇智

当時20歳、遺影は成人式の記念写真

 敬太くんが亡くなる半年ほど前、2016年4月。土岐市で、竹田ひとみさん(当時20歳)が、帰宅中の女にはねられ死亡しました。成人式の直後の悲劇でした。

 女は、助手席に置いたスマートフォンで、夫とLINEで連絡を取ろうとしていて気を取られ、前をよく見ずに運転していたといい、「その運転態度は非難に値する」と判決(禁固9か月の実刑)で指摘されました。

■故 竹田ひとみさんの父・吉弘さんの手記
「命の重みを、我が身で感じるまで、分かりませんか」

 私の娘は、「ポケモンGO」が出る前の、LINEの使用による事故で死亡しました。

 すべてのスマホ使用が悪いとは思いません。運転中のスマホが悪いのです。スマホに集中すると、前が見えないのはあたりまえのことです。道幅の狭いところでは、運転中の「ながらスマホ」を見かけません。何故ですか?

 私も、娘が「ながらスマホ」の事故に遭うまでは、してしまったこともあります。いまさら人のことを言えませんが、今は一切していません。

 その悪質さは比較できませんが、飲酒運転と比べて、「ながらスマホ」による事故は、罰則が軽すぎると思います。

 本当に大切な娘を亡くさないと、気付くことはできませんでした。命を亡くしたり、奪ったりした後では遅いのです。

 人間は、自分に甘く、何があっても自分は大丈夫と思い込んでいます。人間は、ルールを守れず、ミスを繰り返します。私は、人を信用せず、車に委ねたい。メーカー各社に、ぶつからない車を作ってほしい。

 今の車社会で事故は少なからずあると思いますが、亡くならなくてもよい命もたくさんあると思っています。

 運転中の「ながらスマホ」による事故で、最愛の娘を奪われた親から一言、言えるなら。

 「そんなに運転中のスマホは大事ですか?自分の命、残された身内や友人・他人の命を奪うことの重みを、我が身で感じるまで、本当に分かりませんか?」

竹田吉弘

この記事をシェアする

2018年5月
« 4月   6月 »
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031  
中京テレビNEWSLINEで中京テレビのニュースを読む 友だち追加
2018年5月
« 4月   6月 »
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031  

中京テレビNEWS トップへ