バブルの遺産か “金ピカの犬山城”お披露目 31年ぶり
バブル時代につくられた黄金の城が愛知県犬山市にありました。31年の沈黙をやぶり、一般公開されることになったワケとは。
4日、朝からある場所で密やかに行われた式典。
「どうぞお願いします」(式典進行係)
現れたのは、金ピカのシャチホコに瓦や石垣にいたるすべてが黄金に輝く犬山城。
公開されたのは31年ぶり。
国宝犬山城のレプリカで1987年に開かれた犬山城築城450年を祝うイベントで製作され、その後、お蔵入りに。当時、かけた費用は3000万円。こうして公開されるまでには、実は長い議論がありました。
「(黄金の犬山城は)イベント用品としての性質が強く、大きな展示スペースを必要とするなどが活用困難な理由」(犬山市の担当者/9月犬山市議会にて)
犬山市は、国宝犬山城など“本物”の街として売り出し中で、歴史的な史料館の展示には、黄金の城はふさわしくないと判断。また、重さが360キロで簡単に持ち出せないこともあり、史料館の2階の片隅に放置してきました。
「黄金の城ってめずらしそうやし、見てみたいです」(観光客)
犬山には金の城があるらしい。世間が注目しはじめ、市長が公開を決め、今回公開となったのです。
「重くて運べなかったという犬山の金の城。ついに運び出されます」(加藤裕之 記者)
総重量360キロ、一体どんな方法で持ち上げるかと思いきや。
なんと、屋根だけが外れました。のぞいてみると中は空洞のよう。のちに黄金の城は5つのパーツにわかれることが判明しました。
それらを丁寧に運びだし、作業は2時間もかからずに終わりました。しかし驚くべきことに、展示された場所は、史料館の入口。つまり2階から1階へ移動させただけでした。
「設置場所というのも検討しまして、なるべく入り口に近いところで、展示品を阻害しないようなところで展示しました」(犬山市 歴史まちづくり課 河嵜渓太さん)
史料館での展示を嫌がっていたのに結局、入口すぐの1番目立つところに。
「こんなに金ピカで、なんで逆に30年以上公開されなかったのかと思いました」(来館者)
この問いかけに市長は。
「はっきり言うと完全に埋もれていた。活用については思考停止していた」(犬山市 山田拓郎 市長)
何はともあれ、公開となった黄金の城。12月中旬まで限定公開されます。
