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“日本最古”の和時計か 1596年製の刻銘、400年以上前の大地震で壊れた可能性も

報道局
愛知特集 2019/4/15 15:35

 いくつもの歯車が複雑にかみ合い、静かに時を刻む「和時計」。愛知県犬山市にあった時計が、専門家の調査により、400~500年前のものであることがわかりました。なんと、日本最古の和時計である可能性も。

 愛知県犬山市で去年まで営業されていた「昭和レトロ館」。

 すでに亡くなっている前オーナーが趣味で集めた和時計などが展示されていました。

 その中のひとつに、驚くべき事実が。

「私の父親が古い物が大好きで集めていた。今回“日本一古いかもしれない” ということで、ちょっと驚いている」(和時計の所有者 久保崎雅範さん)

 久保崎さんの亡くなったお父さんが、25年以上前に数百万円で購入してきたという和時計。故障していたため倉庫に眠っていたといいます。

「半信半疑というか、そんな物がウチにあるわけないと思っていた。倉庫にずっと眠っている状態で…」(和時計の所有者 久保崎雅範さん)

 その和時計の一部が、なぜか別のところにありました。

 比叡山延暦寺や鎌倉の長谷寺など全国の寺院に仏具を納めている愛知県長久手市にある「牛田佛具」。でもなぜ、仏具店に和時計の部品があるのでしょうか?

 早速、その物を見せてもらうと。

「和時計の文字盤がかなり古い物で、劣化していて、漆がめくれた状態。これを再生してほしいという依頼があった」(牛田佛具 牛田久視 社長)

 当時の時間を表す太陰暦が刻まれた文字盤。

 手書きの風合いを忠実に再現するため、完成まで3か月近くかかったといいます。

 和時計の裏側にあたる銅板に気になる刻銘がありました。

 そこに書かれていた文字は、「慶長元丙申歳、江州長濵住、時計師 藤山信繁作」。

 慶長とは、1596年から1615年までの元号で、刻銘によると、その元年に当たる年、1596年をさします。

 江州長濵は、現在の滋賀県長浜市にあたり、そこに住む、藤山信繁という人物の作品であると記されているのです。

 これがもし事実なら、現在、日本最古の和時計とされている、神戸市立博物館所蔵の1659年製のものよりも、60年以上古い計算となります。

 そこで、取材班は長野県松本市へ。今回の和時計を調査している和時計学会の専門家を訪ねました。

 これまでいくつもの和時計を分析してきた、和時計学会の関喬さん。

「これは和時計を分解した部品ですね。全部で35から40個あります」(和時計学会 関喬さん)

 関さんは学会に提出する論文を作成し、部品を記録しているといいます。

 早速、この和時計が日本最古のものなのか伺うと。

「間違いなく、日本で最も古い時計に数えられる。ですけれども、残念ながら、それを証明する証拠がない」(和時計学会 関喬さん)

 関さんの分析では、銅板の刻銘については断言できないといいますが、和時計の構造や歯車のすり減り方、鉄の腐食状態などから、400~500年前の物であることは間違いないといいます。

 さらに、こんな可能性も。

「この時計が壊れた原因は、地震と大きな関係があるのではないか。この頃は何回も大きな地震がおきているんですよ」(和時計学会 関喬さん)

 当時、京都周辺で起きたとされる「慶長伏見地震(1596年)」。規模は、阪神淡路大震災クラスで、豊臣秀吉が崩れる城から、逃げ出した逸話が残されています。

 この和時計の骨組みなどには、大きな地震で圧迫されたような、ゆがんだ形跡が多数みられたというのです。

 はたして、この和時計、日本最古のものなのでしょうか。時計の針は、再び動き始めています。

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