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旬の魚“アユ”を巡り同じ湾に流れ込む河川で明暗 豊漁と激減の差とは 愛知県

報道局
愛知特集 2019/5/22 12:00

 

 これからの季節が旬の魚・アユを巡り、不思議な事態が起きているといいます。愛知県碧南市と西尾市との境で三河湾に流れ込む「矢作川」と豊橋市の西部から三河湾に流れ込む「豊川」。どちらも三河湾に流れ込む川ですが、豊川はうれしい悲鳴、片や矢作川では大ピンチの状態だといいます。一体何が起っているのでしょうか。

 

 先日、東海地方有数のアユの漁場・矢作川でのアユ激減について、地元の釣り人が「全然釣れない」「普通は群れのアユが見えるが、群れのアユすら見えない」と嘆いている様子や、今年は遡上(そじょう)数が大幅に少なく、去年の9分の1程度しかアユが遡上していないという状況をお伝えしました。

 

 

 しかし矢作川でアユが激減する中、同じ三河湾に流れ込む豊川ではまったく違う状況が起きていました。

「いってらっしゃい」(子どもたち)

 

 

 愛知県豊川市の地元の園児たちが行っていたのは、アユの放流。アユが激減している矢作川とは打って変わって、豊川は活気に溢れていました。実は今年の豊川では、園児たちが放流したアユ以外にも天然のモノも大量に遡上しているといいます。

 豊橋河川事務所によると今年のアユの遡上数は推計340万尾で、ここ7年間で最も多い年に匹敵するほどだそうです。

 

 

「去年と同じくらい遡上があると聞いています。うれしいです、天然アユがうれしい」(下豊川漁業協同組合 鈴木宗史組合長)

 しかしなぜ、同じ三河湾に流れる川でこんなにも、アユの数が違ってくるのでしょうか。漁業協会の方に話を伺いました。

「三河湾の中で回遊しているので、豊川に上るか矢作川に上るかは毎年のこと」(下豊川漁業協同組合 鈴木宗史組合長)

 

 

 実はアユが遡上する川は毎年のように異なり、片側が大漁だと片側は不漁を繰り返しているのだといいます。アユの生態を研究する愛知県水産試験場にその理由を尋ねました。

「正直(豊川で)アユが増えている原因がよく分からない。今年は水が少なくて流れが緩いので、上りやすい条件がそろっていてみんな一斉に上っていった可能性もある」(愛知県水産試験場 白木谷卓哉主任研究員)

 

 

 豊川は今、深刻な水不足。水源でもある宇連(うれ)ダムは5月19日に34年ぶりに貯水率0%になりました。そのため川の流れが弱くなったことなどから、アユが遡上しやすかったのではというのです。しかし、川の水不足は、遡上した後のアユの生態にはよくないといいます。

「水が少ないと、水温が高くなって魚の密度も高くなる。そうなると酸欠が起こったり魚にストレスがかかったり弱ってしまう」(愛知県水産試験場 白木谷卓哉主任研究員)

 そうすると心配なのが、川の上流などでアユの手づかみが楽しめるヤナ場です。愛知県新城市にある「寒狭川広見ヤナ」。ヤナ場では6月23日からのヤナ開きの準備も進めていますが、店では複雑な思いを口にしていました。

 

 

「遡上が多いということは大変うれしいことではありますけど、(水が少ないと)河口から遡上したアユがこちらまで上がってくるかと言われると確率は少ない」(寒狭川鮎ヤナ組合 大山祐吉組合長)

 川の水が少ないと、途中にある魚道などにも水がなくなるため、ヤナがある上流にまでアユがたどり着けないといいます。

Q.このままだと?
「アユの成長には良くないのかなと思います。今後雨が降ることを期待しています」(寒狭川鮎ヤナ組合 大山祐吉組合長)

 

 

 地元の人の心配は、しばらく続きそうです。

中京テレビ 「キャッチ!」 5月20日放送より

 

旬の魚“アユ”を巡り同じ湾に流れ込む河川で明暗 豊漁と激減の差とは 愛知県

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