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港町の新たな取り組み「漁業女子」 男でもつらい定置網漁をなぜ女性だけで行うのか 三重・熊野市

報道局
三重特集 2019/6/2 8:00

 三重県熊野市で初めて女性だけで漁に挑戦する試みが行われました。地元の人も大丈夫かと心配する中、注目の漁の結果は…。

 三重県の南部にある熊野市甫母町(ほぼちょう)。人口100人ほどの小さな漁師町です。

「初めて3人で網を揚げるので、楽しみですが不安もあります」(田中りみさん)

 こう話すのは、熊野市出身の田中りみさん(39)です。これまで、魚を加工する仕事に携わっていましたが、今回、知り合いの女性2人を加えて、女性だけで漁に出ることになったのです。

地元の漁師からは心配も声も

 5月24日、港では漁の始まりを祝って餅まきが行われました。女性だけで漁を始めることに地元の人は。

「(女性だけの漁は)聞かんね。女の子は絶対(船に)乗せてもらえなかった」
「旦那に付いてやる人はいるが、女性だけで漁している人はいません」(地元の人)

 そして、地元の漁師からは心配をする声も。

「おれも(定置網漁)するけど、男でもつらいのに、女の人が(漁を)するというのは本当につらいと思う」(地元の漁師)

 男性でもつらいという漁。今回なぜ、女性たちだけで始めることになったのでしょうか。

「女の人は農業は結構いるけど、漁業はいないので、漁業でも女の人が増えれば子どもも増えてくると思う。(町に)にぎわいを戻すために女性が必要だと思う」(田中りみさん)

 女性だけでも漁ができることをPRし、町の活性化につなげる狙いがあったのです。

女性だけの漁に初挑戦

 彼女たちが取り組むのは定置網漁。海中に網を設置し、それを引き上げる漁法です。

 今回は、女性でも網を引き上げやすいようにかなり小さなものを使用します。

 漁開始から約10分。

 網の中にはイカの姿が。何匹もいるように見えますが、網を揚げていくと、なぜか見失ってしまいました。

 初漁の日に、まさかの取れ高ゼロかと思いきや、再びイカを発見。実は、船の底に隠れてしまい見えていなかったのです。そして、ようやく無事にイカを捕獲できました。

 今回とれたのは、アオリカイカなどイカが6匹。

 とれる量はちょっと少ないような気がしますが、ここからが彼女たちの腕の見せ所。近くの加工場であっという間にさばいてきます。

 さらに他の船がとってきた小魚も、包丁を使わずに開いていきます。

「このまま冷凍して東京の居酒屋に持って行ったら、素揚げとかで結構人気なんです」(田中りみさん)

 彼女たちが加工することで、魚に付加価値が生まれ、漁の結果が少なくても、採算が取れる仕組みです。

「“女性でもこんなにやってるんだ”、“熊野に行けばできるんだ”って思ってもらえるようになれば、人も寄ってきてくれるのではと思う」(田中りみさん)

 女性ならではの工夫がある仕組み、これからもしかすると増えていくかもしれません。

港町の新たな取り組み「漁業女子」 男でもつらい定置網漁をなぜ女性だけで行うのか 三重・熊野市

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