おしゃれに進化 「ポン菓子」最前線 女性社長の挑戦 ケニアにポン菓子を 愛知・南知多町
昔懐かしい駄菓子の「ポン菓子」。地味なイメージが、いまやカラフルでおしゃれに進化。奮闘する女性社長の思いとは?
取材班は、愛知県南知多町にあるポン菓子専門店の「ぽんかふぇ」を訪ねました。店内には透明なカップに入った赤や緑、黄色など色とりどりのお菓子。
「カラフルな商品が並んでいますね」(記者)
Q.一体これは?
「これは、実をいうと全部“ポン菓子”なんです」(家田製菓 家田馨子社長)
ポン菓子といえば、昔懐かしい素朴な味の駄菓子。
工場でのつくり方は、コメなどの穀物を圧力釜に入れ、約10分間加熱します。すると、爆音と共に飛び散ったのは、膨らんだコメ。なんと、通常の約10倍まで膨らむといいます。その膨らんだ穀物を水あめで固め、砂糖やしょうゆなどで味付けすれば、昔懐かしいポン菓子の出来上がりです。
そんなポン菓子が、進化しているといいます。こちらのポン菓子専門店「ぽんかふぇ」では、西尾の抹茶や国産イチゴの果汁などで味付けした多彩なフレーバーのポン菓子を開発。ポン菓子を使ったアイスクリームやかき氷も人気だそうです。
これらの新商品を考えたのは、家田社長。
「昔ながらのポン菓子が一つは頭打ちになったというか、ださいイメージから新しいおしゃれなイメージに変わりたかった」(家田製菓 家田馨子社長)
南知多町で40年ほど続くポン菓子メーカー「家田製菓」。昭和56年に、家田社長の夫の保さんが創業しました。しかし3年前、保さんが脳梗塞で倒れたため、馨子さんが会社を引き継いだといいます。
「何回も何回も会社をたたもうと思ったんですが、私の力でもなんとかやっていけるかもしれないと思って」(家田製菓 家田馨子社長)
一時経営が傾いた時期もあったそうですが、家田社長は女性ならではの発想で、若者にも受ける商品などを次々と開発。いまでは、年商約2億円の会社に、見事に返り咲くことができました。
アフリカ・ケニアでポン菓子を広める
しかし、家田社長の挑戦はこれで終わりではありませんでした。日本から遠く離れた、アフリカ・ケニア。現地の人たちが作っていたのは、ポン菓子でした。家田社長はポン菓子の技術を教えに、アフリカまで渡っていました。
「3年前に農林水産省からの要請で、“ポン菓子をケニアで広める”というプロジェクトに参加させていただいて」(家田製菓 家田馨子社長)
プロジェクトは、ポン菓子を使いケニアの農家が育てる穀物に付加価値をつけ、所得向上につなげるというもの。穀物を菓子にして売れば、そのまま売るより十倍以上の価格で販売できるものもあるといいます。研修を受けた生産者の中には収入が増えたという人もいるそうです。
「自分たちの生業としているポン菓子を通じて、誰かの役に立てるということは本当に素晴らしいことだなと感じて。本当にポン菓子を通じて、ケニアの方々に豊かになってほしいと思っています」(家田製菓 家田馨子社長)
「キャッチ!」6月4日放送より
