命を守るライフジャケット カメラが捉えた水難事故の救出劇
夏本番、海水浴を楽しんでいる人も多いのではないでしょうか?注意しなくてはいけないのが、水の事故。海で4時間も漂流した釣り人の救出劇をカメラが捉えていました。水難事故にあった人の命を守ったものとは?
三重県熊野市で起きた水難事故。その救助の一部始終が、第四管区海上保安本部のカメラに捉えられていました。
映像に映る男性が、身に着けていたのは、ライフジャケットでした。
海水浴客でにぎわう、愛知県南知多町の内海海水浴場。ライフジャケットなどの救命胴衣を着けている人は、あまりいないようです。
警察庁の資料によると、去年の7月と8月の2か月間で、中学生以下の子どもによる水難事故は、全国で81件発生。14人が、死亡または行方不明になっています。
毎年、犠牲者が後を絶たない水難事故。名古屋市に住む泉敏行さん(46)は今年4月に水難事故にあったといいます。
その日、泉さんは、三重県熊野市の岩場で釣りをしていました。
「自分の行きたい(釣りの)ポイントがあるので、そこに移動したときに波にのまれた」(泉敏行さん)
当時、第四管区海上保安本部によって泉さんが救助された様子が映像に記録されていました。
「あっ、左後ろ!左…いた!いました。確認しました。現在、海面にて浮いております」
「手振ってる!手振ってるよ!」
「あおむけで浮いている状況で、腕は振っておりますので意識はある」(救助隊員の音声)
泉さんは救助されるまで海で4時間も漂流していたといいます。
「海の中でもがいていたんですけれど、そのうちにフッと体が浮いて、このベストのおかげなんですけど」(泉敏行さん)
命を守ったのは、ライフジャケットでした。
救出された当時、泉さんの体温は30℃以下まで下がっていて、危険な状況だったといいます。
Q.もしライフジャケットをつけていなかったら?
「たぶん海に落ちた瞬間、結構海水を飲んでしまうと思う。そのまま命を落としていたかと思う」
命を救ったライフジャケット。実は今、子供向け商品の売り上げが伸びているといいます。
名古屋市中川区にあるスポーツ用品店「スポーツデポ 山王店」を訪ねてみると。
「年齢的には子どもサイズがよく売れているので、事故防止を兼ねて着させる人が多い。子どもが初めて着るにはどういったものが良いかという相談はよく受けます。これから、さらに売り上げが伸びると思います」(スポーツデポ山王店 石田雅敬さん)
水が恋しい季節、水の事故を防ぐためには、ライフジャケットがひとつの切り札になるかもしれません。