真夏の道路の暑さ対策 「グレー」の道路で路面温度が下がる そのわけは 愛知・豊田市
真夏に高温となってしまうアスファルト。愛知県豊田市に、ある画期的な“暑さ対策”を施した道路が出現しました。
名鉄豊田市駅前の近くにその秘密があるということで、交差点を渡っていくと、突然、道路の色が“黒”から“グレー”に切り替わりました。
駅前から延びる県道。約150メートルにわたって「グレー」の道路が続いています。
道路脇の歩行者に話を聞いてみると。
「気にしたことない」
「知らないかな」(歩行者)
地元の人もその秘密はあまり知らないようです。
6月から突然グレーになったということですが、その理由について市の担当者は、
「グレーに塗ることによって、熱吸収を抑えて、気温の上昇の軽減に寄与するものとして、“暑さ対策”のために施工しました」(豊田市役所都市整備課 横田博昭 副課長)
道路の塗料こそが秘密の正体。 “遮熱性舗装”と呼ばれ、グレーの塗料には熱の吸収を抑える樹脂が入っているため、路面温度の上昇を防ぐ役割を果たすといいます。
2つの道路の温度にはどれくらいの差があるのでしょうか…?
「現在正午過ぎなんですが、一般道路の路面温度は54.8度となっています」(記者)
次は“グレー”の道路のほうへ移動してみます。
「グレーの道路のほうは、45.6度となっています」(記者)
グレーの道路の路面温度のほうが約10度も低いという結果でした。
実は豊田市がこの舗装工事に乗り出したのにはきっかけがありました。
「東京都で、オリンピック・パラリンピックに向けて、マラソンコースの遮熱性舗装をやっていると伺っています。それと同じ舗装を今回、熱さ対策で施工させていただいています」(豊田市役所都市整備課 横田博昭 副課長)
世界中が注目する東京オリンピック。心配されるのが「暑さ」による選手の安全性で、特に懸念されるのが「マラソン」です。
そこで、東京オリンピックの暑さ対策として、この「グレー」の道路を整備へ。
マラソンコースや会場周辺の道路、約136キロメートルを予定しているといいます。
豊田市が東京オリンピックを参考にした理由を伺うと。
「ラグビーワールドカップの際にも、おもてなしゾーンとして活用を考えています」(豊田市役所都市整備課 横田博昭 副課長)
今年秋、ここ豊田市でも世界的なスポーツイベント「ラグビーワールドカップ」が開催される予定。
「グレー」の道路は、駅から会場となる豊田スタジアムへのルートになるほか、歩行者天国のような形でイベント利用も考えているといいます。
「観光客が快適に過ごしていただけるように、暑さ対策として効果が出ればいいと思います」(豊田市役所都市整備課 横田博昭 副課長)