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「表現の不自由展、その後」少女像展示で混乱 あいちトリエンナーレ「企画展の予算10億円」情報はミスリード

報道局
愛知特集 2019/8/12 17:33

 8月1日に始まった「あいちトリエンナーレ2019」。開催概要によると、2010年から3年ごとに開催されている国内最大規模の国際芸術祭で、4回目となる今回は、国内外から90組以上のアーティストを迎え、現代美術展のほか、音楽プログラムなどが名古屋市と豊田市の4つのエリアで開催されている。

 そのうち、企画展「表現の不自由展、その後」で、慰安婦問題を象徴する少女像などを展示したことをめぐり、議論が過熱。脅迫めいたFAXやメールが数多く届き、実行委員会トップの大村秀章・愛知県知事は、開催3日目にして同企画展の中止を決断した。

 中止の是非をめぐる議論が広がる中、SNS上には、中止となった企画展に関する「予算」についての投稿も目立つ。愛知県や名古屋市が費用負担して開催されるという性質上「多額の税金」という言葉に目が行きがちだが、議論の大前提となる「数字」は正しいのか。各所への取材をもとに、「予算」についての情報について、ファクトチェックを行った。

 

「予算」めぐるSNS上の言説と反応

 少女像などを展示する企画展が中止となった8月3日頃から、「企画展」の予算が「10億円」とする投稿が見られるようになった。例えば次のようなものだ。

“血税10億使って 非人道的な作品と慰安婦像と並べて”
“10億円以上もの血税を使ってまで、コレを「表現の自由」として強硬展示する必要はあるんでしょうか?”(いずれもTwitterより引用)

 

 さらに、著名人からも同様の反応があった。

有本 香@arimoto_kaori 8月3日
“大村知事や一部メディアは「抗議した人が悪い」という空気を作り出そうとしているようだけど、今回の津田大介監督の杜撰な企画に投入される予定だった税金10億ですからね、10億。多くの国民・納税者が黙っていられるわけないじゃないですか。”(Twitterより)

 有本氏の投稿は、8月8日現在1.2万リツイートと、その影響力は小さくない。

 

 一方、これらの投稿を受け、芸術監督を務める津田大介氏は、8月4日にTwitter上で反論をしている。

津田大介 @tsuda 8月4日
“『表現の不自由展・その後」は全体企画の1つでしかなく、事務局に確認した正式な予算は420万円です。この部分に対し、民間の方から寄付の申し入れがあり、寄付で全額賄うこととしております。”(Twitterより)

 有本氏の「杜撰な企画」という表現が、芸術祭全体を指すのか、議論となった企画展を指すのかは曖昧だが、SNS上では「約10億円」と「420万円」という数字が混同して用いられている。

 

実際の予算をチェック 「企画展に10億円」はミスリード

 実際の予算はどうか。8月2日、予算の一部を負担する名古屋市が、その内訳を報道機関に発表した。

 発表によると、予算の合計にあたる「実行委員会運営費」は、約12億7千万円。その内訳は、次の通り。

・愛知県負担金:約7億9千万円
・名古屋市負担金:約2億1千万円
・事業収入(入場料・助成金・協賛金等):約2億7千万円

 上記をみると、あいちトリエンナーレ2019「全体」に投入される税金が「約10億円」であることは間違いないといえる。

 

 一方、企画展「表現の不自由展・その後」のみに関する予算は。

 先に挙げたように、芸術監督・津田大介氏がツイートで「420万円」と指摘したほか、愛知県の大村知事も8月5日、次のように発言している。

「事実をきちんと示させて頂く意味で、この企画展には420万円。全体で予算12億円。」

 あいちトリエンナーレを管轄する、愛知県のトリエンナーレ推進室に事実を確認したところ、「企画展『表現の不自由展、その後』には約420万円の費用がかかっている」という回答を得た。

 つまり、「表現の不自由展、その後」の予算について「約10億円」とする言説は、全体の予算と企画展の費用を混同、あるいは誤解したミスリードな言説といえる。

 

愛知県知事と名古屋市長の対立が、誤解を生んだ?

 なぜ、このようなミスリードを招く言説が広がってしまったのか。

 今回の企画展に対し批判的な立場をとる名古屋市の河村たかし市長と、あいちトリエンナーレ2019のトップを務める愛知県の大村秀章知事、それぞれの発言から紐解く。

■8月1日(木)
あいちトリエンナーレが開幕。

■8月2日(金)
少女像が展示された事実をうけ、名古屋市の河村たかし市長は、会見で次の発言をした。
「いかんと思いますよ。こんな。10億ぐらい税金使ってますけど。そんなとこでこんなことやるということは。」
「あたかも名古屋市、愛知県や、日本国の金も入ってますから、日本全体が認めたように見えるじゃないですか」

■8月3日(土)
愛知県の大村秀章知事が、企画展の中止を発表。そのうえで、次の発言をした。
「予算面で、国の方ですが、今回の予算は愛知県の負担が6億。名古屋市がその3分の1で、寄付協賛などで全体で12億円ぐらい。」

■8月5日(月)
大村知事の発言に反応する形で、河村市長が次の発言をした。
「私が言いたいのは、税金10億も使って公共の場所で、公共の主催でやってやるのはやめてと。」
「少なくとも県や市が主催して10億ですよ、10億。日本人の心を踏みにじっていいんですか。」

 

 これらはすべて、予算を執行する行政のトップとして、芸術祭全体の予算について触れた発言であると考えられるが、河村市長の「10億」という発言は、「全体」を指すのか「企画展」についてのものなのか、曖昧に受け取られても仕方がない。

 この一連の流れをみると、河村市長と大村知事との論争が注目を集めミスリードを生む原因のひとつになったともいえそうだ。

 あいちトリエンナーレの企画展中止について、現在も様々な議論が広がりを見せている。正確で正しい情報をもとにした、様々な立場からの議論・判断が必要だ。


中京テレビは「ファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)」にメディアパートナーとして協力を表明し、ファクトチェック記事には、同団体のガイドラインに基づく「レーティング」を記載しています。

・正確:事実の誤りはなく、重要な要素が欠けていない。
・ほぼ正確:一部は不正確だが、主要な部分・根幹に誤りはない。
・不正確:正確な部分と不正確な部分が混じっていて、全体として正確性が欠如している。
・ミスリード:一見事実と異なることは言っていないが、釣り見出しや重要な事実の欠落などにより、誤解の余地が大きい。
・根拠不明:誤りと証明できないが、証拠・根拠がないか非常に乏しい。
・誤り:全て、もしくは根幹部分に事実の誤りがある。
・虚偽:全て、もしくは根幹部分に事実の誤りがあり、事実でないと知りながら伝えた疑いが濃厚である。
・判定留保:真偽を証明することが困難。誤りの可能性が強くはないが、否定もできない。
・検証対象外:意見や主観的な認識・評価に関することであり、真偽を証明・解明できる事柄ではない。

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