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“名古屋の台所”困った 中央水産ビルが約半世紀の歴史に幕 入居店舗は移転か廃業か 柳橋中央市場

報道局
愛知特集 2019/10/18 15:00

 

 名古屋駅から歩いてわずか5分という一等地にあって、新鮮な魚が買える「柳橋中央市場」。この一帯は、ところ狭ましと魚の卸店などがひしめき合う場所。

 その柳橋中央市場の主要な3つのビルのうち、市場の半数以上の商店が入る「中央水産ビル」が、10月で閉鎖することになりました。

 

 名古屋駅近くに残る、昭和の風情を残した一角。ここに100年以上の歴史を持つ、「柳橋中央市場」があります。

 

 

 中央水産ビルは魚を扱う市場として、業者だけでなく一般の人にも親しまれてきました。

「昔からあるし、名古屋の台所」
「30年前はすごかった。(買物客が)大勢でいっぱいで。みんな並んで買われて、お荷物いっぱいで」(街の人)

 そんなにぎわいをみせた市場は、いま…。

 愛知県長久手市で鮮魚店を営む田中雅芳さん(70)は、18歳の時から50年以上、中央水産ビルで買い付けを行ってきました。

 

 

 この日もいつものように馴染みの店を訪れた、田中さん。

「ここもあと2週間か。ここがなくなるのは、非常にさみしい」(鮮魚店を営む 田中雅芳さん)

 実は10月いっぱいで、このビルの市場の閉鎖が決まっています。

「お客さんの要望で魚をそろえてやるわけですから。(市場が閉鎖したら)あっち行ってこっち行って…という仕入れになるから、時間的なロスもできるし、どういう状況になるか…」(田中さん)

 66年前にそれぞれの商店がお金を出し合って組合を作り、54年前にこのビルが完成。最盛期には80以上の商店が軒を連ねていました。

 

 

 しかし、街の鮮魚店や料理人など買い出し客が減ったことで入居店舗数は49軒となり、減少の一途を辿りました。

 さらに、問題はそれだけではありません。築54年が経ったビルは、老朽化で壁が剥がれ落ち、名古屋市から耐震化を求める行政指導が。

 

 

 しかし、耐震化にかかる費用は10億円以上。とても組合に入っている商店が負担できる金額ではありません。

 名古屋市中央市場水産物協同組合の浅岡哲也理事長に話を伺いました。

「店舗(の経営)が苦労していることがわかってきて、ちょっとした耐震でも何十億かかる。どこか移転して立て直すかということにしても、お金がどうしてもネックで」(名古屋市中央市場水産物協同組合 浅岡哲也理事長)

 

 

 残された道は、ビルの閉鎖しかありませんでした。

 一方、入居する店舗は廃業か移転かの決断を迫られています。創業65年、3代続くマグロ専門店では・・・。

「うちはあした(12日)で終了。まだ、はっきり(先は)決めていない」(中央水産ビルに店を構える 野村篤史さん)

 

 

 田中さん行きつけの店は…。

「しょうがないかなと思って移転することにしました。すごく悲しいですよ、泣きそう、こんなの聞かれると。家ですもんね。子どものころからずっと来ていて、2番目の家なので。本当に悲しいなと思います」(中央水産ビルに店を構える 二村さわさん)

 

 

「ここだけで(商品が)そろわないのは、僕にとって困難。今後の僕の問題」(田中さん)

 10月末、閉鎖とともに組合は解散。今後、物件の明け渡しを進めていくということです。

 

 昭和の風景がまた一つ、消えていきます。

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