2020年10月04日 21時19分
昭和の絵はがき3題。稲見方式の時代考証の流れを紹介。
名古屋市営地下鉄栄町駅地下ホーム。
1957年(昭和32年)11月15日、 名古屋で初めての地下鉄である1号線(現在の東山線)名古屋~栄町(今は「栄」)間2.4キロが開通しました。
ということからこの写真は、その開業記念で発行されたことは間違いないと思われ、また乗客の姿が全く見られないことから恐らく開通直前の撮影ではないかと私は推理しています。何れにしろ昭和32年発行と考えて良さそうです。
こちらは名古屋駅前。
2006年(平成18年)に竣工したミッドランドスクエアがあるのがここに写っている2つのビルの場所です。
左側の「毎日新聞」の看板があるのが「毎日ビル」。工事中のブロックを挟んで右側にあるのが豊田ビル。
毎日ビルは1953年(昭和28年)に竣工。豊田ビルは昭和30年に竣工。
その間にある建設中のビルは何かというと、毎日ビルの2期工事で、昭和33年(恐らく11月)の竣工です。この写真の撮影年代の特定はその毎日ビルの工事の進捗をどう捕らえるかによります。
※上記(恐らく11月)としたのは映画館を運営する「中日本興業」の会社案内に、「昭和33年11月旧毎日ビル(名古屋市中村区)内に1劇場を開館。」との記述があり、それを参考にしています。
ということで私の推理は昭和31年後半から昭和32年の始め頃の撮影。ただ地上に、地下鉄の乗り場方面への出入り口が完成していて、人がその辺りに結構いることからひょっとすると、、、と思い調べたところ、名古屋駅の地下街は1957年(昭和32年)3月18日の開業(名駅地下街サンロードのHP参照)であることから、丁度その頃の撮影が妥当であろうと考えました。
それにしても市電はともかく、バスの色が多い。名古屋市営バス以外にも多くの会社のバスが乗り入れていたことが分かります。
名古屋市の市営ボンネットバスは、1966年(昭和41年)2月に最後のバスが引退しています。さてここに写っているボンネットバスは、多分近鉄バス。恐らく日野BH15。1961年(昭和36年)式があるのは分かっていますが、そもそもBH15で正解かが今ひとつ。
そして私の推理はここまでで力尽きました。決定打がありません。後ろの乗用車で何か分からないかと思ったもののメーカー、車種の特定に至らず。まあ昭和30年代であるというのは問題なかろうとした次第。