2020年10月10日 23時08分
伊勢神宮参拝御図絵。
伊勢神宮は日本の神道の中心地というだけではなく、戦前から日本でも有数の観光地でした。こうした図絵・絵はがきは相当の種類が出ており、恐らくそれを全て把握している人はいないのでは。とか思ったりしています。
鉄道省指定旅館宇仁館の発行。最初の画像で赤色の下地に黒文字が目に付きますが、全て宇仁館の施設です。
そこには朝熊山のケーブルカーもありますし、神都線(この図絵の頃は合同電気の時代。1944年(昭和19年)に三重交通となる)の路線も見えます。
さてこの図絵が描かれた時代ですが、参宮急行電鉄の線路が「山田」止まりでは無く、左の宇治山田まで続いています。よってこれが1931年(昭和6年)3月17日以降であることが確定します。で、先の画像にある朝熊登山鉄道は昭和19年に第2次世界大戦時の不要不急路線として営業休止となっていますが、時代の確定の役には立ちそうにありません。
絵はがきではなく図絵での出版が、この図絵に限らず一般的に何時頃まであったかは定か(私の調べという意味)ではありませんが、戦後まであったとは思えません。そこで私の結論ですが、ざっくり昭和10年前後とアバウトにさせてもらいます。
この図絵の裏面には営業案内があります。
そこで私の注目は著作権所有者。その名は「吉田初三郎」。鳥瞰図で名をはせた絵師で、鳥瞰図の研究家もしくは愛好家であればまず知らない人はいないだろうと思える方です。
ポイントはその名前ではなく、住所。名古屋市外犬山町日本ライン蘇江。名古屋市そといぬやま町ではなく、名古屋市外の犬山町。はともかく、犬山をベースに仕事をしていたとは知りませんでした。