2020年10月16日 21時41分

絵はがきに見る鉄道史(23)1932年の上野駅。

今日は東京/上野駅。分かっているのはこの写真が1932年(昭和7年)に撮影されたであろう事。その撮影時期特定のヒントはこの絵はがきの宛名面にあり。

切手を貼るところをみたら、雑誌「主婦之友」昭和7年9月号の付録であることが分かります。であれば雑誌という特性に鑑み、それほど過去の写真を載せることはないでしょうから、撮影日は精々発売の一か月前あたりでしょうか。

こちらが昨年(2019年10月17日)の上野駅コンコース。87年が経過しても大屋根は変わっていません。ヨーロッパなどの拠点駅では、さほど珍しいことではありませんが、日本では貴重な景観でしょう。

宛名面左下の写真の解説にある「明るい、近代的な構成美…」は今も確実に感じることができます。

ところで過去の写真をどう見るかですが、ここまで時代が過ぎた写真を「懐かしい」と思うことはまず無いでしょう。でも過去が今に繋がっていることをこれほど感じさせてくれる1枚はそれほど多くないという気がしています。

    

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    プロフィール

    稲見部長稲見眞一
    <自己紹介>
    昭和52年4月、中京テレビ放送入社。「ズームイン!!朝!」を始めとした情報番組や「ドラマ」「ドキュメンタリー」等のディレクター・プロデューサーを務めた。鉄研最終回(2010年1月29日放送)では自ら自慢の鉄道写真「俺の一枚」を持って出演。 鉄道歴は小学校5年からスタートしはや半世紀。昭和55年には当時の国鉄・私鉄(ケーブルカーを除く)を完全乗破。平成18年にはケーブルカーも完全乗破。その後も新線が開業するたびに乗りつぶしている筋金入りの“乗り鉄”。好きな鉄道は路面電車。電車に揺られながら窓外に流れる街並みを眺めているのが至福のとき。さてスジを寝かせてゆったり乗り鉄と行きましょう!