2020年12月13日 21時23分

絵はがきに見る鉄道史(40)樺太/真岡。

今日は鉄道関連の絵はがきではありません。サハリン(樺太)に行ってから時々買っている日本領時代の絵はがき。

今回は「真岡」の町。で、この写真の撮影時期。

中央上部にある「樺太真岡町行啓記念」の文字。

1925年(大正14年)8月9日~13日、皇太子裕仁親王(後の昭和天皇)が樺太を訪問されており、その時の記念で発行された絵はがきと思われます。

*参考「皇太子殿下樺太行啓記」(発行:樺太庁 昭和5年)【国立国会図書館】

とすればこの写真が撮影されたのは大正14年で間違いないでしょう。

ただ消印は1928年(昭和3年)11月10日。もっともこの消印で撮影時期がずれるものではありません。

「樺太真岡町不凍港の全景」。極寒の地にあって、一年中使える貴重な存在だったのでしょう。

さて撮影された時代の特定。

両サイドは恐らく1923年(大正12年)。真ん中は昭和元年(1926年)。としたかったのですが、昭和元年は12月25日から。

とすれば「9.10.1」って何でしょう?

もう一点、両サイドの「23」を私が西暦とした理由。それは「樺太庁始政第14、15年紀念」とあること。樺太庁が出来たのは1907年(明治40年)なので、時期としてはあっています。

※スタンプの日付は押印の日でしょうが、タイトル部分は恐らく定番のモノだったのでしょう。

この絵はがきのタイトルは「樺太庁始政第17年紀念」。1907+17=1924。計算が合いません。さてどうしよう?

    

    ADVERTISEMENT

    カレンダー

    2020年12月
    « 11月   1月 »
     12345
    6789101112
    13141516171819
    20212223242526
    2728293031  

    プロフィール

    稲見部長稲見眞一
    <自己紹介>
    昭和52年4月、中京テレビ放送入社。「ズームイン!!朝!」を始めとした情報番組や「ドラマ」「ドキュメンタリー」等のディレクター・プロデューサーを務めた。鉄研最終回(2010年1月29日放送)では自ら自慢の鉄道写真「俺の一枚」を持って出演。 鉄道歴は小学校5年からスタートしはや半世紀。昭和55年には当時の国鉄・私鉄(ケーブルカーを除く)を完全乗破。平成18年にはケーブルカーも完全乗破。その後も新線が開業するたびに乗りつぶしている筋金入りの“乗り鉄”。好きな鉄道は路面電車。電車に揺られながら窓外に流れる街並みを眺めているのが至福のとき。さてスジを寝かせてゆったり乗り鉄と行きましょう!