2021年01月14日 12時05分
2020年12月19日にした「絵はがきに見る鉄道史(44)大名古屋三十二景。」の続編。
「名古屋港上空ヨリ見タル中川運河全景」。
今の中川運河は市街地に埋もれており、私もそうですが、多くの方にとっては単なる一本の川筋といった印象ではないでしょうか?
ところがこの写真におけるその存在感たるや相当なものです。
名古屋の街を南北に、一直線に走る運河。その川幅にも圧倒されます。もっとも現代の川幅が狭くなったということは無いでしょうが、それでもこの運河を大正から昭和の時代にかけ、ゼロから作ったのは偉業と言っても過言ではないでしょう。
撮影時期ですが、まず中川運河全線開通の昭和7年(1932年)以降であることは確定でしょう。
次に中川運河の主たる目的である鉄道省「笹島駅」(貨物駅)と結ぶという視点から見ると、この写真では「らしき駅」が見えます。もっとも中川運河より笹島駅の方が先に使用(昭和12年の正式開業前、昭和4年に一部の工事完成)が始まっており、昭和7年以降は間違いなし。
また判別できないものの、名古屋駅が「2代目」とも思え、よって「3代目」の工事のことも考えると昭和10年前後ではないかと思っています。