2021年03月09日 23時09分
ところでこれは北海道というか豪雪地帯だけの特有な事情かも知れませんが、廃止された駅をどうするか?です。
端的に言えば廃止後にホームを撤去するかどうかということ。それは除雪作業対応。
ラッセル車は本線上では、写真の様にウイングと呼ばれる羽を外に開いて、線路上に積もった雪を取り除いています。
※撮影地…宗谷本線比布駅南方。
それが駅構内に入るとご覧の様にウイングを閉じます。もしウイングを開いたまま駅構内に入れば、ホームなどの施設を損壊させることになるのは容易に想像がつきます。
※撮影地…宗谷本線比布駅構内
ところで今回廃止される駅の多くは駅ホームの構造が1面1線。単線の線路に短いホームが1本あるだけです。
そうした構造の駅が廃止され、それに伴いホームが撤去されると、ラッセル車はその前後を含め、ウイングを開いたままで通過できるようになります。と考えると駅(のあった場所)の除雪そのものの在り方が変わるのをおわかり頂けるかと思います。
以上は宗谷本線沿線在住で、鉄道の除雪作業に詳しい方から教えて頂きました。
駅が廃止されれば、そこに列車が停車しなくなるだけ。私は単純にそう思っていました。しかし、駅の廃止とは単に旅客列車と地元利用者との関係にとどまらないことに驚きを禁じ得ません。JR北海道の駅の廃止問題をこれまで深く考えたことの無かった私ですが、こうして書いていて何かと考えさせられることの多い回でした。
今回、地元の市町村、住民の協力で残存が決まった駅も決して安泰とは言えないでしょう。何せそもそも利用客はほぼいない駅ばかり。駅の維持管理費と一言で言っても、JR北海道でしか面倒を見ることの出来ないこともきっとあるでしょうから、ここしばらくは目が離せない状況が続くと思われます。