2021年10月09日 17時47分
歌川広重は、寛政9年(1797年)に生まれ安政5年9月6日(1858年10月12日)に亡くなりました。広重が東海道五拾三次を描いたのは天保年間(1831年から1845年)頃ですが、その時世界(ヨーロッパ)はどうなっていたのでしょう。
※岩波写真文庫21「汽車」 岩波書店編集部/株式会社岩波書店 昭和26年(1951年)4月20日発行
世界で最初に登場した蒸気機関車。リチャード・トレビシック(Richard Trevithick)が1803年に発明しました。
※岩波写真文庫21「汽車」 岩波書店編集部/株式会社岩波書店 昭和26年(1951年)4月20日発行
続いてジョン・ブレンキンソップ(John Blenkinsop)が1811年に作った蒸気機関車。
※岩波写真文庫21「汽車」 岩波書店編集部/株式会社岩波書店 昭和26年(1951年)4月20日発行
そして人が乗った客車を牽いて走った最初の蒸気機関車、ロケット号。ロバート・スチーブンソン(Robert Stephenson)が世界初の旅客鉄道であるイギリスのリバプール・アンド・マンチェスター鉄道のために設計し、1829年に誕生しました。
そしてリバプール・アンド・マンチェスター鉄道は翌1830年に開通しています。つまり広重の浮世絵の時代に、イギリスでは既に蒸気機関車が牽引する旅客列車が走っていたのです。
さてイギリス・ヨークにある国立鉄道博物館(NRM, National Railway Museum)にはロケット号のレプリカがあります。
そのレプリカですが驚く無かれ1934年製。日本の年号では昭和9年。私が生まれる前どころか、遙か彼方の「鉄道趣味」があったかどうかも分からない時代。この案内板を見た時には目が点になりました。
ただただ凄いね!の一言ですが一方の日本を見てみましょう。
明治元年(1968年)、明治天皇が即位し、新政府は天皇を中心とした新しい国家体制となります。江戸という地は東京となりました。
そうした中、国土交通省「日本鉄道史」によれば、
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Ⅱ.明治時代
1.鉄道開業とその後の鉄道網の伸長
明治2年11月、東京と京都を結ぶ幹線と、東京・横浜間、京都・神戸間及び琵琶湖畔から敦賀まで の三支線、計四路線の鉄道を建設するという政府決定がなされた。これが、我が国における鉄道建設計 画の最初である。
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1969年(明治2年)、かくして私の趣味である「鉄道」が(誕生前の)第一歩を踏み出したのです。