2020年11月06日 14時22分

長野県上松町/赤沢森林鉄道(10)理髪車のこと。

10月25日の赤沢森林鉄道の撮影。モーターカーから開始。

小さな車輪で、線路事情も決して良くはなかったでしょうから、乗り心地は察するに余りありますが、もし今、私が乗ることが出来ればきっと夢見心地の場所。というのは趣味の立場からの主張です。

シンプルな運転台。エンジンの始動スイッチ、スロット、ブレーキしか無い?

13時10分過ぎ、理髪車の撮影。

列車の最後尾に繋がれた現役時代の理髪車。上松停車場に停車中。この後、山に向かったはず。

中はこんな感じ。山で長期間、作業を続けてきた職員の方が下山する際、この理髪車で髪を整えたそうです。

上松の町に降り立つときはビシッと決めていたとのことで、それが男意気だったのでしょう。その気持ち分かります。

ボールドウィンにヘッドマークを付ける。

昭和50年の廃止記念列車の再現です。普段このヘッドマークは森林鉄道記念館で大事に保管されており、これまで「撮影会」であっても出たことが無かったそうです。この日は晴天に恵まれたこともあり、きっと外に出しても大丈夫であろうという判断がなされたものと思います。運が良かった。

ところで長野県上松町観光の公式ウェブサイトに今回の撮影会の話題がアップされており、

Front Page

の新着ページをご参照頂きたいのですが、その中に

「こういった撮影会の利点は、車両の整備も行き届くこと。機械だけに、走らせてあげないと傷みや老朽化が一気に進みます。今回も撮影に備えて塗装を吹き直し、部品を磨いてイベントに備えました。」とした一文があり、この撮影会が地元の方にも喜んで頂けていたようで、参加して本当に良かったと改めて感じ入っています。

2020年11月05日 10時58分

長野県上松町/赤沢森林鉄道(9)木曽森林鉄道のこと。

1974年(昭和49年)9月26日~27日の一泊2日で、運行の終焉間近の木曽森林鉄道を訪ねました。

当時は写真の撮影メモを作っておらず、他の方の撮影記録から察するにここは恐らく滝越停車場。

これは滝越停車場から撮影した本線。これは間違いなし。私はこの日、滝越の民宿に泊まっており、それまで乗ってきた列車を撮影出来ました。

関西電力の専用線。森林鉄道車内からの1枚。今となってはこれもきっと貴重な1枚だと思います。

大鹿停車場。木曽森林鉄道有数のヤードがあったと記憶あり。

鯎(ウグイ)川線に入る小型のディーゼル機関車と客車(当時の状況から、間違いないと思うのですが…)。

流石にこの列車への添乗は不可。

車が入れない場所では森林鉄道が唯一の荷物の運搬手段。

日常の風景。

木曽は山の中。中央本線に乗っているだけでもそれは十分に実感できますが、更に山中に分け入ればその言葉はより強く迫ってきます。

今日UPした写真は、今回訪問している赤沢ではなくその北側のエリアです。しかしその日常は恐らく同様であったことでしょう。赤沢森林鉄道は私にとってはある意味懐かしく、若い年代の方には新鮮に映っていると思います。今こうして懐古出来ること自体が奇跡としか言いようがありません。何故って赤沢森林鉄道が正に生きているからです。

2020年11月04日 10時23分

長野県上松町/紅葉の中央本線「寝覚めの床」倉本~上松間。

次に向かったのは中央本線(中央西線)で屈指の名所である寝覚の床。名前の由来などは割愛しますが、ここにある「ねざめ亭」というレストランのテラスからの撮影。なおここで昼食を頂き、お土産を買っています。念のための報告。

写真の赤枠が「寝覚の床」。走る列車と「寝覚の床」を一緒に写せる場所は限られており、このテラスが一番の撮影地であろうと思っています。

(10:54頃。829M中津川発松本行き、JR東日本の211系電車)

同じ電車の後追い。後追いでもこの方がまとまっているかな?

11:21。1007M特急「しなの7号」長野行き。この日は8両編成での運転。

11:37。1008M特急「しなの8号」名古屋行き。

参考までにこのテラスには電車の通過見込み時間が目立つ場所に掲示されており、ダイヤ乱れが無ければ概ねここに書いてある時間に電車は通ります。車を降りて歩いて1分の撮影スポット。なかなか得がたい場所ですね。

2020年11月03日 9時57分

長野県木祖村/紅葉の中央本線 薮原~奈良井間。

10月25日(日)、宿泊した長野県木曽郡木曽町の天候は晴れ。但し気温はネットで調べたら何と2度。寒い!

ところでこの木曽町と言う名前、平成の大合併で当時の木曽福島町を中心に木曽福島町・日義村・開田村・三岳村が合併し木曽町となってものですが、私のなかではやはり木曽福島で時計が止まっています。

この日の朝一番は中央本線の撮影からスタート。場所は分水嶺(太平洋側…木曽川、日本海側…奈良井川→犀川→千曲川→信濃川)にほど近い薮原~奈良井間。

時刻は9:05。1004M特急「しなの4号」名古屋行き。

9:15、今度は1827M中津川発松本行き。で、この画像の真ん中やや左寄りに電車あり。米粒は見つけられるか?見つけられなかったらごめんなさい。

日の当る場所とそうではない場所とのコントラストの違い。これを上手く表現する力がまだ私にはないと実感。

9:37。1003M特急「しなの3号」長野行き。紅葉にはほんの少し早かった感あり。自然現象を相手にするのは誠に難しい。

2020年11月02日 9時57分

長野県上松町/赤沢森林鉄道(8)ボールドウィンの夜間撮影会。

夕方の5時が近くなり、照明を点けての撮影会のスタート。(この写真は16:52にシャッターを押しています)

写真家/神谷武志さんの発案によるもので、更に言えばここ赤沢の方や、鉄道の保存活動に尽力されている方々の協力で実現しました。

サイドに照明が当り、これもなかなか。

17:26。日没後は、刻一刻雰囲気が変わっていきます。(絞りF4.5 シャッタースピード1/6秒)

後ろからの照明はそのままに、正面でなく、サイドの位置から照明を当てる。空が漆黒とはならず、まだ色が残っています。ひたすらシャッターを押しながらその時間の経過を楽しむ至福。

記念館(車庫)の中からの1枚。

機関士さんによる点検の再現。

「撮り鉄をもっとオトナの趣味に」が神谷さんの活動の源。オトナの方々が熱心に被写体に向かう姿は正にその通り。

夜の帳が下りる(よるのとばりがおりる)。もうすぐ夜の6時。

照明による光芒(こうぼう)を強調した、私の今回のお気に入りの1枚。敢えてのモノクローム化をしてみました。

2020年11月01日 23時10分

長野県上松町/赤沢森林鉄道(7)ボールドウィンが走る。

木曽の地に網の目の様に線路が張り巡らされていた木曽森林鉄道。今の赤沢森林鉄道はその一部で、廃線後に一旦線路が剥がされたものの、1985年(昭和60年)の伊勢神宮御用材伐採のため再び線路が敷かれました。そしてその2年後、観光施設としての「赤沢森林鉄道」がついに復活し、「森林鉄道」が現代に復活したと言うことで当時、大きな話題を呼びました。

木立が線路を覆い隠すような令和のこの風景は、きっと森林鉄道が“現役”だった頃とあまり変わっていないのでは?この写真では機関車の顔が見えるものの客車は良い感じで隠れており、雰囲気だけは材木を運ぶ列車そうろう。

営業運転が終わり、煙をはくボールドウィンの撮影会の始まり。

機関車が煙をはいていますがこれは舞台やテレビでも使われる「スモークマシン」を使った疑似「煙」。

また自力で走ることが出来ないので、ディーゼル機関車が後ろに付いています。

もっともスモークマシンだけでは煙が上々になることはなく、発生させた煙をコンプレッサーを使って空気を押し出すことでこの走っている感を表現しています。

 

2020年10月31日 22時10分

長野県上松町/赤沢森林鉄道(6)呑曇渕(どんどんぶち)で撮影。

赤沢森林鉄道のハイライト、呑曇渕(どんどんぶち)で撮影。

森林鉄道記念館発丸山渡行き。

水の流れを表現するのにスローシャッターは効果的です。しかしあまりスローにすると今度は列車が流れてしまいます。選んだシャッタースピードは1/15秒。ギリギリだったと思います。

戻りの列車。小雨降る中を行く。片道わずか1.1キロの路線ながら見所・撮影ポイントが多いのが楽しい。

モーターカーの撮影。実は走ってはおらず、撮影用にここで停車中。右中央でも撮影している方達がいますが、今回この撮影ツアーの参加者は特別にここ(呑曇渕/どんどんぶち)だけ、遊歩道を外れての撮影許可が出ました。

シャッタースピード1/20での撮影。水の流れが良い感じ。

遊びの1枚。

このモーターカーともう一両を合わせて2両のモーターカーは、かつて森林鉄道が現役だった時代に働いていた方が、手弁当で長い時間をかけて整備し、こうして動くまでにしたそうです。その根気が凄いと素直に脱帽。おかげでこうして撮影が楽しめるわけでただただ感謝。

2020年10月30日 22時04分

長野県上松町/赤沢森林鉄道(5)北海道から来たディーゼル機関車。

14:30を過ぎ、No.136酒井製の10トン機の撮影。この機関車は自走できないため現役機の牽引、後押しで往年の森林鉄道を再現。

清々しい空気と美しい紅葉の中での撮影会。

モーターカーとの並び。本線に撮影用車両を留められるのは、一般の列車が出発して戻るまでの15分ほどの時間。

それにしてもこれほど可愛い顔をした鉄道車両は滅多にあるものではない。昨日の1枚目の写真のモーターカーとこのモーターカーで日本の「可愛い」グランプリのワンツーフィニッシュだと思っている。

そして2016年にミャンマーで撮影したこの車両と合わせ私の「可愛い」グランプリベスト3とさせて頂きます。

2020年10月29日 22時19分

長野県上松町/赤沢森林鉄道(4) 貴賓車&紅葉。

可愛いモーターカーに牽かれて1台の客車が引き出されました。

貴賓車。1957年(昭和32年)、当時の皇太子殿下(現上皇陛下)が赤沢に行啓された際、上松からこの地までご乗車になられています。

こちらも普段は森林鉄道記念館に展示されており、今回の様な撮影会など、特別な機会がないと外に引き出されることはありません。それにしてもここ赤沢森林鉄道の車両達は、中も外も本当に綺麗に整備されています。出来るようで出来ないことと思っています。

構内での撮影の合間に定期列車の撮影。この列車は13:30にここ森林鉄道記念館を出発し、終点の丸山渡を13:45に折り返し13:50過ぎに戻ってきました。

それにしても素晴らしい紅葉。

今年の紅葉は撮影会が行われた24日、25日の土日が美しさのピークだったと思います。そして今週末で今年の紅葉は見納めとなる気がします。あー、でも少し遅いのかも?

この2枚の写真はホームから撮影していますが、森林鉄道の乗客がホームにいない時のみ立ち入ることがOKとなっており、それに合わせて撮影しています。ただ一般の乗客がこの写真を撮影出来るかというと、乗降がスムースに出来るようホーム上で乗車客と降車客が同時にいないように運営されているため難しいというか無理かと思われます。もっともこの日もですが翌日曜日も、紅葉真っ盛りの森林鉄道撮影に多くの方が足を運ばれていましたが、ちゃんとルールを守りつつそれぞれ思い思いの場所で撮影されていました。

雨が上がり薄日が差し始めた瞬間の1枚。

14:00発の列車を見送る。

列車が通り過ぎた後。雨上がりのもやが出ています。しばし幻想的な光景に見惚れる。

2020年10月28日 23時11分

長野県上松町/赤沢森林鉄道(3)ボールドウィン製1号機関車。

ボールドウィン製1号機関車。

13:20。まずは赤沢森林鉄道の代表選手とも言えるこの機関車の撮影からイベントはスタート。いつもは車庫となっている赤沢森林鉄道記念館から出てくることは滅多に無いとのこと。

観光客を一杯乗せ、30分間隔で走る定期列車の横で撮影中。ところでこの定期列車ですが、今はコロナ禍の最中と言うことで定員の60%乗車で運行しているそうです。また1往復走ると全ての椅子を消毒。スタッフの方は大変そう。でも致し方ないとしか言えません。

※この列車は、往復乗車もしくは終点の丸山渡(まるやまど)までの片道乗車となっており、丸山渡からの乗車は出来ません。そのためこの起点の消毒だけでも大丈夫と言えそうです。

機関車の次位には木材を積んだ貨車を連結。少しでも往事の様子に近づけようというスタッフの熱意が伝わってきます。

貨車の構造を研究してみる。

13:38,ボールドウィン1号は一旦車庫に入ります。



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プロフィール

稲見部長稲見眞一
<自己紹介>
昭和52年4月、中京テレビ放送入社。「ズームイン!!朝!」を始めとした情報番組や「ドラマ」「ドキュメンタリー」等のディレクター・プロデューサーを務めた。鉄研最終回(2010年1月29日放送)では自ら自慢の鉄道写真「俺の一枚」を持って出演。 鉄道歴は小学校5年からスタートしはや半世紀。昭和55年には当時の国鉄・私鉄(ケーブルカーを除く)を完全乗破。平成18年にはケーブルカーも完全乗破。その後も新線が開業するたびに乗りつぶしている筋金入りの“乗り鉄”。好きな鉄道は路面電車。電車に揺られながら窓外に流れる街並みを眺めているのが至福のとき。さてスジを寝かせてゆったり乗り鉄と行きましょう!