2021年02月15日 13時57分

切手と消印(11)国鉄明知線。

昨日の続き。

「開業」あらば「さようなら」あり。

 

「さようなら国鉄明知線」、発行明知線沿線郵便局。

中を開くと「明知駅」の駅名標あり。あれっ?「明智駅」ではないの?

実は国鉄時代は「明知駅」だったのです。もっと言うと国鉄明知線開業時、明知は「明知町」でした。その後、町村合併で「明智町」となったのですが、「明知駅」が「明智駅」になることはなく、第三セクター「明知鉄道」の開業にともない、駅名は地名に合わせることとなりました。

そんな歴史の一端を感じるこのページ。

消印は「風景印」。恐らく特別なものというより、これまで使っていたものではないでしょうか?

そして、、、「▼キハ52型DL」はまあご愛敬と言うことで。

2021年02月14日 21時29分

切手と消印(10)明知鉄道。

明知鉄道開業記念切手帳。

国鉄明知線が第三セクター明知鉄道として開業したのは1985年(昭和60年)11月16日。

ところでこの右上の消印の「串原」。今は岐阜県恵那市串原ですが、当時は恵那郡串原村。明知線の終点、明智駅のある恵那郡明智町(今は恵那市明智町)から更に南東方向に向かった人口1000人ほどの村で、東海3県の市町村を仕事でかなり回った私でさえ、この村に足を踏み入れた事はありません。

ところで岐阜市からこの村に向かうには明智経由が唯一の選択肢でしたので、この消印があるのは何も不思議ではありません。

ただ名古屋から串原に向かう際は、実際には豊田市経由で向かう事になります。私の知人に串原出身の方がおられ、『恵那市になったけど「恵那市」の中心地に行ったことが無い』と笑っておられました。

2021年02月10日 13時45分

切手と消印(8)鉄道七十五年記念。

昭和22年(1947年)は、日本の鉄道が明治5年(1872年)に開通してから75年の節目の年でした。

NPO法人名古屋レール・アーカイブスに寄贈された記念切手、記念の消印で一番古いのがこれ。

切手は弁慶号。開通時の1号機関車ではなく弁慶号。ひょっとすると1号機関車よりこちらの方が世間に知られていたのかも知れませんね。

一方、消印はEF57(で、間違いないはず)。鉄道省が太平洋戦争前に製造した最後の旅客用電気機関車で、国鉄になったからも東海道本線の客車の先頭に立っていました。

それにしても戦後の昭和22年にしてこうした記念切手、消印が発売されているという事は、すでにその頃、ある程度は混乱の時代を抜けつつあったという事ではないでしょうか。

2021年02月09日 22時37分

切手と消印(7)SLさよなら記念。

1974年11月26日、門司の消印。

同じシリーズの②。

SLさよなら記念第2集。1975年2月25日の日付で消印の場所は盛岡。

「SLさよなら記念」はシリーズとなっていました。NPO法人名古屋レール・アーカイブスで所蔵しているものが全てかどうかまで私の知識が追い付いていないのが残念です。

もっともSLさよなら運転のご当地での、まさにずばりの日程で発売されたという事はなさそうです。このシリーズについてはまた暫くしてから調べなおすつもりです。

2021年02月08日 22時03分

切手と消印(6)東海道新幹線開通記念。

昭和39年(1964年)10月1日、東海道新幹線開通。

切手のデザインも素敵ですが、こんな消印があるとは知りませんでした。富士山バックで如何にも日本の新幹線ですね。

1枚目の写真の左下の部分をトリミング。

「カッシェ」とあり、これが何だろうと少し調べました。

「カッシェ」は「カシェ」ともいうようですが、その切手の初日カバー(の封筒)に描かれているイラストとのこと。通常は切手に因んだ絵柄だそうです。

素晴らしい芸術の世界が封筒に広がっていました。

2021年02月07日 22時03分

切手と消印(5)山口線のSL列車。

蒸気機関車と大型のパラボラ、そして宇宙を行く衛星の図案。

文字では「山口衛星通信所開設10周年記念」と「KDD」が目だっていますが、実は蒸気機関車が主役かも知れないという1枚。

蒸気機関車の図柄の4種4枚の切手。その真ん中の消印には「山口線SL運転記念」「津和野」の文字と「54. 8. 1」の日付。その日付である昭和54年(1979年)8月1日は「SLやまぐち号」が運転を開始した日。
「山口衛星通信所開設10周年記念」とSL列車の運転開始という、山口県での2つのエポックな出来事を一つにまとめたものと推察します。
※KDD山口衛星通信所=現在はKDDI山口衛星通信所(山口県山口市仁保中郷123)

NPO法人名古屋レール・アーカイブスで所蔵する切手及び消印の中では、こうした合わせ技は現時点までに探した中ではこれだけ。いずれにしろかなり珍しいと言えると思っています。

2021年02月06日 21時19分

切手と消印(4)大府駅開業百周年記念。

大府駅開業百周年記念。

大府駅の開業は1987年(明治20年)9月10日。昭和62年は1987年でつまり開業から百年目の節目の年。そして、、、まあ余談なのですが昭和62年はJRが発足した年です。最初に「62」の数字と「JR東海」の文字を見た時に「えっ?」「あっ、そうか!」と一瞬思ったことをここに書き留めます。

「百周年」の「百」のところに「100円切手」を置いている所が技あり!ですね。

そして消印もちゃんと開業当時を描いています。

これまで郵便関係の資料をあまり整理していませんでしたが、今回こうして一つずつ見ていて、その奥深さに今更ながら驚いています。

2021年01月30日 21時43分

切手と消印(1)鉄道100年記念。

NPO法人名古屋レール・アーカイブスでは鉄道の切手などの寄贈を受け、それを保存活用しています。

まずは「鉄道100年記念」。

昭和42年(1968年)10月14日の消印有り。

FIRST DAY OF ISSUE(ファーストデイオブイシュー)。日本語では「初日カバー」。切手収集が趣味の方にとっては馴染み深いものですが、そうではない方には少し遠い存在かもですね。

今日からこうした消印付きの切手を中心に収蔵品の一部を紹介します。しばらくお付き合いください。

2021年01月24日 12時02分

內田 百閒著「阿房列車」。

內田 百閒(うちだ ひゃっけん、1889年(明治22年)5月29日 ~1971年(昭和46年)4月20日)著「阿房列車(あほうれっしゃ)」。

三笠書房刊 1952年12月30日第1刷刊行。

私の手元にあるのはその第2刷。真ん中にある「印」は著者検印。いつの時代まであったか覚えていませんが、見なくなって2~30年は経っていそうです。

価格に「定価」と「地方価」があるのを見たのは、私にとってはこの本が初めてでした。

「地方価」って何だろうと調べたら、国立国会図書館が運営するレファレンス協同データベースに、三田市立図書館 (兵庫県)『書籍の「地方売価」がなくなった年を知りたい』があり、回答欄に『『日本雑誌協会日本書籍出版協会50年史』のWwb版 P.38によると、“1959年9月1日に「全国均一運賃込み販売制」が、書協・取協で取り交わされ、廃止となった。”との記載があった。
http://www.jbpa.or.jp/nenshi/  「地方売価」は、「地方価格」または「地方価」ともいう。』を見つけました。

書籍が全国一律価格でなかった時代があったことは分かりましたが、それ以上は私はギブアップ。

ところで今回はそうした事ではなく、この本そのものの話。

內田 百閒は小説家で随筆家。で、この本は自身の旅の紀行文(随筆)。この著者は今風に言えば乗り鉄で、鉄道に乗ることを目的にした旅を楽しんでいました。そしてこの本を私は随分前に一部を読んだ記憶があるのですが、シリーズ全作は手つかずです。

さてこの本の価値について一言。なおあくまでも私の私見です。

昭和の時代だけではなく、それ以前でも鉄道そのものの歴史(路線、車両、駅などの施設…)は、公文書などで探ることが出来ます。しかし当時の車内の様子などを記録した公文書はどうでしょう?

サービスを提供する側ではなく、サービスを受ける側から見た駅員さんや車掌さん、食堂車や車内内販売の様子はなかなか見当たらないというのが実情ではないでしょうか?「阿房列車」のシリーズはそうした当時の風俗も描かれており、遠い過去の出来事なのに「へーっ」という感想も持てる興味深い一冊です。

私の鉄道史を研究している知人は、「この一冊を読まずして戦後の鉄道を語るなかれ」というほどの勢いで、それは私にとってもうなずける範囲ではあります。

とまあそんなこともあって現在、絶賛読書中です。

(参考)

この本は、NPO法人名古屋レール・アーカイブスの蔵書です。この会では、鉄道事業者やメーカーに関する資料だけではなく、宮脇俊三氏を始めとした鉄道に関する随筆などの読み物も数は多くありませんが所蔵しています。

2021年01月18日 17時23分

パルスオキシメータ。

パルスオキシメータ=動脈血の酸素飽和度(SpO2)と脈拍数を採血することなく、指先などに光をあてることによって測定できる測定器です。

※コニカミノルタ株式会社のHPなどを参照。

コロナ禍の中で、つとに注目されているこの装置ですが、どれ位の数値が症状の目安になるかは、ここでは触れませんが、私の通常の生活では98位。

この写真は標高3800メートルを超えているペルーのチチカカ湖畔で計測したもの。私のような観光客の場合、90を切ることはそう珍しいことでは無いそうで、とは言うもののゆっくり歩く程度ならばなんとかなりましたが、名古屋と同様に歩こうとすれば眩暈(めまい)がしますし、息が切れます。もっともその前に足が前に出ません。

またこの数字を下回り、80を切った場合は、確実に治療が必要とのことでした。

ペルーを始めとした高地へのツアーの場合、旅行会社が用意していることが多いそうです。私の参加したツアーも添乗員さんがいつも持っており、私も体調に不安を感じた時にお借りして測っていました。

その時は、「健康に旅を続けるためにこうした装置を活用している」と思った程度でしたが、今やコロナ禍の中で我が家でも1つ購入し、体調に不安があると測っています。

なお先に書いた「98」は名古屋の病院での計測値です。そして平地で「85」であれば呼吸器科での診察はマストと聞きました。



ADVERTISEMENT

カレンダー

2022年1月
« 12月    
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031  

プロフィール

稲見部長稲見眞一
<自己紹介>
昭和52年4月、中京テレビ放送入社。「ズームイン!!朝!」を始めとした情報番組や「ドラマ」「ドキュメンタリー」等のディレクター・プロデューサーを務めた。鉄研最終回(2010年1月29日放送)では自ら自慢の鉄道写真「俺の一枚」を持って出演。 鉄道歴は小学校5年からスタートしはや半世紀。昭和55年には当時の国鉄・私鉄(ケーブルカーを除く)を完全乗破。平成18年にはケーブルカーも完全乗破。その後も新線が開業するたびに乗りつぶしている筋金入りの“乗り鉄”。好きな鉄道は路面電車。電車に揺られながら窓外に流れる街並みを眺めているのが至福のとき。さてスジを寝かせてゆったり乗り鉄と行きましょう!