2013年01月14日 23時28分

鉄道交通を考える。(8)ドイツ・ICE「Psst」という発想。

写真はドイツ・ICE(Intercity Express)3でフランクフルト中央駅に停車中に撮影したものです。ICEは言うまでもなくドイツの高速列車ですが、今や『ドイツ』というより『ヨーロッパ』の国際高速列車となっています。

そのICE3は電車列車で、運転席の後ろには座席(一等車)があり、そこからは運転台越しに前面展望が楽しめます。

時速200キロ超の正に景色が飛んでいくというのは「こういうこと」なのでしょう。

そしてその運転台後ろの一等車席は、他の座席とは仕切られたブロックになっており、入口には4つのピクトグラムがありました。

1)「1」=一等車

2)タバコに×=禁煙

3)携帯電話に×=携帯電話の使用禁止

4)口元に人差し指「Psst」の文字=絵の通り「シッ!!静かに!」という意味で、おしゃべりが禁止なのは言うまでもなく、ポータブルオーディオプレーヤーのヘッドホンからの音漏れも禁止でその結果、全ての「音」は無く、ただ電車の走行音だけが体に心地よく響くだけです。

そうそうっ、唯一の例外が、車掌さんによるデリバリーサービスの注文と受取り時です。それも決して大きな声ではなく、さりげなく席にやってきて静かに去っていきます。紅茶を飲む際に音が出ることを久しぶりに感じたと言いたいほど静かでした。

 

日本の新幹線にもこの「Psst」席があったらと思ったことは一度ならずあります。かってJR西日本の「ひかりレールスター」に『サイレンスカー』という存在がありました。今は無くなってしまいましたが、Wikipedia「ひかりレールスター」にあった『サイレンスカー』廃止の経緯はまあ日本ではそういうことなのでしょうという内容でした。

ヨーロッパの手法・考え方が全て良い(正しい)とは思ってはいないものの、取り入れてもよいと思うことも多くあります。ただ自己責任についてのコンセンサスは必要でしょうが…。

 

    

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    プロフィール

    稲見部長稲見眞一
    <自己紹介>
    昭和52年4月、中京テレビ放送入社。「ズームイン!!朝!」を始めとした情報番組や「ドラマ」「ドキュメンタリー」等のディレクター・プロデューサーを務めた。鉄研最終回(2010年1月29日放送)では自ら自慢の鉄道写真「俺の一枚」を持って出演。 鉄道歴は小学校5年からスタートしはや半世紀。昭和55年には当時の国鉄・私鉄(ケーブルカーを除く)を完全乗破。平成18年にはケーブルカーも完全乗破。その後も新線が開業するたびに乗りつぶしている筋金入りの“乗り鉄”。好きな鉄道は路面電車。電車に揺られながら窓外に流れる街並みを眺めているのが至福のとき。さてスジを寝かせてゆったり乗り鉄と行きましょう!