2010年05月23日 8時00分

「中部の駅百選」の最後は本巣駅。
国鉄時代は「美濃本巣」でした。
同様な例としては、国鉄時代の終点の
「美濃神海」も、樽見鉄道転換時に「神海」に
名前を変えています。
駅舎はいわゆる国鉄でよく見かけたパターンです。
でも駅の中は、JRの駅ではすっかり見かけなくなった
昭和の「鉄」には懐かしい木製の長椅子が並び
その昔「ステーションホテル」と称して
全国各地の駅でそこに横になり
一夜を明かした事を思い出しました。
(一見の価値あり。)
この本巣駅には樽見鉄道本社があり、
車両基地である機関区もここで、
正に樽見鉄道の心臓部です。
以前はここから住友セメント(後に住友大阪セメント)の
専用線があり、平成18年まで樽見鉄道を経由した
セメント輸送が行われ、
樽見鉄道では旅客を凌ぐ
大きな収入源となっていました。
(平成2~3年頃は年間で50万トン以上)
樽見鉄道の旅客数のピークは平成7年の104万人。
しかしその年の貨物輸送は33万トンまで減っており
営業係数は101と黒字にはならず
その後、貨物の減少に連動する形で
営業係数は悪化をたどっています。
貨物廃止後の平成20年は61万人強を運んで
営業係数は161。
それでも無策であった国鉄時代に比べれば
営業係数は半分以下で
過去を見渡せば黒字を計上した年も9回あるなど
樽見鉄道の努力には敬意を表します。