2010年09月20日 18時20分

ブラックプール市電の2階車内

2階建て電車の車内はこんな感じ。
今風に言えば「レトロモダン」でしょうか?

なお、このブラックプール市電の2階建て電車は
何と運転士さんだけではなく車掌さんもいる
今時化石のように珍しいツーマンの電車です。

写真中央のお客さんが座っている場所の
直ぐ左側に階段があり、その下に車掌さんが
陣取っていました。
2階建て電車は、出入り口が車両の中央にあるため
車掌さん抜きではオペレートしにくいためと
思われました。

さて、この写真ではお客さんが一人しかいませんが
これは例外中の例外。
お客さんがいっぱい写っている写真の撮影は
その場で全員から『撮影許諾』を得た場合を除き、
当時でも避けていました。

そんな話しはさておき、地元の人はともかく
観光客はまず間違いなく2階を目指します。
そのため、1階より2階が混みます。
(人のことは言えませんが)
2階から見る風景は、心まで広々とさせてくれ
特に海沿いを走る区間で眺める「海」は
短い時間ではあるものの最高でした。

2010年09月20日 9時18分

これがブラックプール市電だ!

2階建ての電車に派手な宣伝広告塗装。

これぞブラックプールを代表するといっても
過言ではない風景です。

何種類の塗装があるかは定かではありませんが、
少なくとも「黄色主体」「紫主体」「水色主体」に
この「黒色主体」は写真で残っています。

この市電に私は、南端から北端まで乗りましたが
何と『1時間以上』掛かりました。
とっても乗り出があります。
ただ、通しで走る電車は20分に一本で
それ以外に区間電車が多発されており、
行き先表示をちゃんと“確認”していないと
自分の行きたいところまで行き着けない可能性があります。

まあ、観光客が通常乗る区間ではあまり問題に
ならないとは思いますが…。
それにしてもストレートの1本だけの路線で
これほど複雑な運転系統があるのはある種、
不思議だと感じました。

2010年09月19日 19時00分

平成17年10月24日、ブラックプールに上陸

この風景こそ、「This is ブラックプール」と
呼ばれるもののようです。
自分で撮影しておいて『ようです』と言うのも情けないですが
電車の背景にある鉄塔がブラックプール市の
シンボル「ブラックプールタワー」で、
ブラックプール市を紹介する写真では
このポジションからの撮影が定番中の定番ということもあり
今思えばもっと撮り方があったのではと反省『大』というのが
その理由です。

ブラックプール市電の概要(主に公式サイトから)
●1885年開通
●全長…18キロ
●車両数…75台
●南端の停留所…「Starr Gate」
 北端の停留所…「Fleetwood Ferry」
●軌間は1435ミリ
●直流550ボルト
●年間乗降客数…約700万人

この写真に写っている電車は、1階建てですが
実際には2階建てが主力といっても過言ではありません。

利用している乗客は、
町の中心部から南側は観光客が多く、
北側は地元の方が多いように見受けられました。

2010年09月19日 8時03分

「ブラックプール北」駅到着

「ブラックプール北」駅に10:59に到着。
ほぼ定時だったと記憶しています。

「プレストン」駅と「ブラックプール北」駅を
結ぶ列車は、当時、1時間に3本あり
都市間交通としては許せる範囲でした。

このディーゼルカーで特筆すべきことは無いのですが
1点挙げれば「車内の汚さ」。
それは鉄道会社の清掃が行き届いていないのではなく
お客が持ち込んだゴミを皆が皆、それを座席やテーブルに
置いていくのです。
乗って唖然。特に飲み物系をこぼした跡もそのままで
ネットリとしたテーブルは触る気にもなりませんでした。
(行きも帰りも同じでした)

ところで…。
皆さんは「ブラックプール市」を知っていますか。
イギリス本島の中西部、アイリッシュ海に面し、
「ダンスの聖地」と呼ばれています。
映画「Shall we ダンス?」や
確か5年ほど前になりますが、バラエティー番組の
「ウリナリ」の企画でやっていた「芸能人社交ダンス部」が
「ブラックプール」ロケを敢行していたと記憶しています。

そしてイギリス国民にとっては保養地として知られ
大きなリゾートホテルもあり
日本で例えるなら、「熱海」と言ったところでしょうか。
もっとも温泉はありませんが…。

2010年09月18日 17時57分

「プレストン」駅

10:18に着いたプレストン駅構内です。

同駅発10:29の「ブラックプール北駅」行きに
乗車するまでの間、駅の外と構内をしばし散歩。

大屋根の下、ここまで広大なホームが並ぶ様は
まず日本では見られません。
また屋根を支える鉄骨の美しさに思わず見とれてしました。

「鉄道は文明」だと思いますが、イギリスの駅に佇んでいると
「鉄道駅は文化」と言いたくなります。

話しは飛んでしまいますが映画「ハリー・ポッター」シリーズで
重要な役割りを果たしているのが、ロンドン市内の
「キングス・クロス」駅の存在であると私は勝手に思っています。
今回の旅でも『9と3/4番線』に行くかどうか迷った挙句に
次回の楽しみにしました。
脈絡の無い話しになってきましたが、要は日本の駅構内で
映画の撮影をしたくなる駅がどれほどあるだろうかと
いうことです。
また、撮影はともかくとして「駅の存在感」を楽しめる映画が
日本でどれほどあるだろうかということ。

映画「ALWAYS 三丁目の夕日」で上野駅のシーンがあり
それは素晴らしいシーンではあったものの
「駅の“存在感”」を楽しんだわけではありません。

このプレストン駅に降り立ち跨線橋からホームを眺めながら
そんなことを考えていました。

2010年09月18日 9時39分

気を取り直してバージンレイル。

平成17年10月24日(月)、
この日は、「ユーストン」駅発7:45の列車で
イギリス中部の町「プレストン」を目指しました。

以前から一度乗車してみたかった「Virgin Trains」
(ヴァージン・トレインズ)のペンドリーノです。
ペンドリーノと言えばイタリアですが
イギリスで乗るのも悪くありません。
というか、ダービーの往復で乗った“メリディアン”よりは
1段も2段も快適で、サービスも流石
航空会社を持っている『ヴァージン』グループと
言いたくなるほど。
走りも滑らかで気分は最高でした。

プレストン着は10:18。
予定通り2時間半の快適な「旅」気分でした。

さて、この日の目的地は一昨日UPした
「クライチ路面電車博物館」のオープンカーが
走っていた『ブラックプール』市。
※話しをやや強引につないでいます。
この町は、知る人ぞ知る2階建て路面電車が
公共交通機関として生きている町なのです。

2010年09月17日 18時00分

「マトロック」駅での大事件

写真は「マトロック」駅と言いたい所ですが
真ん中から左側は、昔の駅舎を利用した(と、聞きました)
「PEAK RAIL」の案内所兼お土産屋さんです。

そんな話しはどうでも良くて
駅に着いて電車の運行情報の「電光掲示板」を見たら
“キャンセル”の文字が!
「えっ、あんなに確認したのに!」
「今日は動くと言っていたのに」
と言っても通用しないのが日曜日のイギリス。
暫くすると、キャンセルを知らない数十人のお客が
集まって来てちょっとした騒ぎに。
(日本人の私だけではなかった…)
出発予定時刻の17:41頃、鉄道会社の制服を着た人が
駅のホームに現れ
「ダービーまで代行バスを運転します」と説明を始めました。
「代行バスって何?それに乗ってロンドンまで戻れるの?」と
聞いても流石イギリスだけあって答えてくれません。
「旅(トラベル)はトラブル」とはいうものの
今日はありすぎだし…。

とその時、救世主出現!
いきなりイギリス人の親子3人連れのお父さんに
「日本人か?」と聞かれました。
「そうです」と答えたら、何とお母さんが
ロンドンに戻るお父さんと男の子を駅まで
車で送ってきたものの、列車が運休なので
2人を途中の「ダービー」駅まで送るとのこと。
一緒に乗らないかというお誘いでした。
「神様、仏様、マクドナルド様」でした。
マクドナルドさんは電気関係の技術者で
勤務先の会社が日本のメーカーと取引があり、
これまでに2回、日本に出張。
その時親切にされたので今回は『そのお返し』と
言って頂きました。
また、この場にいなかったお子さんは
日本の「アニメ」の勉強をしているので
「日本は大好きだ」とも仰っていました。

そして「ダービー」駅につくやいなやマクドナルドさん、
「私たちはいいから走ってホームに行き
 止まっている列車に乗れ!」と教えられました。
何かと思えば、通常運行予定の「ダービー」~
「ロンドン」間も間引き運転をしており
次の列車の保証は定かではないとのこと。
※多分、彼は「マトロック駅」にいた鉄道会社の人に
 時間を確かめていたと思われます。
おかげで私はその列車に乗れ、しかも座れましたが
正直、トイレに行くのも憚られるほど超満員で
地下鉄以外で混んだ列車にイギリスで遭遇したのは
これ1回限りです。
それにしても、マクドナルドさんたちがその列車に
乗ったかどうかを最後まで確認出来ずじまいでした。
多謝!

2010年09月17日 9時49分

マトロックのバスターミナルに戻りました。

平成17年10月23日、
「マトロック」発17:41の列車に乗るべく
このバスで「クライチ路面電車博物館」から
「マトロック」の町(バスターミナル)に戻ってきました。

「何だ、ただのバスの話しか!」などと言わないで下さい。
何故?

この日、博物館に行く前に「マトロック」の観光案内所に寄り
(博物館からの)戻りのバスの時間を聞いていたのですが
何とその時間は数日前に改正され、
私が定刻の5分以上前にバス停に着いたにも係わらず
バスは10分前に出た後でした。
(バス停の時刻表を見て唖然!)

このため、博物館に戻り、事情を話して「タクシー」を
呼んでもらうべく係員に話しをしたら
目の前に止まっていたこの写真のバスの運転手さんと
何やら話しを始め、何事かと思ったら
「このバスは、『マトロック』のバスセンターに行く」と
言われて乗せられました。
ところが…。

バスが走り始めたら突然、「ヘイッ!ジャパニーズ」と
運転手さんに呼ばれ
「この道をバスで走るのは初めてだ」と言われたのです。
何と、バスの営業運転が終わり車庫に戻る前に
交通手段を失った私をわざわざ送ってくれたのです。
(しかも定期バスの路線外なので無料)

ただ先日も書いたようにこのマトロック周辺は観光地で、
狭い道路は大渋滞。そこに大型バスで乗り入れているので
大変な時間がかかりました。
博物館の方、何よりも運転手さんありがとうございました。
こう言っては失礼かもしれませんが
「田舎の人は人情があって親切」だ!
でも話しはこれで終わらない。

2010年09月16日 18時08分

「クライチ路面電車博物館」のオープンカー

1927年製の「ブラックプール」市電で
使われていたオープンカーです。

1950年頃、イギリス中西部の町「ブラックプール」では
道路にイルミネーションが飾られていたそうです。
その装飾をイギリスのテレビ局BBCが撮影するために
当時使用されていた電車を改造したもので、
それをこの博物館が譲り受け、改修し、今の姿になっています。
※私の英語力では、絶対に正しいとは言い切れませんが
 博物館の英文の解説は、多分こんな内容と推察されました。

この日、私はこの電車に乗れませんでしたが
こうして撮影できただけでも幸せな時間でした。

この博物館では、日常的に修理も行っており、
確かに修理をしなければ走り続けることが
出来ないような年代モノばかりでした。

日本に本格的な動態保存の路面電車専門の博物館は
ありません。
博物館といえば、日本では国立か公立、
もしくは有力企業の運営によるものというイメージで
イギリスのようにボランティアの活動と市民からの寄付、
入場料収入・グッズ販売収入等で
運営することは難しいかも知れません。

それにしても、この日もロンドンの様な大都市からは
何時間もかけないと来られないにも係わらず
大勢の「鉄」ではない入場者がいました。
イギリスの懐の深さの一端を垣間見た気分でした。

それにしてもこの博物館は凄すぎる!!!

2010年09月16日 9時00分

「クライチ路面電車博物館」はロケの名所

電車は「リバプール」にいた車両で、1936年製。
美しい緑色の2階建てで、車内2階席は木製の床に
小ぶりなシートが置かれていました。

で、ここでの主役は電車ではなく、
電車の右側のクラシックカーのお話し。

何でこの車が止まっているかといえば
この博物館の中で、クラシックカーとクラシックトラム、
そしてタキシードの紳士・美しい女性を組み合わせた写真を
撮影していたのです。
※多分、商業ベースのポスターか雑誌用?
※女性の服装もこの乗り物たちにふさわしい
 優雅なモノでした。
 残念ながら写真を撮ろうとしたら「ダメ」と言われました。

この車は博物館が持っているものではなく
撮影していた人たちが持ち込んだものと聞きました。
こうした撮影は、日常茶飯事とは言わないまでも
結構あるそうで、映画やテレビのロケも多いそうです。

イメージしやすい言葉で言えば、映画やドラマの
SL走行シーンでよく出てくる大井川鉄道ですが、
残念ながら架線やちょっとした風景が
時代の雰囲気を損ないます。
しかし、この博物館では町並みを含め全て20世紀前半で
時計が止まっているのです。

日本なら明治村のN電とクラシックカーの
組み合わせといったところでしょうか。



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プロフィール

稲見部長稲見眞一
<自己紹介>
昭和52年4月、中京テレビ放送入社。「ズームイン!!朝!」を始めとした情報番組や「ドラマ」「ドキュメンタリー」等のディレクター・プロデューサーを務めた。鉄研最終回(2010年1月29日放送)では自ら自慢の鉄道写真「俺の一枚」を持って出演。 鉄道歴は小学校5年からスタートしはや半世紀。昭和55年には当時の国鉄・私鉄(ケーブルカーを除く)を完全乗破。平成18年にはケーブルカーも完全乗破。その後も新線が開業するたびに乗りつぶしている筋金入りの“乗り鉄”。好きな鉄道は路面電車。電車に揺られながら窓外に流れる街並みを眺めているのが至福のとき。さてスジを寝かせてゆったり乗り鉄と行きましょう!