2010年11月28日 18時00分

シドニー路面電車博物館(6)動態保存

「249号」の続いては「1497号」です。

「249号」を乗り終え、屋外での展示というか
屋外に出ていたトラムの写真を撮影し、
屋内展示の車両を見に行こうと歩いていたら
この博物館の入り口に近いところに停車していたトラムの
車掌さんから声をかけられました。
どうやら今からこの電車を動かすから「乗っていけ」と
言っているのではと思い、まずは写真を1枚撮影。

この「1497号」は、地元シドニー市電のP形で
1922年(=大正11年と書くと時代を感じます)製。
●ここまで書いて、函館市電「箱館ハイカラ號」の
 1910年(明治43年)製が如何に凄いかを改めて実感。

座席定員は80名で、車内中央に通路の無いタイプとはいえ
トラム1両でこんなに座れる車両があったとは驚きです。
全長は13.85メートルですので、
日本との比較では、やはり大型の部類ですが
このサイズがオーストラリアのスタンダードなのでしょう。

さてさてそうこうしているうちにトラムは出発。
森の中の小道に沿ってこちらは実に優雅に走りました。

2010年11月28日 8時39分

シドニー路面電車博物館(5)記念写真

「249号」を乗り終え、運転士さんと車掌さんにも
入ってもらい記念写真をパチリ。

博物館の方は写され慣れているみたいで、
わざわざトロリーポールの紐を少し下ろして
雰囲気を出してくれました。

この博物館で入館者への対応をしている方は
全てボランティアとのことで
9月15日・16日に書いたイギリスの
「クライチ路面電車博物館」でも触れましたが
欧米の“文化遺産”に対する考え方には敬服します。

私も定年があと数年後に迫っており、
「この方たちのような老後を過ごせたら最高だよな」等と
思いつつ、かといって同好の士を集め、
『路面電車博物館』設立を妄想したとしても、
開館に必要な土地やらお金やらの問題も大きいですが、
日本ではそれ以上に、
維持・継続させることが殆ど不可能であろうと
現段階では思ってしまいます。

で、私の英語力では「公式ガイド」を理解しきれていませんが
多少の「不確かさ」を敢えて承知の上でその一部を引用します。
●この博物館の萌芽は1950(昭和25)年。
●1961(昭和36)年にシドニー市電が全廃され、
 その4年後の1965(昭和40)年には
 『シドニー路面電車博物館』が本格開館。
●1988(昭和63)年に今の「ロフタス」駅直近の
 現在地に移転し、現在に至る。

日本と比較する方が愚かしいと言わざるをえないほど
歴史の重みとそれを支え続けてきたボランティアスタッフの
“層の厚さ”にはもう感服するしかありません。



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プロフィール

稲見部長稲見眞一
<自己紹介>
昭和52年4月、中京テレビ放送入社。「ズームイン!!朝!」を始めとした情報番組や「ドラマ」「ドキュメンタリー」等のディレクター・プロデューサーを務めた。鉄研最終回(2010年1月29日放送)では自ら自慢の鉄道写真「俺の一枚」を持って出演。 鉄道歴は小学校5年からスタートしはや半世紀。昭和55年には当時の国鉄・私鉄(ケーブルカーを除く)を完全乗破。平成18年にはケーブルカーも完全乗破。その後も新線が開業するたびに乗りつぶしている筋金入りの“乗り鉄”。好きな鉄道は路面電車。電車に揺られながら窓外に流れる街並みを眺めているのが至福のとき。さてスジを寝かせてゆったり乗り鉄と行きましょう!