2010年12月02日 18時04分

シドニー路面電車博物館(12)転線

閉館間際になって、運転を終えたトラム「1497号」を
車庫に戻す作業をパチリ。

「1497号」はポイントを渡り、
さらに右方向に転線していきます。
※写真では確認しづらいですが
 トラム右前方の「TOYOTA」の車の手前に線路があり、
 そこを通って行きました。

なぜこの写真を撮影したか?
実のところ、最初は「ぼーっ」とただ眺めていました。
でも何か変。この光景に違和感があるのです。
「あれっ?電車は動いているのに、ポールが下りている。
そもそも向かっていく線路上に架線が無い!」

お気付きいただけましたでしょうか?
でも、この電車は自走しています。
※この先も、架線の無い線路を動いていきました。

「?????」という気分になりませんか?
私も一瞬、何が起こっているのか理解不能な状態に
陥りました。(もしやバッテリー走行?)

(種明かし)
1)この車両の向こう側に人がいます。
2)その人は、フックのような形をした金属部品が
  先端についた木製の「棒」を持っています。
3)フックには、車の「バッテリーケーブル」の様な
  長いケーブルが直結しています。
4)フック部分は架線に引っ掛けられており、
  フックに繋がったケーブルを辿るとトラムの車体下にある
  電気系統と思しき機器に繋げられています。

分かりやすくいえば、ポール集電ではなく、
フックをポール代わりに集電していたということです。

生まれて初めて見た光景であり、とてもこの「興奮」を
上手く表現しきれません。
日本でもポール集電の鉄道では、
ひょっとして見かけることのあった光景なのかもしれませんが、
それにしても今や昔のお話しでしょう。

2010年12月02日 8時42分

シドニー路面電車博物館(11)操車塔

11月13日(土)に、函館市電の「操車塔」の話しを
書いていたので、この博物館の「操車塔」の話しを。

実のところ、この「操車塔」の存在に、
入館時は気付いていませんでした。

ほぼ博物館内を見終えた頃、
木造の独立した建物に“人がいる”みたいだけど
「何をしているのだろう」と見てみたら
レバーらしきものが見えたので「操車塔」だと
確信した次第です。
※『人』は多分、人形です。動いていませんでした。

「シドニー路面電車博物館」の公式HPで確認したところ
この『tramway signal box』についての記述がありました。
●「操車塔」は日本の言い方で、オーストラリア(海外)では
 『tramway signal box』=『信号所』と言うみたいです。

HPの文章を引用するとこの「操車塔」は、
『…which stood at the corner of Elizabeth and Liverpool Streets in Sydney』と書いてありましたから、
シドニーの「エリザベス通」と「リバプール通」との交差点に
あったようです。
そしてその「操車塔」をこの博物館に移築・復元したそうです。

「操車塔」を発見して喜ぶ自分を顧みるにつけ、
『路面電車』というか『鉄道』を趣味に持つ人は
「世界共通」の“価値観”で結ばれているといったら
誇大表現というか言い過ぎでしょうか?



ADVERTISEMENT

電子書籍「稲見駅長の鉄道だよ人生は!!」
稲見駅長の鉄道だよ人生は!! ―各駅停写の旅―

カレンダー

2010年12月
« 11月   1月 »
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031  

プロフィール

稲見部長稲見眞一
<自己紹介>
昭和52年4月、中京テレビ放送入社。「ズームイン!!朝!」を始めとした情報番組や「ドラマ」「ドキュメンタリー」等のディレクター・プロデューサーを務めた。鉄研最終回(2010年1月29日放送)では自ら自慢の鉄道写真「俺の一枚」を持って出演。 鉄道歴は小学校5年からスタートしはや半世紀。昭和55年には当時の国鉄・私鉄(ケーブルカーを除く)を完全乗破。平成18年にはケーブルカーも完全乗破。その後も新線が開業するたびに乗りつぶしている筋金入りの“乗り鉄”。好きな鉄道は路面電車。電車に揺られながら窓外に流れる街並みを眺めているのが至福のとき。さてスジを寝かせてゆったり乗り鉄と行きましょう!