2010年12月27日 9時00分

講習時の説明で、「EF63」という碓氷峠のシェルパ独特の
構造・運転について様々なことを学びました。
流石に66.7パーミルという急勾配を上り下りするだけあり、
特に、峠を下る(軽井沢⇒横川)際の安全対策として
「列車を安全にかつ確実に止める」ことに主眼を置いた
各種機器の存在は、何度もお世話になっていて何ですが
遅まきながらやっと知ることになりました。
多分この機関車は、その登場した昭和38年頃の
技術の粋を集めた最高傑作であったのであろうと
今更ながら感じています。
その中で、私が知らなかっただけかもしれませんが
中間台車に取り付けられた小さな車輪に
心惹かれました。(写真でもわかりますよね)
「速度検出用遊輪」と言って、
碓氷峠越えでは必需品だったそうです。
通常、列車の速度は車輪の回転数で検知しますが
速度検知“専用”の車輪「遊輪」を持っていた車両は
この「EF63」だけとのこと。
万が一、動軸が空転・滑走した時でも正しい速度が
分かるシステムだそうで、
最悪の事態でもその時の速度を知ることで
様々な手を打つことを可能にしたそうです。
●大体、こんな説明があったかと思います。
実際にこの「遊輪」が役に立つ事態なぞ
考えたくもありませんが、
我々にこの機関車の構造の講義をしてくれた
「EF63」機関士OBの方は、実装された機器の中で、
『この装備は運転中に使ったという話しを一度も
聞いたことが無い』という説明があったりして
安全対策に“この程度”で大丈夫という考えが
無かったことを知りました。