2010年12月27日 9時00分

「碓氷峠鉄道文化むら」EF63運転体験(4)遊輪。

講習時の説明で、「EF63」という碓氷峠のシェルパ独特の
構造・運転について様々なことを学びました。
流石に66.7パーミルという急勾配を上り下りするだけあり、
特に、峠を下る(軽井沢⇒横川)際の安全対策として
「列車を安全にかつ確実に止める」ことに主眼を置いた
各種機器の存在は、何度もお世話になっていて何ですが
遅まきながらやっと知ることになりました。
多分この機関車は、その登場した昭和38年頃の
技術の粋を集めた最高傑作であったのであろうと
今更ながら感じています。

その中で、私が知らなかっただけかもしれませんが
中間台車に取り付けられた小さな車輪に
心惹かれました。(写真でもわかりますよね)

「速度検出用遊輪」と言って、
碓氷峠越えでは必需品だったそうです。
通常、列車の速度は車輪の回転数で検知しますが
速度検知“専用”の車輪「遊輪」を持っていた車両は
この「EF63」だけとのこと。
万が一、動軸が空転・滑走した時でも正しい速度が
分かるシステムだそうで、
最悪の事態でもその時の速度を知ることで
様々な手を打つことを可能にしたそうです。
●大体、こんな説明があったかと思います。

実際にこの「遊輪」が役に立つ事態なぞ
考えたくもありませんが、
我々にこの機関車の構造の講義をしてくれた
「EF63」機関士OBの方は、実装された機器の中で、
『この装備は運転中に使ったという話しを一度も
聞いたことが無い』という説明があったりして
安全対策に“この程度”で大丈夫という考えが
無かったことを知りました。

    

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    プロフィール

    稲見部長稲見眞一
    <自己紹介>
    昭和52年4月、中京テレビ放送入社。「ズームイン!!朝!」を始めとした情報番組や「ドラマ」「ドキュメンタリー」等のディレクター・プロデューサーを務めた。鉄研最終回(2010年1月29日放送)では自ら自慢の鉄道写真「俺の一枚」を持って出演。 鉄道歴は小学校5年からスタートしはや半世紀。昭和55年には当時の国鉄・私鉄(ケーブルカーを除く)を完全乗破。平成18年にはケーブルカーも完全乗破。その後も新線が開業するたびに乗りつぶしている筋金入りの“乗り鉄”。好きな鉄道は路面電車。電車に揺られながら窓外に流れる街並みを眺めているのが至福のとき。さてスジを寝かせてゆったり乗り鉄と行きましょう!