2010年12月06日 18時58分

『世界一』のケーブルカー(4)誘導滑車。

こちらもケーブルカーのケーブルカーたるところ。
ケーブルカーの命綱たるロープを支える『誘導滑車』です。
※これを撮影していたのは当然ながら私一人でした。

このケーブルカー、実のところ、ここに来るまでは
てっきり観光用に作られたものとばかり思っていましたが
そうではなく、このケーブルカーの終点周辺が
もともと石炭鉱山で、頂上から採掘現場までの間の、
人員輸送のために作られたと現地で聞きました。
ようするに「人車」だったんですね。

ここ『シーニック・ワールド』は、「ジャミソン渓谷」の
大自然を楽しむ施設で、広い敷地内には
それをしっかり堪能できる遊歩道も整備され、
短いコースで10分程度、
長いコースでも50分ほどで歩けます。
余談ですが、私はその10分コースを歩いきましたが
心の洗濯にはこれでも十分。
日頃の行いを悔い改めようという気分になれます。

で、その遊歩道の途中に、炭鉱跡の見学が出来るところもあり、
使われていた機械などの展示もあります。
どうやって掘り出した鉱石を運んでいたかはともかく
「人車」がケーブルカーというのはあり得る話しです。

それにしても鉱山で働くということは、
今も時々、事故が起きているので軽々に語れませんが
ケーブルから眺める『ブルー・マウンテンズ』の美しい風景は
きっとここの炭鉱夫の方たちにとっては
一服の清涼剤だったのではないでしょうか?
きっと今のように全速力で走ることもないでしょうから。

2010年12月06日 7時06分

『世界一』のケーブルカー(3)いよいよ出発。

いよいよ出発です。
何故か、「インディー・ジョーンズ」のテーマ音楽が
発車の合図です。
(皆さん、思いっきりイメージを膨らませてください)

まあ、お約束というか「急勾配」を“惰性?”で駆け下りる
『トロッコ』ということでこのメロディーなのでしょうが、
乗客たちには思いのほか受けていました。
というより一番受けていたのは私かも…。
※映画を知らないと、この音楽で“笑い”は起きません。

車両の後ろにあるケーブルが
ケーブルカーたる所以だったするのでしょうが
いささか私の常識の枠を超えた形状をしており、
これが果たしてケーブルカーなのだろうかと
疑念を持ってしまうほどです。

ところで「シーニック・レイルウェイ」の名前の所以ですが
シーニック・ワールドのHPを要約すると
「19世紀のイギリスの遊園地の乗り物で、
馬や人力(後に蒸気)で引き上げ、
一気に降下させていたものがあり、
その線路沿いに風景や動物の絵があって
“シーニック・レイルウェイ”と呼ばれており、
その名称が広く使われるようになった」とのこと。
この地で楽しめるのは“絵”ではなく
“本物”の風景なのですが同類ということからか
「シーニック・レイルウェイ」と呼んでいるようです。

確かにこのケーブル乗車中、一昨日UPした
『ブルー・マウンテンズ』の風景に近いものが、
短い時間というより瞬間ですが見られます。

(備考)
ここ「シーニック・ワールド」には
「レイルウェイ」の他にも「ケーブルウェイ」と
「スカイウェイ」という2つの乗り物があります。
両方とも『ロープウェイ』であり、
「ケーブルウェイ」はやや紛らわしいと感じました。
まあ、そんなことを考えるのは私くらいでしょうが・・・。

2010年12月05日 18時00分

『世界一』の「乗り物」改め「ケーブルカー」(2)座席。

さて、ケーブルカーの座席ですが、
体を固定する“バー”みたいなものもあって
どこからどう見てもジェットコースターの
座席にしか見えません。
●この“バー”は、ジェットコースターとは違って
 椅子に座ると体を押さえるという事はありません。
 “握り棒”の親分と思ってください。
 『ひょっとして』と期待した方、残念でした。
 ただ、乗車した時から下車するまで
 私はこの“握り棒”を掴みっぱなしでした。
 (ケーブルカーでこんな経験は当然ながら『初』)

一列に2~3人ほどが座ることが多く、これが確か7列。
車両は3両連結でした。

この先頭の席は、当然の事ながら大人気で、
乗り場のゲートが開くと争奪戦です。
私はその席は断念し、後ろの方にしか陣取れませんでした。
●因みにこの写真は、下車終了後にそそくさと撮影したもの。
 とてもお客さんが多く、のんびり撮影など出来ません。

この椅子の座り心地は、見た通りで良い訳がありません。
でもこれを車両と思わず、一つのアトラクションと思えば
これで良し。乗車時間は僅か2分ほどなので
『乗り心地』がどうとかいうレベルではありません。

2010年12月05日 9時00分

『世界一』の乗り物(1)いざ奈落の底へ。

写真は『ブルー・マウンテンズ』のエリアにある
とあるアトラクションとさせていただきます。

急傾斜を下るところなど、どこからどう見ても
ジェットコースターですが、それにしては
やけに横幅が・・・広い!

実はこれ、2本のレールの上を走る立派な鉄道なのです。
※所謂、鉄道事業者の鉄道ではありませんが…。      
何となく急勾配であることからお察し頂けると思うのですが
信じ難いことにケーブルカーです。

これが存在するのは、世界遺産『ブルー・マウンテンズ』内の
「シーニック・ワールド」という自然探索観光施設です。
●シドニーから西へ約100キロ、電車で約2時間で
 最寄り駅は「Katoomba」(カトゥーンバ)です。

(このケーブルカーの概要)
●正式名称…シーニック・レイルウェイ(Scenic Railway)
 ※通称は『トロッコ』だそうです。
  『トロッコ』とは程遠いイメージですが…。
●路線延長…415メートル(公式HPによる)
※毎度のことですが、乗り場の係員に聞いた路線延長は
  430メートルでしたが、上記では「公式HP」の
  数字にしました。
●標高差…250メートル(乗り場の係員に聞いた)
●斜度…52度(乗り場の係員に聞いた)
●速度…時速15キロ(乗り場の係員に聞いた)

ところで、「乗り場の係員の方に聞いた」と書いていますが
正確には、「このトロッコのことを教えてほしい」と
係員に話しかけたら“立て板に水”で、
上記のことを教えてくれ、ご丁寧にも私のメモも
確認してくれました。
結構、聞かれているのでしょうね。

それはさておき、タイトルの「世界一の乗り物」とは
上記の「概要」で既にお察しの通り、
斜度が“世界一”ということ。
「シーニック・ワールド」のHP(日本語版)にも
しっかり『世界一の急勾配を駆け下るトロッコ電車』と
書かれていました。
※「“電車”って何よ」と突っ込まないで下さい。

2010年12月04日 17時32分

ブルー・マウンテンズの景色。

オーストラリアの世界遺産の一つ、
「ブルー・マウンテンズ」の風景です。
※「ブルー・マウンテンズ」は世界遺産(自然遺産)です。

写真の真ん中にある『3つの岩山(ポチっとしたところ)』は
「スリーシスターズ」と言って、ここの代表的な景観で
これを眺められるところがメインの観光スポットになっていると
言っても過言ではないと思っています。

この名前「ブルー・マウンテンズ」の由来ですが、
この辺りはユーカリが広範囲に自生する地域で
そのユーカリに含まれる“油分”が気化すると
青みがかって見え、それが一部だけではなく
山(というよりこのエリア)全体が青く見えるからであると
説明を受けました。

平成22年9月16日、私は半日このエリアに滞在し、
ゆっくりと大自然を堪能しました。

ところでただ世界遺産というだけで、
この地に来た訳ではありません。
ちゃんと理由があります。それは又明日。

(ところで)
「ブルー・マウンテンズ」ならぬ「ブルーマウンテン」と言えば
略して「ブルマン」。私にとっては高値の花のコーヒーでした。
「ブルマン」はジャマイカ産のコーヒー豆で、
ここ「ブルー・マウンテンズ」とは全く縁も縁もありませんが、
最近、「ブルマン」って聞かないですね…。
ということで、余計な連想話しで失礼しました。

2010年12月04日 8時00分

名鉄の「マナカ」対応券売機?

昨日の名古屋市営地下鉄に続き、
名古屋鉄道の「マナカ」対応と思しき券売機です。
●名鉄名古屋駅で昨日(12月3日)撮影。
◆告白…上記で「名鉄名古屋」と入力しているつもりが
 「新名古屋」と無意識に指が動いており、
 変換して気付き修正。昭和の頭はなかなか平成になりません。

地下鉄と全く同一としか見えない券売機なので
「マナカ」対応と想像しているのですが
これまで私が気付いていなかっただけかも知れないと
思い始めました。
何故なら、既に汚れが目立ち始めていたのと
金山か中部国際空港で見たような記憶が…。

それはともかく、私にとっての『新発見』ということで
今回はお許しください。
多分、名古屋市営地下鉄の自動券売機更新と言う
身近な変革があったから今回の「事態」を招いたのでしょう。
(少々大袈裟ですね)

ところで名鉄の券売機の所に
『(新)自動券売機の操作ガイド』なる冊子が
置いてありました。(名古屋鉄道営業部業務課名義)
この券売機にかける名鉄の意気込みを感じます。
それによると「ミューチケット」も購入できるようで
確かに、タッチパネルの左サイドの一番下に
「ミューチケット」の選択ボタンありました。
(タッチパネルで「ボタン」というのも何ですが…)
そうすると、どこの駅でも自動券売機さえあれば
「ミューチケット」が買える?なれば利用者には朗報でしょう。

ところで、券売機の「地の色」が青(水色)となっています。
名古屋市営地下鉄が「黄色」なら名鉄は「赤色」だろうと
思っても、やっぱり券売機には似合わないかな?
それとも今の名鉄を代表する色は「ミュースカイ」の『青』?

2010年12月03日 18時05分

シドニー路面電車博物館(13)博物館の心臓・工場

博物館の心臓部、整備工場を遠巻きに覗いて見ました。

左サイドの黄色と緑色のトラムは「1979号」。
●元シドニー市電の「R1」形、1936年製
右サイドの先頭にいる水色のトラムは「548号」です。
●元ブリスベン市電。
その他にも何両か入っていました。

整備工場はもう一棟あり、写真の整備工場で「動くトラム」の
整備を行い、もう一棟の方で「復元整備」を行っている
いるように見受けられました。

ただ私が行った日は、どちらも作業をしておらず
上記の役割分担の確認は出来ていません。

日本の地方にある中小私鉄の工場とほぼ同じと
思っていただければ間違いはないです。
それにしても大正~昭和のトラムが、短い区間とはいえ
今でも人を乗せて走らせているわけで
その保守点検整備のご苦労は尋常ではなかろうと察しています。

ただ現代の車両と比べれば、電子部品が無い分だけ
自前の復元を含む整備のみならず修理もやれるのでしょう。
日本(多分、海外でも同様?)では、
特に平成になってからの導入車両には電子部品が多用され
故障時に、その部品がブラックボックスとなっているがゆえに
自前での修理が叶わず、車両メーカーに修理を依頼する等
思わぬ手間が掛かっていることもあると聞いています。

技術の進歩はそれはそれで時代の必然であり良いことなのですが
この博物館(というより保存鉄道全般)を見ている限り
前時代的なオールドタイマーたちが
手間隙かけて動態保存されている状況を見るにつけ
“アナログ”製品ゆえの良さも感じました。
ただ修理できる“技術”の伝承は、“職人技”の伝承でもあり
多分、その点もこの博物館のボランティアスタッフの間で
行われているのだろうと推察しています。
※余談ですが、放送機器も以前は自社の技術スタッフで
 モノによっては修理をしていましたが、
 最近はメーカーの技術者による出張修理が一般的です。

この博物館に再度訪れる日が来ることを祈りながら
今回は筆を置きます。

2010年12月03日 9時00分

「マナカ」対応自動券売機?

昨日、会社帰りの名古屋市営地下鉄「八事日赤」駅で
自動券売機に“おやっ”?
ただ電車の時間が迫っていたので確認するのを諦め
まあ、明日でも良いかと思いつつその場を立ち去りました。

それが桜通線の「鶴里」駅で確信に変わりました。

自動券売機が、写真のように黄色が目だつ
新しいタイプに取り換えられていました。
「八事日赤」も「鶴里」もまだ1台ずつで
全面更新とはなっていませんがこれから増えてくるものと
思います。

普段、自動券売機は殆ど使わないので
この更新がいつ始まったか分かりませんが
何せこの色はとても目立つので、
上記の2駅では昨日・今日のことでしょう。

まあ時期が時期なので「マナカ」対応間違いなしですが
1)黄色のパネル部分に「ユリカ」の文字がどこにもない。
  早くも「ユリカ」非対応か?と思いきや
  “タッチパネル”のところに
  「ユリカ」「積み増し」の文字がありました。失礼。
2)券売機の「地下鉄一日乗車券」の下に
  黄色いテープで隠された何かの文字がある。
  ※ひょっとしてここに「マナカ」の文字が
   隠れている?
何れにしろ今日これからこの自動券売機で
乗車券を購入してみます。

●ところで名鉄はどうなっているのかな?
 明日は少し早起きして「名鉄経由」か?

2010年12月02日 18時04分

シドニー路面電車博物館(12)転線

閉館間際になって、運転を終えたトラム「1497号」を
車庫に戻す作業をパチリ。

「1497号」はポイントを渡り、
さらに右方向に転線していきます。
※写真では確認しづらいですが
 トラム右前方の「TOYOTA」の車の手前に線路があり、
 そこを通って行きました。

なぜこの写真を撮影したか?
実のところ、最初は「ぼーっ」とただ眺めていました。
でも何か変。この光景に違和感があるのです。
「あれっ?電車は動いているのに、ポールが下りている。
そもそも向かっていく線路上に架線が無い!」

お気付きいただけましたでしょうか?
でも、この電車は自走しています。
※この先も、架線の無い線路を動いていきました。

「?????」という気分になりませんか?
私も一瞬、何が起こっているのか理解不能な状態に
陥りました。(もしやバッテリー走行?)

(種明かし)
1)この車両の向こう側に人がいます。
2)その人は、フックのような形をした金属部品が
  先端についた木製の「棒」を持っています。
3)フックには、車の「バッテリーケーブル」の様な
  長いケーブルが直結しています。
4)フック部分は架線に引っ掛けられており、
  フックに繋がったケーブルを辿るとトラムの車体下にある
  電気系統と思しき機器に繋げられています。

分かりやすくいえば、ポール集電ではなく、
フックをポール代わりに集電していたということです。

生まれて初めて見た光景であり、とてもこの「興奮」を
上手く表現しきれません。
日本でもポール集電の鉄道では、
ひょっとして見かけることのあった光景なのかもしれませんが、
それにしても今や昔のお話しでしょう。

2010年12月02日 8時42分

シドニー路面電車博物館(11)操車塔

11月13日(土)に、函館市電の「操車塔」の話しを
書いていたので、この博物館の「操車塔」の話しを。

実のところ、この「操車塔」の存在に、
入館時は気付いていませんでした。

ほぼ博物館内を見終えた頃、
木造の独立した建物に“人がいる”みたいだけど
「何をしているのだろう」と見てみたら
レバーらしきものが見えたので「操車塔」だと
確信した次第です。
※『人』は多分、人形です。動いていませんでした。

「シドニー路面電車博物館」の公式HPで確認したところ
この『tramway signal box』についての記述がありました。
●「操車塔」は日本の言い方で、オーストラリア(海外)では
 『tramway signal box』=『信号所』と言うみたいです。

HPの文章を引用するとこの「操車塔」は、
『…which stood at the corner of Elizabeth and Liverpool Streets in Sydney』と書いてありましたから、
シドニーの「エリザベス通」と「リバプール通」との交差点に
あったようです。
そしてその「操車塔」をこの博物館に移築・復元したそうです。

「操車塔」を発見して喜ぶ自分を顧みるにつけ、
『路面電車』というか『鉄道』を趣味に持つ人は
「世界共通」の“価値観”で結ばれているといったら
誇大表現というか言い過ぎでしょうか?



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プロフィール

稲見部長稲見眞一
<自己紹介>
昭和52年4月、中京テレビ放送入社。「ズームイン!!朝!」を始めとした情報番組や「ドラマ」「ドキュメンタリー」等のディレクター・プロデューサーを務めた。鉄研最終回(2010年1月29日放送)では自ら自慢の鉄道写真「俺の一枚」を持って出演。 鉄道歴は小学校5年からスタートしはや半世紀。昭和55年には当時の国鉄・私鉄(ケーブルカーを除く)を完全乗破。平成18年にはケーブルカーも完全乗破。その後も新線が開業するたびに乗りつぶしている筋金入りの“乗り鉄”。好きな鉄道は路面電車。電車に揺られながら窓外に流れる街並みを眺めているのが至福のとき。さてスジを寝かせてゆったり乗り鉄と行きましょう!