2011年01月18日 18時26分

冬の釧路に行こう!(3)知人貯炭場で石炭を下す。

ツアーで行かなければ簡単には撮影できないのがこの写真。

「春採駅」で積んだ石炭を、4キロ運んで「知人貯炭場」で
下している真っ最中です。(撮影日は平成22年2月19日)

ちょっと分かりにくいかもしれませんが、
高架橋の「柱」に注目!
右側の方はコンクリートが見えていますが
真ん中のところが“黒く”なって「柱」が見えません。
この“黒い”ところが、まさしく『セキ』から下している
“黒いダイヤ”(石炭)なのです。
※最近、こういう言い方をあまりしませんね。
さて、この石炭下しが始まった瞬間、ちょっと興奮!
こうした作業は、写真では見たことがありますが
実物を見たのは初めてで、安全のため、至近距離ではないものの
それでも十分に迫力がありました。

石炭はここで下されたのち、船積みを待つことになりますが
そのための一時的な“貯炭場”がここになります。
※国内の石炭火力発電所用に、例えば兵庫県の高砂市に
運ばれているそうです。

そうそう、高架橋を使っているのは
それが一番合理的だからで、もしも『セキ』からクレーンなどで
いちいち掬い上げていたらいつまでたっても
作業は終わりません。
昔の運炭車からの船積み写真を見ても
基本、このパターンだったはずです。

ところで『セキ』の側面にある石炭を下すための扉の開閉他
列車の解結等の作業は、全て機関車で制御できるようになっており、
さすがに時代に合わせて近代化・省力化は進んでいます。

余談ですが、「釧路臨港鉄道の会」の方によると、
最初、この鉄道の方たちからは「一体何者?」という
あしらいだったそうです。さもありなんですね。
それでも、地元だけに何度も通っている内に
こうした『趣味が存在することを理解』してもらえるようになり
現在に至っているとのことでした。

旅客鉄道ですと、「鉄道好き」が嵩じての『就職』も
あるのでしょうが、貨物の、しかも運炭鉄道には
そういう方はいなかったのでしょう。

2011年01月18日 9時00分

冬の釧路に行こう!(2)太平洋石炭販売輸送・知人貯炭場。

写真の前に…。
「冬のSLと石炭のマチ・釧路」ツアーを紹介した過去のブログは、
「釧路コールマイン」が「カテゴリー」の
「トラム・ナロー・鋼索」にあるのを除き、
すべて「カテゴリー」では『北海道・東北』にあります。
ご参照下さい。但し、それぞれ一番下の方になります。
また、昨年UPした写真は今回は使わない予定です。

さて今朝の写真は『知人貯炭場』。
撮影している位置から見ると、
逆「V」字形に2本の高架橋があり、これはその内の1本。
もう1本は写っていませんが、直ぐ左側にあります。

列車は、前後に機関車が付くプッシュプルトレインで運転され
「知人」に到着するのですが、ここで半分に切り離され
写真の編成は後ろの半分で、最後尾にかすかにDLが
写っています。
ということで前半分のDLが先頭となる編成は、
この写真では見切れている左側にいました。

ところで「太平洋石炭販売輸送」の撮影ですが、
「釧路臨港鉄道の会」の方と「太平洋石炭販売輸送」の連携が
素晴らしく出来ており、
例えば昨年の2月27・28日にUPした石炭列車は、
「春採駅」の出発準備が出来ると
駅で待機の「釧路臨港鉄道の会」のスタッフに連絡が入り、
その方から“撮影ポイント”のスタッフにその情報が伝わります。
そうすると、スタッフが「あとO分で列車が通ります」と教えてくれ、
特に動画を撮影していた方には、“無駄なテープ”を
回す必要が無いため、好評だったと記憶しています。
※一般的に貨物鉄道のダイヤは“余裕”があるため
その撮影は大変と聞いています。(言葉の選択が難しい。)

ここ知人の貯炭場でもその連携は遺憾無く発揮されており、
存分に珍しい写真撮影が出来ました。
勿論、どういった作業をしているかの説明もあり
「石炭産業と釧路」についての知識も増えていきました。



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プロフィール

稲見部長稲見眞一
<自己紹介>
昭和52年4月、中京テレビ放送入社。「ズームイン!!朝!」を始めとした情報番組や「ドラマ」「ドキュメンタリー」等のディレクター・プロデューサーを務めた。鉄研最終回(2010年1月29日放送)では自ら自慢の鉄道写真「俺の一枚」を持って出演。 鉄道歴は小学校5年からスタートしはや半世紀。昭和55年には当時の国鉄・私鉄(ケーブルカーを除く)を完全乗破。平成18年にはケーブルカーも完全乗破。その後も新線が開業するたびに乗りつぶしている筋金入りの“乗り鉄”。好きな鉄道は路面電車。電車に揺られながら窓外に流れる街並みを眺めているのが至福のとき。さてスジを寝かせてゆったり乗り鉄と行きましょう!