2011年01月27日 8時00分

六甲ケーブル(2)レトロな六甲山上駅。

昨日の「クラシックタイプ」のケーブルと
同色のバスがいる「六甲山上駅」です。

ここを起点に「六甲巡り」をする観光客も多数います。
だからこそ“2両編成”というケーブルカーでは
珍しい『大量輸送軌間』(と言っても良いと思っています)として
存在しています。

昭和7年3月の開業時からの建物だけあり、
そのどっしりとした風格を感じさせる佇まいは
個人的には、国の「登録有形文化財(建造物)」と同等の
価値があり、もっと評価されるべきと思っています。
※平成12年の第一回「近畿の駅百選」に選ばれています。

ところでこのケーブル、平成7年1月17日発生の
「阪神・淡路大震災」を抜きに語ることは出来ません。
この地のJR・私鉄同様、このケーブルも運休を余儀なくされ
復旧まで半年を有し、その開通は7月でした。
尤もお隣の「摩耶ケーブル」の運休期間が長期に渡ったのに比べ
早い時期の開通ではありました。

私は、「阪神・淡路大震災」の取材で、
平成17年1月20日過ぎから3月中旬まで
断続的に神戸に通っており、
六甲の表側(南側)と裏側(北側)の被害の落差は大きく、
私を含めた取材スタッフは、表側のホテルが稼動していなかったため
“裏六甲”のホテルに本拠地を構えていました。

当時「六甲山上駅」周辺は、あまり被害を感じさせなかったものの
「六甲ケーブル下駅」近辺の被害の甚大さに驚いたことを
今も、昨日のように覚えています。
震災時の取材については、このブログで書くべきかは
逡巡するところですが、
この震災時に、一般の鉄道が日々『復旧区間』を伸ばしていき
地元住民に与えるインパクトの強さをこの目で見た人間として
ケーブルカーの様な“観光鉄道”の復旧も
ある種の“復興への希望”を与える出来事だったのでは
ないでしょうか。

    

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    プロフィール

    稲見部長稲見眞一
    <自己紹介>
    昭和52年4月、中京テレビ放送入社。「ズームイン!!朝!」を始めとした情報番組や「ドラマ」「ドキュメンタリー」等のディレクター・プロデューサーを務めた。鉄研最終回(2010年1月29日放送)では自ら自慢の鉄道写真「俺の一枚」を持って出演。 鉄道歴は小学校5年からスタートしはや半世紀。昭和55年には当時の国鉄・私鉄(ケーブルカーを除く)を完全乗破。平成18年にはケーブルカーも完全乗破。その後も新線が開業するたびに乗りつぶしている筋金入りの“乗り鉄”。好きな鉄道は路面電車。電車に揺られながら窓外に流れる街並みを眺めているのが至福のとき。さてスジを寝かせてゆったり乗り鉄と行きましょう!