2011年05月14日 9時05分

乗換券に見る名古屋市電(3)昭和18年頃。

これまで名古屋市電について書いていて、路線名・電停名について
やや不親切であると気付きました。
1961年(昭和36年)12月1日時点での路線図が
「Wikipedia」の『名古屋市電』の「路線・停留所一覧」の
「1961年12月当時」の項に出ていますので
それを参考にしていただくと分かりやすいと思います。

さて、今朝の写真は昭和18年の『乗換券』です。

まずは券面デザインが一新されました。
これまでの2回では触れませんでしたが、名古屋市電の『乗換券』は、
地図上の東西方向と、券面上の上下左右関係が、
「北」が「上」にあるという常識から90度ずれています。(東が上)
そのため、今回紹介した『乗換券』にも方位を示す“方位記号”が存在します。
そして、その置き位置が今回は左側となっています。
ところで方位のズレは、名古屋市電の路線網が南北方向に広がって
いたのが原因と思われますが、『乗換券』の券面デザインを
“縦”にする発想は、当時無かったということでしょう。

また『バス路線』が券面から消えたので、バスとの乗り継ぎは
無くなったのでしょう。
次に乗換回数が3回から2回に減っています。
こう言える理由ですが、右端の文字が「第一回乗換券」
(切り取り無効)となっており、これから見て取れるのは、
1回目の“乗り換え時”にまずはこのブロックを運転士さん、
車掌さんが切り取って乗客に戻し、次の“乗り換え時” に左側の
ブロックを渡していたのでは思えるからです。

さて今回も時代考証です。
●路線図の一番上にある「東大ゾネ」~「桜山」の実線です。
昭和18年5月1日にこの区間に「トロリーバス」が開業しています。
それが市電との『乗換』対象と思われました。
●「見本」の印の下で見難いですが市電の電停で「千種」とある
ところの路線と、「市役所」~「大津」間は昭和18年12月1日に
廃止になったにも係わらず、この券面にはその電停名が存在しています。
■このため、この『乗換券』は、昭和18年5月1日以降、
12月1日まで使用されていたと推理できるわけです。

今回の「名古屋市電」の『乗換券』話しは、私の知識不足から
生じたものですが、いろいろと調べるのは結構楽しかったです。
最後に貴重なコレクションのご提供とアドバイスを頂いた
「名古屋レール・アーカイブス」のTさんにこの場を借りて御礼申し上げます。



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プロフィール

稲見部長稲見眞一
<自己紹介>
昭和52年4月、中京テレビ放送入社。「ズームイン!!朝!」を始めとした情報番組や「ドラマ」「ドキュメンタリー」等のディレクター・プロデューサーを務めた。鉄研最終回(2010年1月29日放送)では自ら自慢の鉄道写真「俺の一枚」を持って出演。 鉄道歴は小学校5年からスタートしはや半世紀。昭和55年には当時の国鉄・私鉄(ケーブルカーを除く)を完全乗破。平成18年にはケーブルカーも完全乗破。その後も新線が開業するたびに乗りつぶしている筋金入りの“乗り鉄”。好きな鉄道は路面電車。電車に揺られながら窓外に流れる街並みを眺めているのが至福のとき。さてスジを寝かせてゆったり乗り鉄と行きましょう!