2011年06月17日 19時06分

三岐鉄道の楽しみ方(3)ラインデリアを久々に体験。

今回はこの電車が登場した当時の、近鉄非冷房通勤車の標準装備についてです。

上段写真は、一見冷房装置の本体に見えますが、そうではありません。
下段写真は、一見冷房装置の吹き出し口に見えますが、そうではありません。

まず下段写真ですが、吹き出し口のように見えるのは『ラインデリア』と言って
扇風機の形状変更というか、所謂“送風機”です。
※初めて見た(経験した)時は、これでも十分感動!

扇風機よりも薄く設置できるのが特徴でしょうか?
それと、上段写真はベンチレーターで空気の換気装置です。
最近は地方路線でも珍しい存在になってきた二つの装置ですが、
ここ北勢線では現役で、一寸懐かしくなりUPすることにしました。

ベンチレーターは特に旧型の客車・電車・気動車ではお馴染みですが、
ラインデリアと対になったベンチレーターはこうして外から眺めてみると
冷房装置に見えないでもないですね。
一方ラインデリアは、写真で言えば幅広の吹き出し口が左右に首を振り、
乗客に“涼やかな”風を届けます。

実際の所、夏に窓を開けて走っている状態でこのラインデリアが動いていても、
さほどの有難みは無かったものの、雨降りの日に窓を締め切ったときなどは、
ベンチレーターの換気機能のおかげで、きっと気のせいだったのでしょうが
「涼しげ」な気分が味わえました。

扇風機が局所的な所にしか風が行かないのに比べ、比較的車内に
満遍なく風が行き渡り、『まだまし』というレベルで、その風の当たり具合も
心地よかった思い出があります。

参考までにこの「276号」の隣の「135号」は扇風機です。
これからの季節、乗客の方は本当に大変でしょうね。かと言って冷房車が
来るのを待てるほど電車の本数は多くありません。

今回は、たまたまラインデリアが動いており、
「おっ」と気がついたということで、そもそもこの話しをUPするなど
この日に「276号」に乗車するまで思っても見ませんでした。

2011年06月17日 8時49分

三岐鉄道の楽しみ方(2)「270形」は私にとって凄い!電車。

この日、北勢線で乗った電車は、276+135+134。
写真の先頭車「276号」は、昭和52年に当時の経営母体「近鉄」が
この北勢線用に導入したもので、三岐鉄道となった今でも、
その車内のメラミン樹脂の化粧板も含め、特に内装面で“近鉄”色が
色濃く残っている車両であると私は思っています。

それよりも、この270形が登場した時のインパクトは私にとって
相当なものでした
何せ、当時の近鉄の通勤車両をそのままコンパクトにし、
その近鉄マルーンの色も従来車と比べても圧倒的に鮮やかに見え、
「近鉄ナローが凄いことになった」と本気で思いました。

全長15メートル(従来は10メートル)は、名古屋市営地下鉄の
東山線と同じで、両開きの乗降扉の幅は1300ミリ。車体前面の
切妻非貫通の2枚窓はシンプルなのですが、とても“おしゃれ”な印象で、
全体に秀逸なデザインであると感じていました。

とはいうものの、この電車を追っかけて写真でも撮影したかというと
そこはそれ、『乗り鉄』ゆえ、親戚の家に行くときに横目でこの電車を
時折見かけるだけでした。
まあ、そういう意味で、今回は思いっきり270形を堪能させてもらいました。

今年の2月15日から19日まで、この三岐鉄道北勢線の話しを
書いていますが、この270形については書いていませんでした。
で、次回はこの電車のとある話しを1つ書きます。



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プロフィール

稲見部長稲見眞一
<自己紹介>
昭和52年4月、中京テレビ放送入社。「ズームイン!!朝!」を始めとした情報番組や「ドラマ」「ドキュメンタリー」等のディレクター・プロデューサーを務めた。鉄研最終回(2010年1月29日放送)では自ら自慢の鉄道写真「俺の一枚」を持って出演。 鉄道歴は小学校5年からスタートしはや半世紀。昭和55年には当時の国鉄・私鉄(ケーブルカーを除く)を完全乗破。平成18年にはケーブルカーも完全乗破。その後も新線が開業するたびに乗りつぶしている筋金入りの“乗り鉄”。好きな鉄道は路面電車。電車に揺られながら窓外に流れる街並みを眺めているのが至福のとき。さてスジを寝かせてゆったり乗り鉄と行きましょう!