2011年06月24日 18時06分

三岐鉄道の楽しみ方(16)復元作業中の貨車。

写真はワ11形11号で、新潟県にあった蒲原鉄道にいた10トン積有蓋車です。
昭和4年製で、側面が鋼板張りではなく、板張りなのが特徴で、
私たちが訪れたときは、その修復の最終段階に入っていました。
枠の鋼体部分の茶色は多分、錆び止めの塗装でしょうが、
そこに嵌め込んである『板』が、如何にも一枚一枚寸法通りに製材し、
丁寧に“組み込んでいます”感が伝わってきて、
何だかとても良い感じでした。

ところで、貨車を保存する場合、鋼材と木材とどちらが“持ち”が
良いかということですが、博物館の方の話しでは、
メンテナンス次第という面はあるものの、意外と『木材』が優れている場合も
あるとのことでした。

鋼板が錆びていくのを防ぐには、定期的な全塗装などが
欠かせないそうですが、『木材』の方は、当初にキチンと対応しておけば、
途中の手間は少なくて済む場合もあると聞きました。
※但し、その“当初”は、仕事ではなくボランティア作業ゆえの
大変さはあるようです。

そう言えば、鉄道車両に限らず鋼材は、塗装等のメンテナンスを怠ると
本体強度に影響があると聞いたことがありますが、
それは気のせいでは無かったと思う・・・。

2011年06月24日 9時00分

三岐鉄道の楽しみ方(15)貨物鉄道博物館の展示車両たち。

ここには1両の蒸気機関車と14両の貨車が屋外に展示されています。
で、取っ付きやすいのやはり蒸気機関車B-4形39号です。
明治31年の英国製で、東武鉄道の貨物牽引機として昭和41年まで
活躍していました。

ところでここの収蔵車両の一部が昨年の10月6日、
国立科学博物館「重要科学技術史資料(未来技術遺産)」に登録されました。
1)ト246号(10トン積無蓋車)
2)ワフ21120号(2トン積有蓋緩急車)
3)シキ160号(130トン積吊掛式大物車)
4)三岐鉄道「東藤原駅前」での展示車両ですが
ホキ25767号(40トン積セメント専用ホッパ車)
●主な選定理由…「貨車は、使用済みのものは廃却処分になるものが
殆どである中で、本貨車群はいずれも当該技術分野で残されている
唯一のものである。」(抜粋)

また、本年5月には「貨物鉄道博物館」の保存車両・資料群一式が
2011年度『産業考古学会』推薦産業遺産
「貨物鉄道博物館の保存車両・資料群」として認定されました。
ここにいる車両たちが、こうして正しい評価を得ていくことは、
「貨物鉄道博物館」を支えている人たちがいるからこそではありますが、
一方で、訪れる私たちにとっては、貨車の博物館でその車両と接する際の
最初に押さえるべき指針が与えられた気もしました。



ADVERTISEMENT

電子書籍「稲見駅長の鉄道だよ人生は!!」
稲見駅長の鉄道だよ人生は!! ―各駅停写の旅―

カレンダー

2011年6月
« 5月   7月 »
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
2627282930  

プロフィール

稲見部長稲見眞一
<自己紹介>
昭和52年4月、中京テレビ放送入社。「ズームイン!!朝!」を始めとした情報番組や「ドラマ」「ドキュメンタリー」等のディレクター・プロデューサーを務めた。鉄研最終回(2010年1月29日放送)では自ら自慢の鉄道写真「俺の一枚」を持って出演。 鉄道歴は小学校5年からスタートしはや半世紀。昭和55年には当時の国鉄・私鉄(ケーブルカーを除く)を完全乗破。平成18年にはケーブルカーも完全乗破。その後も新線が開業するたびに乗りつぶしている筋金入りの“乗り鉄”。好きな鉄道は路面電車。電車に揺られながら窓外に流れる街並みを眺めているのが至福のとき。さてスジを寝かせてゆったり乗り鉄と行きましょう!