2011年06月26日 21時11分

春日井市の静態保存機「D51792」(2)整備中。

静態保存機「D51792」の整備を何故毎月一回という、
考えてみればなかなかの頻度とも思える間隔で行うのでしょう?

実は、それほどの回数をこなさないと、ちょっとした“錆び”が
直ぐに浮いてきて、今の美しい姿が維持できないのだそうです。

ということで、この蒸気機関車の象徴とも言えるナンバープレートを
丁寧に磨き上げ、動輪やロッド部分もサンドペーパーで綺麗にした後、
灯油で少し薄めたマシン油を塗り込んでいくのだそうです。

下段写真のバケツの中にマシン油が入っており、作業をされている方の
右手に持った小型のモップに油を浸し、
一か所ずつ進めていきます。
手間仕事というには、少々手が掛かり過ぎる感が無きにしもあらずですが、
手を抜くわけにはいかないとのことで、毎度毎度書いていますが、
話しはちゃんと聞くまでは、何事も分からないものです。

とりあえず写真に撮影したのは、目立った動きの部分だけですが、
実際には、この大きな機関車の隅から隅まで同様の作業が行われていました。

ここでちょっと感じたことが一つ。
蒸気機関車が現役だった頃、銀色に光る動輪のその美しさは、
それをどんな言葉で表現しても、口にした段階で、
陳腐になっていく気がしていました。
果たして今日私が目にした整備を日常的に行っていたのでしょうか?
また、今や動態保存の蒸気機関車が全国で走っていますが、
やはりこうした整備を行っているのでしょうか?
もしもそうであれば、恐ろしく手間暇の掛かることであり、
整備をされている方達の努力に頭の下がる思いです。

    

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    プロフィール

    稲見部長稲見眞一
    <自己紹介>
    昭和52年4月、中京テレビ放送入社。「ズームイン!!朝!」を始めとした情報番組や「ドラマ」「ドキュメンタリー」等のディレクター・プロデューサーを務めた。鉄研最終回(2010年1月29日放送)では自ら自慢の鉄道写真「俺の一枚」を持って出演。 鉄道歴は小学校5年からスタートしはや半世紀。昭和55年には当時の国鉄・私鉄(ケーブルカーを除く)を完全乗破。平成18年にはケーブルカーも完全乗破。その後も新線が開業するたびに乗りつぶしている筋金入りの“乗り鉄”。好きな鉄道は路面電車。電車に揺られながら窓外に流れる街並みを眺めているのが至福のとき。さてスジを寝かせてゆったり乗り鉄と行きましょう!