2011年06月27日 17時45分

春日井市の静態保存機「D51792」(4)フランジ塗油器。

写真の真ん中にある小さな車輪の様な部品は「フランジ塗油器」と
いうそうです。

作業をされている方に、「この動輪にくっついている“輪っか”は
何ですか?」と聞いたら教えてもらえました。
※一番下にある黒い輪の一部分は、第一動輪の最上部で所謂フランジの
部分です。
※そもそも私がこの装置に興味を持ったのは、動輪に付随しているように見え、
「速度を計測」もしくは「空転の検知」でもするのかと思えたからです。

で、「フランジ塗油器」とは何かということですが、蒸気機関車の車輪は、
一度取り付けたら、廃車になるまでそのままだそうで、
それだけに大事に大事に使う必要があるそうです。
その動輪にとって、一番負荷の掛かる時というか“傷みやすい”のは
動き出しや停止時もさることながら『カーブ』の通過があるそうです。
そこで登場するのがこの装置で、カーブに差し掛かると動輪のフランジ部に、
潤滑油を流し、動輪のフランジ部分がレールとの摩擦で磨り減ることを
減らすのだそうです。
とここまで聞いたところで、『この塗油器からは「流す」ではなく、
「滲みでる」と言った方が正しいですね』と解説されました。

既にご存じの方にとっては今更でしょうが、
私にとっては『お初』ということで今回もお許し下さい。

単に「保存車両」を見ただけでは、こうした一つ一つの部品まで
私が目を向けることは少ないのでしょうが、
『春日井市D51792蒸気機関車保存会』の方達が
丁寧に丁寧に細部にわたって作業されていたおかげで、こちらも細部まで
興味を持つことが出来、“新発見”が続出でした。

2011年06月27日 8時01分

春日井市の静態保存機「D51792」(3)部品の刻印。

私は蒸気機関車の構造等が詳しくありません。
もっとも蒸気機関車だけではなく、全ての車両についても同様です。
こう書くとまるで開き直っているみたいですが、そう指摘されれば
「その通りです」と素直に認めてしまいます。
その変わり、最近は、新しい知識に出会えると嬉しくなってしまい、
ここに“周知”のことかもと思いながら書いてしまっています。

今回は、機関車の様々なパーツに刻印された「D51792」を
見付けました。
上段写真はシリンダー部分にあり、
下段写真は第一動輪の上にあるクロスロッドのところであったもので、
“L”の文字があるのは、運転室から見て左側のパーツへの
刻印であるというのがその理由のようです。

因みに、上段写真は、ここで静態保存していることから
文字が見えるそうですが、現役時代は、黒色に塗られており、
ここまではっきりとは見えなかったはずとのことでした。

「D51792」は昭和17年10月31日、三菱重工業で製造され、
昭和48年2月3日に廃車となり、岐阜県の『中津川』が最後の配属先の
機関区でした。

この刻印の存在を私は初めて知ったのですが、
この刻印も「D51192」と共にその歴史を刻んできたかと思うと
感慨深いものがありました。



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プロフィール

稲見部長稲見眞一
<自己紹介>
昭和52年4月、中京テレビ放送入社。「ズームイン!!朝!」を始めとした情報番組や「ドラマ」「ドキュメンタリー」等のディレクター・プロデューサーを務めた。鉄研最終回(2010年1月29日放送)では自ら自慢の鉄道写真「俺の一枚」を持って出演。 鉄道歴は小学校5年からスタートしはや半世紀。昭和55年には当時の国鉄・私鉄(ケーブルカーを除く)を完全乗破。平成18年にはケーブルカーも完全乗破。その後も新線が開業するたびに乗りつぶしている筋金入りの“乗り鉄”。好きな鉄道は路面電車。電車に揺られながら窓外に流れる街並みを眺めているのが至福のとき。さてスジを寝かせてゆったり乗り鉄と行きましょう!