2011年06月29日 8時03分

春日井市の静態保存機「D51792」(7)元機関士さんの話しを聞く楽しみ。

『春日井市D51792蒸気機関車保存会』の活動の楽しみの一つは、
整備作業さることながらそれが終わってから、実際に蒸気機関車を
運転されていた機関士さんから当時の話しを聞いたり、当日の参加者で
“鉄道”の話しをすることだそうです。

この日は、たまたまかもしれませんが、
元機関士の「川端新二さん」(82歳)の話しを、「D51792」を前に
私たちも含めて聞きました。
その話しの一端を今回、紹介させていただきます。

最初に、この「D51792」の国鉄の購入価格が当時、
『10万7400円』であることの説明があり、
そこから「機関士」の“仕事”についての貴重(希少?)な体験談が
始まりました。
※(参考)樽見鉄道のハイモ330の購入価格が1億2900万円です。

●蒸気機関車の機関士と言う仕事は、一言で言えば『過酷』。
 そして残酷で厳しい仕事。
●「煙」を吸い、「石炭粉」を吸い、「鉄粉(ブレーキをかける時に出る)」を
吸う。決して体に良いとは思えない。
●運転室内の夏の暑さは地獄。冬でも『温かくて快適』はありえない。
●機関車の掃除係りから始まり、釜焚き(機関助士)になり、
そしてやっと機関士になり運転できる。
●それでも、蒸気機関車の機関士は面白く“やりがい”のある仕事だった。
●蒸気機関車の後、電気機関車の運転をしていたが、その差は大きい。
●特に今時の電車は、直ぐに運転できるようになる。
●蒸気機関車の撮影をする人は何も知らないが、
その運転は簡単なことではない。

などなど、現場で働いた方だからこその話しが聞け、私にとって
楽しいひと時でした。
そして『仕事』に必要なのは、“情熱”“誇り”“努力”と言った、
考えてみれば当たり前のことに、どれだけ心を砕いて取り組めるかと
いうことだと改めて感じました。

春日井市の静態保存機「D51792」(完)。

    

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    プロフィール

    稲見部長稲見眞一
    <自己紹介>
    昭和52年4月、中京テレビ放送入社。「ズームイン!!朝!」を始めとした情報番組や「ドラマ」「ドキュメンタリー」等のディレクター・プロデューサーを務めた。鉄研最終回(2010年1月29日放送)では自ら自慢の鉄道写真「俺の一枚」を持って出演。 鉄道歴は小学校5年からスタートしはや半世紀。昭和55年には当時の国鉄・私鉄(ケーブルカーを除く)を完全乗破。平成18年にはケーブルカーも完全乗破。その後も新線が開業するたびに乗りつぶしている筋金入りの“乗り鉄”。好きな鉄道は路面電車。電車に揺られながら窓外に流れる街並みを眺めているのが至福のとき。さてスジを寝かせてゆったり乗り鉄と行きましょう!