2011年08月03日 17時53分

火室では、石炭が燃やされています。
よってその周りはとても熱い!です。ということを“乗務”するまで
私は『忘れて』いました。
「焚き口」から『火』が見えていると思いますが、
つまり「焚き口戸」一枚を挟んで、『私』は『火』と向かい合っているのです。
『何でそんな当たり前のことを今更』ということになる訳ですが、
蒸気機関車の機関士(機関助士)をされていた方から
「夏の運転室は地獄」という言葉を何度も聞いていたものの、
それはそれで何となく分かっていたつもりではあったのですが、
今回、それを初めて“体感”し、また傍で見るより“想像以上”であることを
理解しました。
そこから察するに、運転室は冬場でも当然熱いはずで、
外気温との差が大きい冬場の大変さも推し量ることができました。
参考までに今回の指導機関士さんから聞いた話しですが、
冬の北海道は、岩見沢辺りでも以前は、氷点下20度になることが
それほど珍しいことではなく、右半身への暖かさに油断していると、
運転室から身を乗り出しての運転があった場合、左半身、特に顔が
“凍傷”にならないように気を配っていたそうです。
以前、釧網本線「SL冬の湿原号」の火室を停車中に
撮影させてもらったことがあり、その時に、一瞬乗っただけで少しは
分かったつもりでいた自分自身の浅薄さに呆れるばかりです
やはり“乗務”しなければ実感できないことは数限りないことを
改めて知りました。
また今シリーズ(2)で書いたことの補足ですが、冬場に火を起こす作業は、
機関車自体が冷えきっている為、相当な手間と時間がかかったそうです。
蒸気機関車の運転の大変さを一つずつ体で覚え、
そして知識を増やせる楽しい時間を持たせてくれた家族や職場の皆さんには
「火室」の話しの回で恐縮ですが、感謝した次第です。