2011年08月11日 18時59分

りくべつ鉄道で運転体験(3)運転区間は結構長い!まずは「北見」方面。

ここの運転体験で走らせられる距離は片道500メートル。
この距離は私が知る限り、国内の同様の“運転体験”では最長と思われます。
もっともこの距離が無ければ私は、ここ北海道の陸別までくることは
無かったかもしれません。

その走る線路ですが、当初の停車位置から「北見」方面へ向かう方から
説明します。
先回の上段写真の真ん中に写っている実際に運転した
「CR75-101」の右奥に、小さく写っている車両が今回の上段写真の
「CR70-8」で、つまり「CR70-8」の左横をまずは通過します。
そして下段写真の最奥に線路を塞ぐフェンスが小さく見えますが、
そこが終点です。

今回、「運転体験」の車内から殆ど写真を撮影しておらず、
この写真は、「運転体験」が始まる前に、許可を得て構内に入り
撮影したものです。
それは何故(なにゆえ)???

理由は簡単。「運転体験」参加者は私一人なので、とにかく休む間もなく運転し続けると聞いていたのと、かつ車内にいる私以外の人は
『指導運転士』の方のみなので、「運転体験」の順番待ちの間に
車内で写真を撮影するなど望むべくも無かろうという予感がしたからです。
結果としてその予感はズバリ的中で、こうした経験は、ここでしか味わえないのでしょうが、ある種“凄い経験”をしたと思っています。

(参考)
「運転体験」は、約10分間の学科講習から始まります。
まずは『指導運転士』さんと車内のクロスシートの席に向かい合い、
マンツーマンで「ふるさと銀河線りくべつ鉄道」の概略と歴史を学びました。
そして「CR70/75型」の車両について、
そのエンジン(DMF13HS)の解説、
エンジン出力(250PS/2000rpm)の数字の意味、
はたまた『ふるさと銀河線』で活躍した車両たちの“今”
(「陸別」で6両を保存)などについて学び、
いよいよ“運転”と相成りました。
つまり、私の場合だけではないと思いますが、“運転”についての
『学科』はなく、それは実習で“学び”ました。

2011年08月11日 8時06分

りくべつ鉄道で運転体験(2)「CR70/CR75型体験運転」(Lコース)。

今回、「ふるさと銀河線」りくべつ鉄道で申し込んだのは
『気動車運転体験Lコース』(13:00~14:20)。
完全予約制で、約80分間、CR70・75型気動車を独り占めできる料金は
2万円でした。
※参考までに約15分間の『気動車運転体験Sコース』
(料金2千円)というのもあります。
※『Lコース』では、例えば2人で参加し、費用を半分ずつ負担している方も
結構いるようでした。ただ、グロスの時間は変わらないので、
一人が運転する時間は半分になります。

で、今回運転したのは、上段写真の「CR75-101」。
平成2年に新潟鐵工所(現・新潟トランシス)で製造された、
「北海道ちほく高原鉄道」最後の1両です。(最新鋭車両とも言えます)
とは言うものの車齢は既に20年を越えています。
もっとも新潟トランシス製の軽快気動車のデザインは、
樽見鉄道の最新鋭車「ハイモ330-701」も含めて大きく外観が
変わったということはないので、古さを感じることはありません。

運転台(下段写真)は、ご覧のようになっており、
これまで私が運転してきた気動車とほぼ同様の構造で、パッと見、
少々安心したと言うのが本音です。

ところで今回のタイトルで、「運転体験」と「体験運転」の2つの言葉を
使っていますが、「りくべつ鉄道」HPでは『運転体験』となっていますが、
参加者用のテキストが「体験運転」となっており、とりあえずそのバランスを
とるために意味合いを考えて混用しています。ご了承下さい。
なお、今後は原則「運転体験」で統一します。

2011年08月10日 18時50分

りくべつ鉄道で運転体験(1)陸別駅に到着。

平成23年7月11日(月)、旧国鉄池北線~JR北海道/池北線
~北海道ちほく高原鉄道/ふるさと銀河線「陸別」駅にやってきました。
現在は、観光鉄道「ふるさと銀河線りくべつ鉄道」の“駅”及び
道の駅「オーロラタウン93りくべつ」となっています。

駅前と言うより、少し離れた所には、下段写真のような蒸気機関車
「79667」の動輪が展示されています。
もっとも、9600形が池北線で働いていたかどうかは私では
分かりかねますが、多分、『雰囲気』ではなく、ここ「陸別」に
縁があったからこそと思っています。
※「79667」は“北見機関区”の所属でした。

ところでここ「りくべつ鉄道」を訪れた理由は、「陸別駅」構内で
定期的に行われている「気動車運転体験」に参加のためで、
前夜宿泊した北見市からここまでは『レンタカー』でやってきました。
本来なら「北見」~「陸別」を結ぶ『北海道北見バス』の
「ふるさと銀河線」代替バスを利用するところなのですが、
途中の自由度を鑑みて断念した次第です。
ところが…。

レンタカーのカーナビを「オーロラタウン93りくべつ」にセットし、
北見市を出発したのですが、途中から狭い砂利道(未舗装と言うレベルを
超えている…)に入り込み、行き違う車も殆ど無く、
路線バスでも1時間半ほどで着くはずなのに・・・、
その心細さは計り知れないものでした。
※気分は、自動車レースの山岳ダートコース。時速30キロ前後で慎重に
運転しました。

因みに、北見への戻りは、地元の方に道を教えていただいたのですが、
何故かカーナビのルートもその道で案内され、1時間10分ほどで
到着しました。トホホ。

2011年08月10日 8時01分

石北本線「特急オホーツク」(4)石北本線の未来は?

特急「オホーツク7号」の「北見駅」到着が夜の10時過ぎだったので、
一夜明けてから駅舎の写真を撮影しました。

北見市の現在の人口は現在約12万5千人で、このエリアで最大の
中核都市となっています。(網走市は約4万人)
但し、人口は減っており、先行きに明るい材料も見当たらないとも
言われており、その中で万が一にもあってほしくない「石北本線」廃止は、
正に地域の死活問題となるのは理解できます。
勿論、延長が続く高速道路・自動車専用道路と言った代替手段があるからこそ
JRの利用者の減少となるのですが、その辺りが地方交通の限界とも
思われます。

根室本線・宗谷本線のような高速化は、地元負担の費用がかかることもあって
石北本線では取り沙汰されず、せめて老朽化してきている
183系の置き換えで、261系か283系でも入れば
「少しは所要時間が短くなるであろう」と静観しているのではと
勘繰りたくなります。(車両の置き換えなら地元負担が無いはず)

以前、池北線/北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線(池田~北見)を
高速化し、石勝線~根室本線(池田)経由で札幌と北見・網走を
結ぼうと言う動き(提案)が池北線沿線の住民を中心にありました。
それは、沿線住民のみならず大学等でも実際に研究(検討)もされ、
費用試算もされました。
結局、頓挫して久しいのですが、石北本線の高速化に比べ、
距離は長くなるものの、池北線高速化はトンネルが無い、線形が比較的良い、
“大きい”峠越えが無いなどの理由から、工事費用面では有利で、
その結果として、札幌~北見間の所要時間は『283系』列車想定で
約4時間とされていました。

北見・網走に「鉄道」を残すことが出来るかどうかの正念場は
それほど遠い未来では無く、現実にやってきそうな気もしますが、
《ここからが私の意見です》それにしても『公共交通』を
『独立採算』で縛る考え方をそろそろ根本的に変えないと、
地方の鉄道・バス路線は残っていかないのではないでしょうか。

採算の取れない路線を抱える日本の鉄道事業者の2大巨頭はJR東日本と
JR東海というドル箱路線を抱える会社です。
JR北海道には『ドル箱』が無いだけに先行きが心配です。

●今回の内容は、単なる私の(個人的な)杞憂であることを願っています。

2011年08月09日 19時09分

石北本線「特急オホーツク」(3)「遠軽」に到着。

特急「オホーツク7号」は、「白滝」~「丸瀬布」間で急停車。
乗客の皆さんは「またか」という感じでしたが 車内放送で『シカ』と
衝突しそうになったことを知りました。
(話しではそういう事態がしばしばあるとは聞いていましたが、
まさか自分が体験するとは思っていませんでした)
ということで写真の「遠軽」駅には3分遅れの21:13に到着。

ここ遠軽で、石北本線はこれまでとは進行方向が変わります。
また、多くの下車客を見かけました。
では、この日の乗客のざっくりした動向をまとめます。
※あくまでのこの日のこの列車に限っての話しです。

●岩見沢⇒旭川
*“スーパー”系の特急に比べ時間がかかるためか、乗客はそれほど多くない。
「オホーツク7号」しか停まらない駅でも乗降客はパラパラ。
●旭川⇒遠軽
*旭川からの乗客は私が思っていたより多く、やっと特急列車らしくなった。
*途中駅での降車は数えるほど。写真のように「遠軽」で相当数が下車。
(北見駅を除けば、一番下車客が多かったと思う)
●遠軽⇒北見
*留辺蘂でも、そこそこの乗客が下車。
北見では私も含め残りの乗客の大半が下車し、そこから先は空気を
運んでいるような感じ。

こうして見ると、実質、旭川~遠軽・北見間の特急とも言えそうですが、
参考までに札幌(新千歳・丘珠)~女満別間(北見市・網走市の最寄空港)の
飛行機は合わせて1日最大10往復(2011年8月ダイヤ)あって、
時間を金で買う人はこの選択になっていると思われますし、
実態もそのようだと聞きました

どうしてこんなことを書くのかと言うと、地元・北海道のメディア等に
掲載されていたわけではないのですが、『このまま放っておくと、
利用者減から「石北本線」が廃止されるのではないか』という危機感を
一部地元の方が持ち始めているという話しを聞いたからです。

2011年08月09日 8時00分

石北本線「特急オホーツク」(2)車内販売のお弁当。

「オホーツク」の車内の人となったあと、
気を取り直して夕食タイムとしました。

車内販売で買ったのが写真のお弁当で「夏のお祭り弁当」(880円)です。
車内販売限定かつ期間限定と言うことで、“限定”というフレーズに弱い
私には、これしか選択肢があり得ませんでした。(積極的に選んだ?)

●「夏のお祭り弁当」とは『夏の風物詩、お祭りをテーマに
北海道の食材を中心に…』との説明書きが同封されていましたが、
ほぼそれを額面通りに受け取っても良さそうな内容でした。
写真の真ん中のブロックは「北海ばら寿し」とのことで、
北海道米の酢めしの上にカニ・ホッキ貝・イクラ・アスパラなどが
トッピングされています。
ここからは写真の大きさと言うより、それぞれの食材が小さい(少ない)ので、
極めて分かりにくいかと思いますが、知床鶏・トキ鮭・帆立等々を
使った北海道の食材が一杯です。

さて、この弁当でお腹は満足したのでしょうか?否!
味はともかく量は少なめのため、
実は、最悪の事態(思うような弁当が購入できない)を想定し、
岩見沢駅の1Fのパン屋さんで予め買っておいたパンを1つ食べました。
(小食の方ならこのお弁当だけでOKかも?)

まあ、「旅気分」を味わうにはこれで十分と言うことで・・・。

2011年08月08日 18時02分

石北本線「特急オホーツク」(1)岩見沢から乗車。

7月10日(日)、「SL機関士体験」を終えた私は、
岩見沢駅から17:58発特急「オホーツク7号」で
北見駅(定時の到着時刻19:45)を目指しました。
JR北海道の特急型気動車ではもはや少数派と言いたい
振り子式でもなく車体傾斜制御装置もない183系です。

「岩見沢」から次の目的地「北見」に向かうという条件と、
私が乗車できる時間帯から選択肢が他になく、
やむを得ずこれに乗車したと言うのが実情です。

(参考)
●札幌⇒北見の所要時間
*特急「オホーツク…4時間35分~38分(片道8800円)
*高速バス…4時間30分(片道5190円)
●札幌⇒網走の所要時間
*特急オホーツク…5時間25分~28分(片道9640円)
*高速バス…5時間50分(片道6210円)

これをご覧いただければ分かると思いますが、鉄道の競争力ははっきり言って
バスに比べ「定時運行」(時間読みが出来る)だけと言っても
過言ではありません。

また今回の移動に当たり、三笠・岩見沢周辺で、高速道路を走る
「北見・網走」方面行き高速バスのバス停が無いかを、
結構本気で調べたことを敢えて書かせていただきます。
「鉄道」を愛するものとして、これほど悲しいことはありません・・・。

2011年08月08日 8時02分

三笠でSL機関士体験(14)さようなら「S-304号」。

こうして平成23年7月10日(日)の「S-304号」の1日は終わり、
機関庫のシャッターが徐々に閉まっていきました。
私の心の中では何故か「蛍の光」のメロディーが流れ、
少し哀愁を帯びた気分に浸っていました。
とまあ、そうは書いていますが、「本当にそうでしたか?」と突っ込まれると
「御免なさい」しますが、雰囲気はご理解頂けると信じています。

最後の最後に、ここを訪れる際の注意点を。
公共の交通機関の利用者は、「バス」の時間に自分の行動を合わせる
必要があり、事前の準備をキッチリしておく必要があります。
そうしたことも含め名古屋発の場合、レンタカーの利用が合理的とも
思えました。
また、「機関士体験」をする場合、「三笠鉄道記念館」の見学時間を鑑みると
“1日仕事”と思っていたほうが無難です。
以上は私の感覚で恐縮ですが、今回、「クロフォード公園」を楽しむ時間は
残念ながらありませんでした。
また「三笠トロッコ鉄道」も全く見ていません。
もっともこちらは一人で体験するには“チト恥ずかしい”ということも
ありますが…。

それはそれとして、前にも書きましたが、これほど充実した
『鉄道施設』は全国でもそう多くは無いと思いました。

2011年08月07日 18時20分

三笠でSL機関士体験(13)機関車の整備。

車庫前に戻ってきた機関車の整備です。

まずは火室から線路上に、その日の石炭や薪の燃えカスを
下に落としていきます。
作業は丁寧に、何度も火室内を確認しながら進められていき、
機関車がこの場を離れ、機関庫に収まった後には写真の“灰の山”が
残されていました。

この日、私は最初の「火室」の火起こしこそ見ませんでしたが、
それ以外はこれをもってほぼ全部の作業を見たことになります。

観光用の鉄道ゆえにこうした光景を気軽に見ることができたのですが、
皆さんも、ここ「三笠鉄道村」で『機関士体験』をされる際は、
一連の作業を見学されることをお勧めします。
それにより「S-304号」への愛着が高まり、またSL運転が、
単に運転時だけのものではなく、事前・事後に様々な作業があることを
知ることで“鉄道”の知識を楽しく習得することにも繋がっていきます。

(最後の余談)
三笠鉄道村・三笠鉄道記念館のある旧幌内線「幌内」駅ですが、
昭和47年に旅客扱いが無くなり、その後は貨物列車が運転されていました。
それも昭和62年に廃止となり、その最後の最後には「幌内駅」まで
臨時快速列車が運転され、往時の賑わいが再現されました。
そして「幌内駅」は同じ昭和62年に三笠鉄道村・三笠鉄道記念館として
整備されたのですが、ここの保存車両の殆どは、
線路がまだ繋がっている時に、“幌内線”を使って運び込まれたそうです。

2011年08月07日 9時08分

三笠でSL機関士体験(12)「S-304」機関庫に戻る。

この日の三笠鉄道村「機関士体験」の参加者の内、
三笠市営バスでここを訪れたのはどうやら私だけでした。

何せ路線バスで岩見沢に戻るには、1時間に1本程度の三笠市営バスと
その後も本数の少ない北海道中央バスへの乗り継ぎが必要で、
疲れ果てた中年(老年???)オヤジを見かねた指導運転士さんが
「列車の時間次第だが、岩見沢まで送ろうか?」と声をかけてくれました。
この日、私は「岩見沢」発17:58の特急「オホーツク7号」で
「北見」まで行く予定だったのでその旨を伝え、
お言葉に甘えることにしました。

もっともその代わり、16:00発の「SL列車」の運転終了後、
機関車の整備をし、機関庫にいれるまで待っているように言われたのですが、
これはかえって願ったり叶ったりで、その作業の一部始終を
見学することにしました。

ということで遅まきながら写真の話しですが、“本線”からバックで
側線に転線し、これからポイントを切り替えて機関庫に戻るところです。
機関車の前でポイントを切り替えている姿が見えています。



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プロフィール

稲見部長稲見眞一
<自己紹介>
昭和52年4月、中京テレビ放送入社。「ズームイン!!朝!」を始めとした情報番組や「ドラマ」「ドキュメンタリー」等のディレクター・プロデューサーを務めた。鉄研最終回(2010年1月29日放送)では自ら自慢の鉄道写真「俺の一枚」を持って出演。 鉄道歴は小学校5年からスタートしはや半世紀。昭和55年には当時の国鉄・私鉄(ケーブルカーを除く)を完全乗破。平成18年にはケーブルカーも完全乗破。その後も新線が開業するたびに乗りつぶしている筋金入りの“乗り鉄”。好きな鉄道は路面電車。電車に揺られながら窓外に流れる街並みを眺めているのが至福のとき。さてスジを寝かせてゆったり乗り鉄と行きましょう!