2011年09月20日 18時35分

国鉄士幌線の思い出(3)「十勝三股」駅のスタンプ。

昭和52年2月23日の「十勝三股」駅のスタンプです。
国鉄の増収キャンペーンだった『DISCOVER JAPAN』の文字が
懐かしくもありますが、当時、キャンペーン開始から相当の時間が
経っていたこともあり、スタンプそのものが使いすぎから潰れて
しまっていたり、スタンプ台のインクが減ったりで、折角押しても
不鮮明なスタンプも少なくありませんでした。
そういった意味からここ「十勝三股」のスタンプは押す人の絶対数が
少なかったこともあるのでしょうが、綺麗に押すことが出来た駅の
部類に入ります。
(日付もハッキリ読み取れます)

また近隣の観光地として大雪山国立公園ニペソツ山の山容のイラストが
目を引きますが、「ニペソツ山」で検索すると相当な数の検索結果が
表示されるので、登山の対象となる山としては有名なようです。
ただこの「十勝三股」がその下車駅として利用されたかどうかまでは
私には調べきれていません。

ところで皆さんは急行「大平原」号をご存知でしょうか?
知っている人は今では少数派と思いますが、私の手元にある昭和42年の
交通公社時刻表(8月号)では掲載されています。
この列車は広尾線「広尾」と士幌線「糠平」を結ぶ夏季の臨時で、
支線と支線を結ぶ急行として、またその名前の“雄大さ”から話題を
呼んでいたと記憶しています。
因みに下り広尾発16:05、糠平着19:06
上り糠平発7:35、広尾着10:16で
時刻表ではいわゆる広尾線・士幌線のページにはその記載はなく、
「夏の季節列車」のページにあり、実は私はこの列車を時刻表で捜すのに
手間取りました。
(Wikipediaによれば昭和42年~昭和50年間まで運行、
昭和50年は広尾線内のみ)
もう一点、この列車は日高本線~国鉄バスと連絡となっており、
時刻表では、札幌~糠平間の通しで掲載されていました。

当時、その名前に惹かれ、一度は乗ってみたいと思いつつその願いは
結局叶いませんでした。士幌線の話しを書きつつ思い出したので…失礼。

2011年09月20日 8時00分

旧士幌線「タウシュベツ橋梁」(3)旧士幌線は散歩道。

上士幌町鉄道資料館の奥には、旧士幌線の線路が残っています。

左の写真が旧「糠平駅」から「十勝三股」側で、右の写真が「帯広」側に
なります。
ここ「上士幌町鉄道資料館」を起点に、夏場(7月~8月の土・日・祝。
但し2011年度)には、「NPOひがし大雪アーチ橋友の会」により
『鉄道トロッコ試乗会』が行われており、この線路上を“足こぎトロッコ”で
走ることが出来ます。片道662メートルを一往復するもので、
所要時間は約20分とのこと。
風景も良いとのことで、子供向けのアトラクションなどとは思わず、
時間とタイミングが合えば体験してみたいと思いました。
(と言っても一人で乗るのは悲しいですが…)

また左側の写真の「十勝三股」側は、ここ「上士幌町鉄道資料館」を起点に
約8キロ先の「メトセップ」(地名と思われます)までの『北海道自然歩道
大雪の道』となっており、昭和30年(1955年)に作られた
3つのアーチ橋の上を歩くことも出来ます。“健康+鉄”が楽しめる場所は
他にはあまり無いでしょう…、等と書きながら私は歩いていません。
悪しからずご了承ください。
また、「上士幌町鉄道資料館」では“熊避け”の鈴も売っています。
これは“お土産”にもなりますが、どうやら北海道では『洒落』では
ないようです。

2011年09月20日 0時00分

旧士幌線「タウシュベツ橋梁」(2)上士幌町鉄道資料館の展示物。

この「上士幌町鉄道資料館」、規模は小さいものの、士幌線の歴史が
よく分かるように工夫された展示になっています。

上段写真では「上士幌駅」の駅名標が輝いていますが、
画面中央にある駅の出札口でみかけた硬券乗車券を入れていた乗車券箱に
心惹かれました。
鉄道ピクトリアルの2011年10月号「特集:去り行く風景」にも
その姿がありましたが、実はこうした“道具”が現役時代の写真を
私は持っていません。
まだまだ現役で使っている鉄道会社も多くありますが、
こうしてここで改めて見て、やはり既に『郷愁』の世界の出来事に
なっていると実感しました。

下段写真は、士幌線が現役時代の「駅」の写真で、
『懐かしい光景』というより、何か不思議な遠い世界のように見えました。

この他、「第三音更川橋梁」(国登録有形文化財)の建設中の写真が
展示されているなど、興味深い内容が多く、当初はささっと10分くらいで
回るつもりが結局30分近くかけてじっくり見てしまいました。

ところで帯広からここ上士幌町糠平まで、公共の交通機関(路線バス)で
来るには、旧士幌線並みの本数ではありますが、バスの所要時間は
1時間40分強で、旧士幌線の所要時間と大差が無いのが少々悲しいです。
※昭和52年2月当時の帯広~糠平間の最速列車の所要時間は1時間19分。
時間のかかる列車はバス並みもあったと当時の時刻表から推測されます。
※帯広~旭川間の都市間バスなら同区間は1時間10分ほどで到着しますが
帯広からのバスで下車することは来ません。参考までに。

私は今回、レンタカーで回りましたが、時間効率と立ち寄り場所を考えれば
止むを得ない選択でした。



ADVERTISEMENT

電子書籍「稲見駅長の鉄道だよ人生は!!」
稲見駅長の鉄道だよ人生は!! ―各駅停写の旅―

カレンダー

2011年9月
« 8月   10月 »
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

プロフィール

稲見部長稲見眞一
<自己紹介>
昭和52年4月、中京テレビ放送入社。「ズームイン!!朝!」を始めとした情報番組や「ドラマ」「ドキュメンタリー」等のディレクター・プロデューサーを務めた。鉄研最終回(2010年1月29日放送)では自ら自慢の鉄道写真「俺の一枚」を持って出演。 鉄道歴は小学校5年からスタートしはや半世紀。昭和55年には当時の国鉄・私鉄(ケーブルカーを除く)を完全乗破。平成18年にはケーブルカーも完全乗破。その後も新線が開業するたびに乗りつぶしている筋金入りの“乗り鉄”。好きな鉄道は路面電車。電車に揺られながら窓外に流れる街並みを眺めているのが至福のとき。さてスジを寝かせてゆったり乗り鉄と行きましょう!