2011年09月25日 18時01分

旧士幌線「タウシュベツ橋梁」(8)朽ち果てていく「タウシュベツ橋梁」。

遠目では気付かないものの「タウシュベツ橋梁」は傷んでいます。

何故こうなっていくのでしょう?
勿論、長い間、手入れもされずにいることもありますが主には
この橋が水没することに原因があると聞きました。つまり水に浸されることが
無ければ、ここまで短期間(と言っても50年以上経っていますが)で
朽ち果てることは無いそうです。
コンクリート建造物の残念な特性だそうです。

このダムが「発電用」であることは前にも書いたとおりですが、
ここの水を使って『発電』するピークは冬なのでそうで、
そのため、5月くらいから水を溜め始め、冬を迎える頃には満水となり、
その後、徐々に発電のためにその水量が減って行き、翌年の4月頃には
ダム湖はスッカラカンになるそうです。

ということで、毎年5月に入ると徐々に橋が姿を消し始め、
8月中・下旬には全部水没!の可能性あり。
そして明けて1月からその姿を現し始め、4月には橋桁の一番下まで
見ることができるそうですが、橋として美しいのは当然の事ながら
「メガネ橋」を実感できる、ある程度「貯水」されている時期と
言うことになりそうです。
そんなこともあり、このシリーズ(4)で「タウシュベツ橋梁が水没」と
書いた理由が分かっていただけたでしょうか?

下段写真で「V」の字型にコンクリートが“壊れ”ているのが
確認できると思いますが、これは平成15年の「十勝沖地震」に
よるものだそうで、何せ発生したのが9月26日の既に
この「タウシュベツ橋梁」が水没した後だったため、地元では気を揉みつつ
「タウシュベツ橋梁」が湖面から顔を出すのを待っていたそうです。
そしてその姿を見た時、状況悪化が一気に進んでしまったことに
愕然としたそうです。

(注意)橋の上は危険なため立ち入り禁止です。



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プロフィール

稲見部長稲見眞一
<自己紹介>
昭和52年4月、中京テレビ放送入社。「ズームイン!!朝!」を始めとした情報番組や「ドラマ」「ドキュメンタリー」等のディレクター・プロデューサーを務めた。鉄研最終回(2010年1月29日放送)では自ら自慢の鉄道写真「俺の一枚」を持って出演。 鉄道歴は小学校5年からスタートしはや半世紀。昭和55年には当時の国鉄・私鉄(ケーブルカーを除く)を完全乗破。平成18年にはケーブルカーも完全乗破。その後も新線が開業するたびに乗りつぶしている筋金入りの“乗り鉄”。好きな鉄道は路面電車。電車に揺られながら窓外に流れる街並みを眺めているのが至福のとき。さてスジを寝かせてゆったり乗り鉄と行きましょう!