2011年09月29日 18時15分

旧士幌線「タウシュベツ橋梁」(12)旧「幌加」駅にて。

『旧国鉄士幌線アーチ橋見学ツアー』の“橋”以外のお楽しみが
旧「幌加」駅の探訪です。

既に書いている通りですが「糠平」と終点「十勝三股」の間にある駅で、
かっては木材の搬出で賑わったそうです。
(確か、士幌線は木材運搬の目的もあったはず)
写真の通り、線路跡にはホームと線路が残され、ホーム上には
“真新しい”駅名標もあります。

昭和14年の開業から昭和53年のバス代行化までのおよそ40年の年月が
長いか短いかはともかく、今、この場所には駅舎もなければ、
当時はあったであろう民家を見かけることもありません。

それより、列車が通らなくなって30有余年にも関わらず、
相変わらずホームと線路が残っていること自体が奇跡とも思えます。
もっとも、もしもこのツアーがここに立ち寄ることになっていなければ多分、
というより間違いなく私がここに来ることはありませんでした。

ただ来て感じたのは、最近「廃線」となった鉄道の本が多数出版されるにつけ、
その『跡』を辿る人が増えている事実に納得している自分がいることです。
人の営みの変遷を知る“歴史ロマン”の匂いを感じたのですが、
もっとも一方でそれは「夢」のような甘いものではなく、
厳しい現実の結果であるのでしょうが・・・。

(余談)
この駅の周辺では訪問した7月13日、この写真には写っていませんが
「ルピナス」という花の群生を見ました。
「淡い紫色」が可憐で良いのですが、もともと園芸用に日本に入ってきた
外来種とのこと。十勝地方の固有種が侵食されなければ良いがと
心配になりました。



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プロフィール

稲見部長稲見眞一
<自己紹介>
昭和52年4月、中京テレビ放送入社。「ズームイン!!朝!」を始めとした情報番組や「ドラマ」「ドキュメンタリー」等のディレクター・プロデューサーを務めた。鉄研最終回(2010年1月29日放送)では自ら自慢の鉄道写真「俺の一枚」を持って出演。 鉄道歴は小学校5年からスタートしはや半世紀。昭和55年には当時の国鉄・私鉄(ケーブルカーを除く)を完全乗破。平成18年にはケーブルカーも完全乗破。その後も新線が開業するたびに乗りつぶしている筋金入りの“乗り鉄”。好きな鉄道は路面電車。電車に揺られながら窓外に流れる街並みを眺めているのが至福のとき。さてスジを寝かせてゆったり乗り鉄と行きましょう!