2012年01月26日 18時37分

伊豆箱根鉄道・駒ケ岳鋼索線(2)。

平成14年5月18日の駒ケ岳ケーブルカー「駒ケ岳山頂」駅は、写真の通り“真っ白”でした。
と言った愚痴はさておき、私のここからの次の動きですが、ケーブルカーの駅から、多分、本来ならほぼ目の前に見えたはずの駒ケ岳ロープウェイの駅「駒ケ岳山頂」からロープウェイで「箱根園」に向けて下山しました。
(「駒ケ岳山頂」発14:30)
霧ではなく視界があれば恐らく素晴らしい景色が眼前に広がり、山頂滞在時間が10分ということはきっと無かったでしょうから、それはそれで“怪我の功名”だったのかも知れません。
(単なる負け惜しみです。美しい風景と出会いたかった!)

「箱根園」は観光地らしい施設もあり、そこを通るバスも多く、ともかくそこからバスに乗り、「元箱根」で更にバスを乗り継ぎ、同じ伊豆箱根鉄道の十国鋼索線を目指しました。

さて駒ケ岳ケーブルカー「駒ケ岳山頂」駅の話しに戻りますが、今思えば大観光地にあって随分地味な建物でした。当時、既に廃止という選択肢がこのケーブルカーで検討されていたのでしょうか?
また廃止後のこの駅舎はどうなっているのでしょうか?

ところでこのケーブルカーが無くなった後も駒ケ岳ロープウェイは営業を続けており、その存在があるから片方のケーブルカーが廃止されたのかもしれません。
というか「箱根園」を起点に、そこから景勝地を往復するロープウェイには存在意義があっても、公共交通機関を“乗り繋ぐ”もしくは観光バスで巡っていくには楽しい乗りモノだったのではと推察されるこのケーブルカーは、自家用車で観光地を回るスタイルが定着する中で、『駅以外に何もない「駒ケ岳登り口」駅』の往復という選択肢しかなければ、廃止の憂き目にあったのも時代の必然だったのかも知れません。

箱根では道路網が整備されているだけに、立山黒部アルペンルートの様な“乗り物”ルートを確立するのは難しいでしょう。多くの人の話題にあまりのぼることもなく、あまりにも静かで、あまりにもあっけなかった幕引きは、ケーブルカーだったからかもしれません。

    

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    プロフィール

    稲見部長稲見眞一
    <自己紹介>
    昭和52年4月、中京テレビ放送入社。「ズームイン!!朝!」を始めとした情報番組や「ドラマ」「ドキュメンタリー」等のディレクター・プロデューサーを務めた。鉄研最終回(2010年1月29日放送)では自ら自慢の鉄道写真「俺の一枚」を持って出演。 鉄道歴は小学校5年からスタートしはや半世紀。昭和55年には当時の国鉄・私鉄(ケーブルカーを除く)を完全乗破。平成18年にはケーブルカーも完全乗破。その後も新線が開業するたびに乗りつぶしている筋金入りの“乗り鉄”。好きな鉄道は路面電車。電車に揺られながら窓外に流れる街並みを眺めているのが至福のとき。さてスジを寝かせてゆったり乗り鉄と行きましょう!