2012年01月01日 17時26分

平成24年辰年「謹賀新年」。一本のペットボトル。

あけましておめでとうございます。今年も拙文にお付き合い頂ければ幸いです。

さて、年も押し迫った12月26日(月)、整備新幹線3区間の着工方針が決定!北海道新幹線の新函館~札幌間(211キロ)や九州新幹線(諫早~長崎)、北陸新幹線(金沢~敦賀)が着工認可されました。

その開業時期は国土交通省のHPによれば、工事に時間のかかる北海道で平成47年度と、何と20年以上先のことであり、「気が遠くなる」ような歳月がこれからも必要です。

写真のペットボトルは、昨年の夏に渡道した際、見付けて購入したもので、「北海道新幹線 札幌延伸 札幌~東京間3時間57分」「拡がる地域間交流 新たなビジネス創出へ」「(札幌)~(仙台)2時間35分」「(札幌)~(函館)45分」のラベルが、北海道のこの新幹線にかける意気込みを表していました。

因みに製造された地は「北海道虻田郡真狩村」で、『北海道新幹線促進札幌圏期成会事務局』『札幌商工会議所総合企画部』の名前がラベルにあったので、新幹線建設促進に向け、一歩一歩訴求していく手段として製造・販売されたものと察しています。

平成47年というのは確かに先の先ですが、先の話しでも明日明後日程度の話しであればさておき、あまりに先の話しとなると現実感が希薄となり、「気が遠くなる」のもあながち誇大表現ではないと思っています。

でもその「気が遠くなる」歳月の先にあるのが自分たちの未来への単なる「夢」ではなく、現実を見据えた上での将来に託す「希望」とその「実現」であれば、20年先の話しであってもこの表現は不適切ではないでしょう。

さて話しは飛ぶようですが、地域交通の崩壊の危機は現実として私達の目の前にあります。3月には2線区での廃止もあります。
高齢化の進む中、富山の路面電車の“成功”の分析を始めとして、もっともっと“自家用車”以外の『移動手段』の在り方の議論が必要でしょう。
そしてそれは「整備新幹線」や「地域交通」といった個別の括り方ではなく、私達の生活のあり方としてトータルで考えても良い時代が到来していると思っています。「気が遠くなる」歳月の先にある「公共交通」の現実はどうなっているのでしょう?
昨今、「鉄道の廃止」だけがクローズアップされる切り取り方にも違和感を覚えます。

以上、年頭にあたり「整備新幹線」の将来構想を知り、感じたことを書いてみました。



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プロフィール

稲見部長稲見眞一
<自己紹介>
昭和52年4月、中京テレビ放送入社。「ズームイン!!朝!」を始めとした情報番組や「ドラマ」「ドキュメンタリー」等のディレクター・プロデューサーを務めた。鉄研最終回(2010年1月29日放送)では自ら自慢の鉄道写真「俺の一枚」を持って出演。 鉄道歴は小学校5年からスタートしはや半世紀。昭和55年には当時の国鉄・私鉄(ケーブルカーを除く)を完全乗破。平成18年にはケーブルカーも完全乗破。その後も新線が開業するたびに乗りつぶしている筋金入りの“乗り鉄”。好きな鉄道は路面電車。電車に揺られながら窓外に流れる街並みを眺めているのが至福のとき。さてスジを寝かせてゆったり乗り鉄と行きましょう!