2012年02月14日 18時51分

ケーブルカー番外編「ホテル祖谷温泉」(2)車両。

四国有数の大河「吉野川」の支流「祖谷川」の作りだす渓谷沿いにある『露天風呂』を目指し、ゆっくり5分ほどかけて下っていくケーブルカーは、左側の写真の様なシルバーの車体(当時)。
またこのケーブルカーの傾斜角は見ただけでも『凄い!』を通り過ぎて『恐るべし!』と言いたくなりますが、何と何との42度(高低差約170メートル)もあり、車内(右側写真)は他のケーブルカーでは見かけたことが無いほどの急角度です。車内を一番下から見渡すと、これは「見渡す」というレベルではなく、「見上げる」という表現の方が相応しいと思ったほどです。

公共交通としてのケーブルカーの急勾配日本一は「高尾登山電鉄(高尾山ケーブル)」の31度18分ですが、それをはるかに凌いでいます。ここの傾斜角42度のケーブルカーが公共交通ではないのは少々残念に思えるほどですが、あくまでも『露天風呂』への足であり、今後も公共交通になることは無いでしょう。

ところで今回、「ホテル祖谷温泉」のHPを確認したのですが、ケーブルカーの車体が変わっていました。車体を新たに製造したのか?これまでの車体を改装したのか?そこのところの情報は私には無いので全く分かりませんが、車体の色は明るい黄色(と思われる)になり、一新された客席窓も車内からの眺望が良くなっているのではと感じさせます。

何れにしてもこのケーブルカーは、ホテルの一施設というにはあまりにも勿体無い存在です。

    

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    プロフィール

    稲見部長稲見眞一
    <自己紹介>
    昭和52年4月、中京テレビ放送入社。「ズームイン!!朝!」を始めとした情報番組や「ドラマ」「ドキュメンタリー」等のディレクター・プロデューサーを務めた。鉄研最終回(2010年1月29日放送)では自ら自慢の鉄道写真「俺の一枚」を持って出演。 鉄道歴は小学校5年からスタートしはや半世紀。昭和55年には当時の国鉄・私鉄(ケーブルカーを除く)を完全乗破。平成18年にはケーブルカーも完全乗破。その後も新線が開業するたびに乗りつぶしている筋金入りの“乗り鉄”。好きな鉄道は路面電車。電車に揺られながら窓外に流れる街並みを眺めているのが至福のとき。さてスジを寝かせてゆったり乗り鉄と行きましょう!