2012年03月31日 23時25分
この建物は何と呼べばよいのでしょう?
昨日と一昨日の写真にもほんの少し写っていましたが、2本の線路に挟まれたホームの先にそれは存在しています。
「木造2階建てで…」等といらぬ注釈をつけるより、一言で言うならば『レトロ!』。まるで昭和の時代からこの空間だけが時の歩みを止めてしまっているかのようです。
でも、1階にある扉の右側には“生活感”(仕事の場なのでこの表現はいささか難ありですが、雰囲気はこの方が伝わりそうだと思っています)が漂っているので、平成であることは間違いありません。また扉の造作そのものも昭和よりは平成っぽいですね。
で、話しを戻して、この建物は電車の運転士さんたちの待機所(名称的には「乗務員詰所」かな)???
それともその先にダブルクロッシングのポイントがあるので、その切り替えと信号と扱う“操車塔”…、おっと交差点を見渡す場所にある訳ではないので“信号扱所”と言うべきか???でも2階で信号を扱っていれば“操車塔”と言ってもあながち間違いではなさそう…。はたまたそれも含めて阪堺線の運転を統括する“運転指令室”か???
“事務所”というのも何か似合わないし…。
まあっ、建物の用途は阪堺電車に詳しい方に聞けば分かるのでしょうが、この存在感が何故か妙に私の気を惹きつけました。現存する日本全国の路面電車を私は全部乗っているのですが、同様の場所に建物がある事例は、私の記憶ではありません。
こうして書いていてふと思ったのですが、この写真はおよそ路面電車らしくないですね。『地方の小私鉄』といったら、「軌道」と「鉄道」では種類が違う!とお叱りを受けるかも知れませんが、昭和の時代に国鉄駅を起点に周辺の町へと線路を繋いでいた私鉄の昼下がりの一時(ひととき)の風情を醸し出しているように見えました。んーっ、でもこの感想は、私が周りの風景を含め、ある種「昭和レトロ」的幻想に浸りたいと願っているからかもしれません。(もっとも背景にある建物が興醒めですが…)