2012年05月20日 18時28分

高山本線ローカル列車の旅(16)。

飛騨川の渓谷は、「白川口」を出たあたりから『飛水峡(ひすいきょう)』と呼ばれています。ここには国の天然記念物「飛水峡の甌穴群(おうけつぐん)」があります。写真では相当に分かりにくいというかわからないと思いますが、川縁の「岩」にある独特の形をした“穴”のことで、以前、特急や急行に乗っていると、この区間で車掌さんがその案内放送をしていた記憶があります。

よってこの日は、一日で2つの「天然記念物」を列車に座りながら見たことになります。これは他線にはない高山本線の旅の魅力ですし、貴重な体験と言えます。もっともそんな情報を事前に調べて上でこの列車に乗ったかと言うと決してそんなことは無く、乗り始めてそれを思い出し、その写真を撮ったというのが本当のところです。ただそのタイミングは少々どころか・・・。

その飛水峡の風景が終わってしばらく行ったところにあるのが「下麻生(しもあそう)」駅。ここで国鉄色のキハ48の2連、『1717C』と交換。(それにしても私には“C”というのはどうもしっくりきません。)
何事にも行き当たりばったりの私の性格が出てしまったのがこの一枚で、ノンビリとボックスシートに一人身をあずけていたら、目の前に見慣れない色のキハ48が到着しました。考えてみればというより考えなくても国鉄色の高山本線のキハは結構話題となっていただけに、どこかで行き違うことは十分に予測できたはずで、油断していた私の落ち度でした。
てなことで慌てて靴を履き、最後尾に走って何とか1枚だけ撮影できたのが下段写真です。(注)実際には他の乗客の迷惑になりそうでしたので走ってはいません。『走って』いたのは私の気持ちです。



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プロフィール

稲見部長稲見眞一
<自己紹介>
昭和52年4月、中京テレビ放送入社。「ズームイン!!朝!」を始めとした情報番組や「ドラマ」「ドキュメンタリー」等のディレクター・プロデューサーを務めた。鉄研最終回(2010年1月29日放送)では自ら自慢の鉄道写真「俺の一枚」を持って出演。 鉄道歴は小学校5年からスタートしはや半世紀。昭和55年には当時の国鉄・私鉄(ケーブルカーを除く)を完全乗破。平成18年にはケーブルカーも完全乗破。その後も新線が開業するたびに乗りつぶしている筋金入りの“乗り鉄”。好きな鉄道は路面電車。電車に揺られながら窓外に流れる街並みを眺めているのが至福のとき。さてスジを寝かせてゆったり乗り鉄と行きましょう!