2012年06月15日 18時27分

「スイッチバック 北の鉄道 終列車」(4)。

「三菱石炭鉱業」の乗車券2枚(上の2枚)は、実際に私が使ったものです。片道60円の区間を1日3往復の列車の運行では、等とは考えるまでもないことでした。

 

「三菱大夕張鉄道」とある下の2枚の乗車券は全16枚(内1枚は「大夕張炭山駅」の入場券)のセットで、「南大夕張」駅にて200円で売られていたものの一部です。その全てに「南大夕張」~「大夕張炭山」間が廃止された昭和48年12月15日の日付が入っていました。その中には「三菱鉱業大夕張鉄道」と印刷されたものが3枚、「三菱大夕張鉄道」と印刷されたものが9枚、「大夕張鉄道」と印刷されたものが1枚、それ以外の3枚は社名・線名の印刷がなく、一方で『2等』の文字が入っているものもあって、きっと会社の変遷とは別に、あるものはそのまま最後の日まで使っていたのかもしれません。

何せ、運賃が変わっても「運賃変更」の印を押すこともなく使われていた例は、地方私鉄ではまま見受けられた時代です。

一方、車内乗車券は正に私の乗車時に車掌さんから買ったもので、「南大夕張」~「遠幌」間の小児運賃(30円)のものです。

 

先にも書いていますが、私の乗車時に既に廃止されていた「大夕張炭山」までの全ての駅が入っているだけではなく、発行が「大夕張炭山車掌区乗務員」となっています。

こうして今回、改めて手元の資料を紐解いてみると、30有余年の時間の経過に愕然とするばかりです。

 

『札幌テレビ』に北海道の昭和の鉄道の映像が残っていただけでも、それは貴重な資料といえます。そして今回発売のDVDは「スイッチバック 北の鉄道 終列車」ということで「スイッチバック」シリーズの最終回となるそうですが、以前の2本のDVDも含め、北海道の歴史は『鉄道』と共にあったのであろうと今、思っています。

 



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プロフィール

稲見部長稲見眞一
<自己紹介>
昭和52年4月、中京テレビ放送入社。「ズームイン!!朝!」を始めとした情報番組や「ドラマ」「ドキュメンタリー」等のディレクター・プロデューサーを務めた。鉄研最終回(2010年1月29日放送)では自ら自慢の鉄道写真「俺の一枚」を持って出演。 鉄道歴は小学校5年からスタートしはや半世紀。昭和55年には当時の国鉄・私鉄(ケーブルカーを除く)を完全乗破。平成18年にはケーブルカーも完全乗破。その後も新線が開業するたびに乗りつぶしている筋金入りの“乗り鉄”。好きな鉄道は路面電車。電車に揺られながら窓外に流れる街並みを眺めているのが至福のとき。さてスジを寝かせてゆったり乗り鉄と行きましょう!