2012年06月29日 22時25分

富山ライトレールの楽しみ方(5)。

ところでLRTとは何でしょうか?そのコンセプトは国土交通省都市整備局都市計画課交通調査室が平成17年10月に公表した『まちづくりと一体となったLRT導入ガイダンス』には次のように書かれています。長文ですが引用します。

「LRTは、従来の路面電車が高度化され、洗練された公共交通システムである。具体的には、車両の低床化などユニバーサルデザインが徹底され、外観も美しくデザイン化されるとともに、走行路も道路路面だけでなく地下や高架、都市間鉄道乗り入れなど多様な空間を活用し速達性の向上が図られるなど、より高度な公共交通サービスを提供するために様々な工夫が施されたシステムである。」

とあるにも関わらず、「車両の低床化…」が世間的にはあまりにも注目されすぎ、「速達性の向上」であったり、「様々な工夫が施されたシステム」があまり取りざたされていないのが気になります。

今日の上の写真は「富山駅北」に停車中の電車ですが、見た通りで低床であることが見て取れます。本当はもっと低床が分かるように停車中の写真を撮るべきでしたが、それは次への反省ということでご容赦を。

こちらは昨年の11月21日にドイツ・ミュンヘン市のドイツ鉄道「ミュンヘン駅」前の停留所で撮影したもので、道路面がわかるので電車内の低床ぶりが少しは分かっていただけると思います。

ミュンヘンの路面電車は「富山ライトレール」の建設計画時に参考にされた鉄道の一つと言われており、その車両は殆どが低床車ですが、実は全ての電車が低床というわけではありません。(その写真は後日)

ミュンヘンの路面電車のLRTにあるのは、『システム』というキーワードで、先々回の『ポイント』と先回の『フィーダーバス』は、正にLRTの『システム』であり、「LRT」=「低床車」という認識は、そろそろ払拭されても良いのではと思っているのはきっと私だけではないはずです。といいつつ、それに気付いたのはそれほど前のことではないのですが…。



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プロフィール

稲見部長稲見眞一
<自己紹介>
昭和52年4月、中京テレビ放送入社。「ズームイン!!朝!」を始めとした情報番組や「ドラマ」「ドキュメンタリー」等のディレクター・プロデューサーを務めた。鉄研最終回(2010年1月29日放送)では自ら自慢の鉄道写真「俺の一枚」を持って出演。 鉄道歴は小学校5年からスタートしはや半世紀。昭和55年には当時の国鉄・私鉄(ケーブルカーを除く)を完全乗破。平成18年にはケーブルカーも完全乗破。その後も新線が開業するたびに乗りつぶしている筋金入りの“乗り鉄”。好きな鉄道は路面電車。電車に揺られながら窓外に流れる街並みを眺めているのが至福のとき。さてスジを寝かせてゆったり乗り鉄と行きましょう!