2012年07月15日 20時37分

富山ライトレールの楽しみ方(11)。

最後に富山ライトレールに戻ります。車内には「傘の無料貸出し」もあって、この辺りは日本的な乗客サービスでしょう。名古屋の地下鉄にも“友愛の傘”があります、、、そういえば最近あまり見かけない?どこかの駅にはあったような?

話しをポートラムに戻し、この路線をLRTと呼ぶには「電車優先信号」が無いのは今後に期待と言うことになりますが、それ以外は日本でのLRTの在り方の方向性を示してくれたと思っています。

専用線区間の最高時速は60キロで、私の乗車した電車はたまたま乗降にあまり時間がかかっていなかったこともあり50キロ前後でも定時運行でしたが、低床電車の60キロは結構迫力はあると聞いています。

また「信用乗車」ではないのですが、パスカ利用者が多いことも乗降時間の短縮に役にたっていると思われました。とは言うものの『富山ライトレールの楽しみ方(7)。』で書いたことと少しダブりますが、ICカードを導入しても、ICカードリーダーの設置に工夫が無いと乗降時間の短縮につながりません。そんなことも含めてポートラムが「日本のLRTの在り方」という私の感想に繋がっています。

 

ところでトラムと言うか「LRT」って何だろう?と考えることがあります。

都市交通の研究・専門家ではない私の感覚で答えるならば、“普通”の『鉄道』です。「ンーっ」と唸ってしまうほど表現が難しいのですが、ここに書いた“普通”の『鉄道』という表現はまずJRや名鉄とかの地上を走る『鉄道』の事で、その“普通”の『鉄道』とLRTとの違いは単に軌道の敷かれた場所だけではないか?と言う感覚です。まだ分かりにくいですね。

まずLRTの電車のスピードは、短い停留所の間を精一杯出している感じで、それが時速50キロ程度というのが実感です。“普通”の『鉄道』でも駅間が短ければ、そんなものではないでしょうか?また「電車優先信号」は、考えようによっては『踏切』のようだと私は感じています。

 

そうやって考えれば『LRT』は、道路上を走行する『鉄道』と言う私の表現もご理解いただけないでしょうか?

ポートラムのみならず、日本の路面電車そして世界の路面電車に多くの方に乗って頂き、車窓を楽しみ、そして一寸都市交通を考えてもらえれば幸甚(こうじん)です。

 

(富山ライトレール・ミュンヘンのトラム:主な参考資料)

◆「社団法人交通計画協会」発行

1)「ライトレールトランジット」(平成12年4月作成)

2)「都市と交通 通巻66号」(平成18年7月20日)

3)「Light Rail Transit」(平成20年4月)

◆「富山市都市整備部路面電車推進室」発行「富山港線の事業概要」(平成18年4月)

◆国土交通省HP

◆富山ライトレールHP

◆Wikipedia「富山ライトレール 富山港線」

◆ミュンヘン運輸連合(MVV)HP

◆「Schwandl’s TRAM ATLAS DEUTSCHLAND」(2009年版「Schwandl, Robert Verlag」発行)

    

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    プロフィール

    稲見部長稲見眞一
    <自己紹介>
    昭和52年4月、中京テレビ放送入社。「ズームイン!!朝!」を始めとした情報番組や「ドラマ」「ドキュメンタリー」等のディレクター・プロデューサーを務めた。鉄研最終回(2010年1月29日放送)では自ら自慢の鉄道写真「俺の一枚」を持って出演。 鉄道歴は小学校5年からスタートしはや半世紀。昭和55年には当時の国鉄・私鉄(ケーブルカーを除く)を完全乗破。平成18年にはケーブルカーも完全乗破。その後も新線が開業するたびに乗りつぶしている筋金入りの“乗り鉄”。好きな鉄道は路面電車。電車に揺られながら窓外に流れる街並みを眺めているのが至福のとき。さてスジを寝かせてゆったり乗り鉄と行きましょう!