2012年07月22日 21時17分
旅情をそそる風景の一つに「沈みゆく夕日」があります。
「夕日」の名所は世界中にあり、まあそこまで広げなくとも「Wikipedia」で検索したら『日本の夕陽百選』(ここでは「夕日」ではなく「夕陽」となっています)が出てきました。NPO法人 日本列島夕陽と朝日の郷づくり協会が選定したものだそうですが、愛知県では篠島の「万葉の丘」が挙げられていました。何となく「夕日」は海が似合う感じですが、『日本の夕陽百選』は海の景色だけではなく、都会の地名も出てきます。また私にとって印象が残っている「夕日」は映画『ALWAYS 三丁目の夕日」だったりします。
そうした場所で夕日を楽しむのも良いですが、私は列車の中から見る、流れゆく風景の中で沈みゆく『夕日』も好きです。(相当に強引な展開です)
この写真は釧網本線の「 南斜里」近くで撮影したもので、4738Dの車内から撮影したもので、時刻はカメラの時計で16:18でした。北海道らしい風景と真っ直ぐな線路。そして列車を追いかけているような太陽は、この日の終焉の始まりに相応しく感じました。
「浜小清水」~「北浜」間では、進行方向左側の窓辺に、正に北の大地に吸い込まれてゆくように姿を消してゆく太陽にしばし見惚れていました。時刻は16:48。緯度の高い北海道の秋は、予想以上に日没の時間が早く、それでも1日の終わり、あとは網走まで向かい、ただ寝るだけという10月6日は、私に思いもかけぬ感動的なフィナーレを用意してくれていました。
天気さえよければいつでもどこでも見られる「夕日」。でも心に余裕がなければこのように「写真」を撮ることはないでしょう。しかも動く列車の中から「夕日」を堪能することは条件が揃わなければ…、とここまで書いて、そんな理屈はともかく、今思い出しても「偶然の産物」にただ感謝するのみです。
一日の終わりの風景は、旅の中だけではなく、日常の中でも同じだと思っています。それでも“動く列車”と“動く太陽”がシンクロする心象は「鉄旅」ならではないでしょうか・・・。