2012年07月25日 20時20分

名古屋・鉄道散歩(6)地下鉄桜通線吹上駅。

今シリーズで、ここ地下鉄桜通線「吹上」駅から初めて“鉄道”が関係する壁画が登場します。更に次駅の「御器所」駅から更に「鉄」分は濃くなります。(期待を裏切ることとなったらご免なさい。最初から謝っておきます。情けないですね)

と書いておきながら、実際にこの写真をご覧になったからは「えっ!これが?」という声が聞こえてきそうですが、この壁画は名古屋市交通局のメッセージを少し感じるウィットに富んだ作品であると私は感じています。

タイトルは「“PLEASE DO NOT RUN”」。直訳すれば『走らないで』ということになり、解説には「そんなに早く走らないで。人生でもっとも美しいものを見失ってしまうから。」とありましたが私はそれを『駆け込み乗車はご遠慮ください』と訳してみました。(意訳し過ぎというより誤訳!かも。意のあるところを汲んで下さい)

真横から見ると壁画と言うよりは、立体感があるので彫刻に近いかもしれません。寄贈者は日新製鋼株式会社、作家はウイリアム・マクエルチュラン(カナダ)で、おっと書き忘れるとことでしたが、先の解説の「…早く走らないで…」は和訳で、その前に英語で「“PLEASE DO NOT RUN” SO FAST THAT YOU MISS THE MOST BEAUTIFUL THINGS IN LIFE」と書かれ、そしてそこには作家のサインがあることから、私の『駆け込み乗車』うんぬんはさておき、作家の深いメッセージを感じる作品となっています。

 

さて『駆け込み乗車』という私の感想ですが、乗客にとっては転んだりすることも考えられ、また、鉄道会社サイドからすれば、列車遅延の原因の一つとなります。ということで、駆け込み乗車する方がいると、かなりの頻度で「駆け込み乗車はお止め下さい」というアナウンスが車内であったりします。

「狭い日本そんなに急いでどこへ行く」という交通標語がかってありましたが(若い人は知らないかも???)、電車に乗る際、「日々、人生でもっとも美しいものを見失ってしまっていないか?」等と思わず自問自答してしまう吹上駅です。はっきり言ってこの壁画は私の好みです。



ADVERTISEMENT

電子書籍「稲見駅長の鉄道だよ人生は!!」
稲見駅長の鉄道だよ人生は!! ―各駅停写の旅―

カレンダー

2012年7月
« 6月   8月 »
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

プロフィール

稲見部長稲見眞一
<自己紹介>
昭和52年4月、中京テレビ放送入社。「ズームイン!!朝!」を始めとした情報番組や「ドラマ」「ドキュメンタリー」等のディレクター・プロデューサーを務めた。鉄研最終回(2010年1月29日放送)では自ら自慢の鉄道写真「俺の一枚」を持って出演。 鉄道歴は小学校5年からスタートしはや半世紀。昭和55年には当時の国鉄・私鉄(ケーブルカーを除く)を完全乗破。平成18年にはケーブルカーも完全乗破。その後も新線が開業するたびに乗りつぶしている筋金入りの“乗り鉄”。好きな鉄道は路面電車。電車に揺られながら窓外に流れる街並みを眺めているのが至福のとき。さてスジを寝かせてゆったり乗り鉄と行きましょう!